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滞留在庫の削減を!10年先も生き残るためのポイント

※最終更新日:2023年1月23日

多くの小売企業が頭を悩ませる滞留在庫ですが、このような在庫に目をつむってしまっていませんか?滞留在庫を放置すると経営における様々なデメリットが生じるため、迅速に対処が必要になります。

本記事では滞留在庫を放置する危険性と10年先も生き残るために意識するべきポイントを解説します。

滞留在庫とは

滞留在庫とは、値下げ等の販促施策を行っても今後売れる可能性が低く、在庫として眠ってしまっている商品のことです。不良在庫や不稼動在庫とも呼ばれます。

小売の現場では売上上位の商品に需要が集中することが多く、全SKUの2割しか稼働していないという調査結果も出ています。

滞留在庫を抱えた状態が続くと、キャッシュフローの悪化や品質の低下、在庫を置いておくスペースの圧迫など、在庫ビジネスにおける様々なデメリットを引き起こします。

今までの常識が滞留在庫の増加に繋がっている

今まで在庫ビジネスを行っている多くの企業は、売上を増加させるために以下のようなことを行ってきていました。

  • 売れ筋商品を過剰に仕入れる
  • 新たにヒット商品をつくるためにSKUを増やす
  • 仕入れに注力する一方で、滞留在庫やSKUの削減に注力しない

しかし今後もこのようなことを続けると、小売企業経営の命取りになる可能性が高くなります。

三陽商会の社長に2020年5月26日付で就任した大江伸治氏は、4期連続で赤字の事業を立て直すために大きな方向転換をするとして、2020年5月15日の繊研新聞にて以下のように語っています。

現状は、過剰な売り上げ計画のもと、過剰仕入れをしたにもかかわらず、売り上げは下振れをしています。お恥ずかしい話ですが、正価販売比率は5割に達していません。セールをしても余ってしまっています。不合理極まりない構造ですが、これまでメスを入れた形跡がありません。

(中略)

今回の再生プランは、実力に応じた売り上げ計画としています。売り上げ規模ではなく中身の徹底改善の方針に切り替えています。(中略)無理して作る売り上げはいらない、ということです。場合によっては欠品してもいい。社員にとってはこれまで聞いたことのない理屈かもしれませんが、自分たちがどうすれば利益を残せるか考える方向へかじを切ります。

2020/5/15の繊研新聞より

実際、大江社長は着任後すぐに品番とSKUは半分と号令をかけ、2023年2月期こそは黒字化が見えてきています。

関連記事:三陽商会がようやく復活…ポイントはプロパー強化と値引き抑制

このように、売上のための過剰な仕入れやSKU数を増やすという戦略は、滞留在庫の増加に繋がり、値引き多発による利益率の悪化、資金化できない在庫を抱え込むなど、経営にとって致命的な禍根を残してしまうのです。

つまり、経営悪化の一大要因となりうる「滞留在庫を削減すること」は真っ先にやるべきであり、新たに在庫を仕入れて売上をつくる戦略から「今ある在庫」で売上をつくる戦略に意識を転換させる必要があります。

10年後も生き残る企業にするためには

確実に言えることは「今ある在庫で売上や利益をつくり、在庫を削減していく」ことで、10年後も生き残ることができる企業体力を作っていくことができるということです。

10年後も生き残る企業にするためには、以下のような意識を持つことが重要です。

  • 滞留在庫への危機感を高め、早めに資金として回収する意識をもつ
  • セールで売り切ることができない量の在庫を持たない

関連記事:在庫回転率とは?計算方法や適正在庫を維持する方法を解説

フルカイテンでは、今ある在庫で売上をつくる方法のひとつとして、売れ筋商品だけでなく「隠れた売れ筋商品」からも売上をつくる方法を提唱しています。

関連記事:在庫分析とは?3ステップの分析手法やメリットをわかりやすく解説

売れ筋商品だけに注力をするのではなく、売れるポテンシャルがある商品に着目をして販促強化を行うことで、滞留在庫を生み出さずに今ある在庫で売上利益を作ることが可能になるのです。

まとめ

  • 滞留在庫とは値下げ等の販促施策を行っても今後売れる可能性が低い商品のこと
  • 過剰仕入れなど、今までの在庫ビジネスにおける常識が滞留在庫の増加に繋がっている
  • 10年後も生き残る企業にするためには、適正在庫の維持と滞留在庫をキャッシュに変える意識をもつこと

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