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効果のある在庫分析とは?エクセルでできる方法を3ステップで解説

皆さんは日々の業務の中、売上増加や発注、在庫適正化など様々な目的で在庫分析をしているかと思います。しかしどんな方法で行えば良いか、分析した結果どうすれば良いかなどで困っていませんか?本記事では、エクセルいらずでできる在庫分析の手法をご紹介いたします。

売上増加と在庫最適化は両立が非常に難しい

まず分析手法についてお話しする前に、売上増加と在庫最適化の関係性を改めて見ていきましょう。

まず、売上増加と在庫適正化は相反する関係性です。
下記のように両立は非常に難しく、小売業界にとっては積年の課題です。

  • 仕入れを増やせば売上は増えるものの、在庫も増えてしまう。
  • 仕入れを減らせば在庫は減るものの、売上も減ってしまう。

しかし、在庫は事業を成長させる重要なポイントです。在庫リスクをうまくコントロールしながら効率よく売上を伸ばしていくことができれば、小売事業は成長していくと考えることができます。

在庫は「売れる」「売れない」の2択ではない!

皆様は商品の在庫リスクをどのように判定していますか?

企業規模に関係なく、下記のような評価をすることが多いのではないかと思います。

  • 売れていれば安心
  • 売れていなければ危険

しかしこの考え方では在庫リスクを充分に判定できていません。

商品は「売れる」「売れない」の2択ではないからです。

商品には「売れる」「売れない」の中間に属する商品があります。この中間商品を詳しく見ていくと、元々は売れる商品だったのが何かしらの要因で、売れなくなってきた商品であることが分かりました。

そして、商品のライフサイクルは、「入荷」「売れ始め」「よく売れる」「だんだん売れなくなる」「全然売れなくなる」という過程をたどります。上記の「商品は売れる・売れないの2択ではない」を念頭に、ライフサイクルに合わせて在庫リスクを見ていくと、下記4つの状態に分けることができるのです。

  • 新商品
  • 隠れた売れ筋商品
  • 売れ筋商品
  • 不良在庫

在庫リスクを判断する上で重要なのは、在庫の状態は4つあるということを理解し、いかに「隠れた売れ筋商品」を「売れ筋商品」にするかを考えることが重要なのです。

エクセルでできる在庫分析

在庫リスクをコントロールする2つのポイント

ではこの在庫リスクを上手にコントロールするためにはどうすれば良いでしょう。

ポイントは次の2点です。

  • 在庫リスク悪化の兆しに気付くことができるか
  • 正しい在庫リスク判定ができるか

そしてこの2点を満たすためには、SKUごとにそのSKUがこれからどれくらい売れそうなのかを予測する必要があります。これからも売れそうなら売れ筋商品、あまり売れなさそうなら隠れた売れ筋商品、全然売れなさそうなら不良在庫となります。

「予測するために高度な機能を備えたシステムを活用しなきゃいけないのか。それは難しい」と思われるかもしれませんが、システムはなくても大丈夫ですのでご安心ください。

在庫分析の3ステップ

ではエクセルでできる在庫分析の手法についてご説明します。
移動平均法(※)を使うことで、3ステップで分析することができます。

※棚卸資産となる商品を仕入れた時点で平均単価を随時計算し、売上原価とする方法

手順1:移動平均でも直近の何日かの平均でも構いませんので、エクセルなどを使って完売予測日を計算します。

手順2:目標期限までに完売するなら売れ筋商品、完売予測日が目標期限より90日以上(※)なら不良在庫、その間の商品群を隠れた売れ筋商品というルールを決め、実際にSKUごとに分類してみましょう。

※基準は企業様によって異なります。

手順3:新商品についても、販売開始後にまったく売れていない新商品をリストアップします。

このように在庫リスクを判定すると統一した基準のもと分類することになるため、時間をかけることなく全在庫の状態を掴むことができ、在庫リスクに応じた販促が非常にやりやすくなります。

【販促例】

  • ①売れている→優秀な商品なので、引き続き販促していく
  • ②売れ始めている→薄いOFF率にしながら、しっかり売り切れるように販促強化
  • ③売れなくなってきた→深いOFF率にして売り切っていく
  • ④売れていない→セールや福袋、アウトレットに回す

在庫分析は販促に活かしてはじめて効果が生まれる

分析後は在庫リスクに応じて販促を行っていくことが重要です。

まず不良在庫に分類された商品は今後売れる見込みがほとんどない商品です。そのような商品は、セールで値引きしてでも売り切っていくのが得策です。

ですが、不良在庫の削減を目的にしたセールは値引き幅が大きくなります。そのような値引きセールを何度も行ってしまうと、ブランド価値の毀損や値崩れ、安物買いのお客様が多くなり、長期的に見ると事業にとってはマイナス面が多くなります。

そのため、不良在庫の削減を目的にしたセールは1年に数回に留めておき、本質的には不良在庫化する商品を増やさないようにすることが重要です。

次に隠れた売れ筋商品です。これは新商品として入荷してから徐々に売れ始めた商品や、これまでよく売れていたが徐々に売れなくなってきた商品です。

こういった商品は、販促を強化すればまだまだ売れる可能性が高いですが、それをせずに放置してしまうと在庫リスクがどんどん悪化し、ある日突然不良在庫に変わってしまいます

不良在庫化してしまうと売れる可能性が極めて低くなりますので、それは避けなければなりません。

これらの商品を販売するためには店舗間での在庫移動、VMD変更、メルマガ、広告、特集、ポイントキャンペーンを行ったり、小さな値引きを段階的に行ったりすることでなるべく早く消化してくのが効果的な方法です。

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在庫最適化のポイントは「不良在庫を増やさない仕組みづくり」

在庫が増え続ける2つの理由

在庫が増える理由は2つあります。1つ目が「売れる」「売れない」の中間にある在庫リスクに気付けないこと。2つ目は、在庫リスクの判断材料に無関係な指標を使っていることです。

1つ目の理由は、上記の通り、​​隠れた売れ筋商品や新商品の中で在庫リスクが悪化しそうな商品の存在に気付かず放置してしまうことにあります。

このような状態で、日々入荷する大量の商品の中から在庫リスクが悪化しはじめた商品のことを気にかける余裕がなくなり、在庫が増え続けるという悪循環となるのです。

続いて2つ目の理由です。

例えば、不良在庫を判断するよくある手法として「滞留期間」を軸に在庫リスクを判定する方法があります。

滞留期間というのは、たとえば倉庫に30日滞留している商品は在庫リスクが高いと判定する考え方です。30日と書いた部分は企業や商品によって違うのですが、この判定方法では在庫リスクは判定できません。

それはなぜでしょうか。

たとえばある会社に鉛筆の在庫が100本あるとします。そしてその100本はいつもの売れ方から考えると、だいたい50日ぐらいで売り切るぐらいの在庫数だとします。もしこの会社が滞留期間を30日と決めていたとして、その30日が経過した時に倉庫にまだ鉛筆が何本か残っていたとしましょう。これは在庫リスクが高いと言えるでしょうか。

普通なら50日で売り切ればよいぐらいの在庫数ですので、30日経過した時に倉庫に何本か在庫が残っているのは問題ではありません。ですから在庫リスクが高いとは言えません。

では逆にその鉛筆が通常なら10日ぐらいで売り切らないといけないような少ない在庫数だったとしましょう。この場合、30日経過してまだ鉛筆が倉庫に何本か残っていたとしたら、それは在庫リスクが高いと言えます。

つまり、滞留期間を何日に定めようと、在庫リスクの判定には無関係だということです。在庫リスクとは無関係な指標で在庫リスクを判定しているのですから、在庫リスクの高い在庫を見つけ出す精度は高くありません。そうなると本来は対策をすべきべき商品が見落とされ、いつまでも倉庫で眠ることになります。

これが、在庫が増え続ける2つ目の理由です。

在庫コントロールが必要不可欠

在庫最適化の仕組みの本質は不良在庫を増やさない仕組みづくりにあります。

そのため在庫分析を行い統一された指標のもとで在庫を分類し、在庫リスクを見逃さない体制を作ることが重要です。

在庫を上手にコントロールしている企業様は、よく売れている売れ筋商品の販促だけではなく隠れた売れ筋商品の販促をしっかり実行しています。

▼事例

粗利率を4%上げつつ売上3割上振れ! 消化率がコロナ前を上回る秘訣は実店舗30店のDX

売上を増加させようとすると、どうしても売れ筋な商品の販促に集中してしまいますが、よく売れる商品の割合は限られていますので、そういう商品だけで売上を増加させるためには、商品数を増やして人気商品が生まれるかどうかを試すしか方法がありません。

しかしこのような商品数の増やしかたは賭けと同じですので、そんなに簡単に人気商品が生まれることはほとんどなく、当然のことながら在庫はどんどん増えてしまいます。

また在庫が増え続けるのは、資金が倉庫で寝ていることと同じですから、キャッシュフローにも問題が出ますし、規模の小さな企業では資金繰りに窮することも考えられます。さらに商品は倉庫に置いているだけでも、毎月余計な保管コストを生んでいるということも忘れてはいけません。

このように考えてみると、売れ筋商品だけで売上を作ろうとするのではなく、隠れた売れ筋商品でも、しっかり売上を作る意識を持つことの重要性をご理解いただけるのではないでしょうか。

商品数が多いとエクセルで在庫分析を行うのは大変かもしれませんが、やってみていただければ、きっと効果を実感することができると思いますので、ぜひ試してみてください。

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