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アパレルのVMDで売上を上げるには?|大手ブランド出身「VMDの鬼」がその極意を徹底解説

小売企業にとって特に重要なVMD。本記事では大手アパレルブランドに7年間在籍し、「VMDの鬼」とも呼ばれた筆者が、VMD業務で意識するべきポイントについて解説します。

筆者プロフィール:
2013年に新卒として年商1,000億円規模の大手アパレルブランドに入社し、半年後に店舗のVMD担当に就任。その後も複数店舗で担当後、店長として新ブランド立ち上げを経験。2020年より複数店舗を管轄するスーパーバイザーと店長を兼任し、2022年よりフルカイテンに入社。

VMDにおいて商品分析の質が大事

まずはじめにVMDについておさらいしましょう。

VMDとはショップの内装やレイアウトを工夫して商品が魅力的に見えるような売り場づくりを目指すことです。

このVMDは売上にも大きく関わってくる部分でもあるので、どの商品をどの位置に配置するかが非常に重要なポイントになっています。

基本的には本部のVMD担当が指示書を作成して、それを各店舗に展開するというやり方が主流です。ですが店舗ごとに坪数や特徴が違うため、指示書を参考にいかに各店舗のVMD担当が戦略を考えられるかが非常に重要となります。

まずは実績を確認するべき

では私が店舗のVMDを担当していた時の業務フローをご紹介します。日別でまとめると以下の通りです。

  • 月曜日:在庫状況確認や売れ筋などの実績を確認
  • 火曜日:アウトレットやECサイト、そのほか店舗へ在庫移動
  • 水曜日:VMD指示書が本部より送られてくるため、指示書を参考にVMD変更
  • 木曜日:水曜日に出し切れなかった商品を並べるなど、売り場を整えていく
  • 金曜日:平日の実績を確認し、土日に向けての最終調整

上記はどこの企業でも同じようなフローなのではないかと思います。やはり土日が1番売上が取れる期間のため、平日は土日に向けて徐々に売り場を整えていくのを意識していました。

この中で1番重視をしていたのは、月曜日の実績確認です。

本部から配信される指示書は、全店やお店のランク(規模や地域)ごとという粒度で分析されているため、各店舗のマーケットに合っているかというとそうではありません。

また地方や売上規模があまり良くない店舗の場合、これを打ち出してくださいと指示されても売上が高いお店に在庫が持って行かれてしまうため、土日まで在庫数が持たなくなってしまうことがありました。
そのため月曜日に、自店舗・全店の2つの視点から売上が好調の商品や好調だけど在庫数が少ない商品、また自店舗ならではの売れている商品を把握しておくことが重要だったのです。

商品分析は売上と在庫数の2つが重要

具体的には、売上表を見ながらどの商品が何点売れたか?と品番別の売上ランキングをエクセルで確認していました。ただ実績を確認して終わりではなく、商品分析をして実際にVMDで打ち出す商品を決める必要があります。

商品分析においては、以下4つの指標をみていました。

  • 売上構成比
  • 全社在庫数
  • 在庫構成比
  • 倉庫在庫数

例えば、売上が高い商品は言い換えれば欠品になる可能性が高い商品でもあります。さらに全社在庫数がある場合でも、倉庫在庫数が少ない場合は店舗に投入されないケースが多くあるため、集約依頼がかけられない場合を除いて打ち出し強化をするのは危険です。

そのため、売上と在庫数をセットで確認して打ち出しすべきかを判断することが重要なのです。

また、売上構成比の確認をすることも非常に大事なポイントです。

以前FULL KAITEN導入企業のデータ分析を行ったところ、全SKUの20%で粗利益総額の8割を稼いでいるという調査結果が発表されていましたが、これは私の感覚的にもそうだと思います。

例えば冬のシーズンだと、コート・ニット・スウェットの3カテゴリで売上の6、7割を作っている企業が多いのではないでしょうか?この構成比を把握しないまま、スカートやパンツを打ち出したとしても売上を上げることはできません。

そのため、売れ筋の商品群を把握してこれらでどう売上を上げていくか?を考えていくことも大切だと思います。

VMDの商品選定は天気と去年の実績を見よ

VMD担当は週間天気の確認を怠るな

それでは、商品分析を行い実際に何を打ち出すか?を決めるときに重要な3つのポイントをご紹介します。

まず1番重要なのは、その週の天気・気温です。

例えば冬物でいうとニットや厚手のアウターが主要商品になると思いますが、こういった厚手のアウターは気温がガクンと下がった時から売れ始めます。

今週末は雪が降るぐらい気温が下がるとした時に、この情報を知らずに今まで売れてないからという理由でダウン出さなかったら、売り逃してしまうことになります。

またアパレルの夏シーズンの場合、基本的にはシーズンは8月末までを指しますが、近年は9月・10月も半袖1枚で過ごせるほど暑い日が続きますよね。その状態でスウェットなど秋服ばかりの品揃えにして売上が取れるかというと取れないと思うので、その週の気温を確認して打ち出し商品を決めることが重要になります。

去年の実績から打ち出す商品を考える

2つ目のポイントとしては、去年の今頃何が売れていたか?を見ることも重要です。

去年の実績を確認することで、ニットは去年の今頃から売れ始めたからニットを打ち出していこうなど、実績からの視座を獲得することができます。

また、去年の今頃はどういう売上構成だったのかの確認も必要です。先述の通り、多くの小売企業では約20%のSKU数で売上粗利の約7〜8割を稼いでいるという状態だと思います。

去年の売上構成比を確認し、比率の高い商品をしっかりと打ち出して上げることで「売上を取れるはずだったのに取れなかった」という事態の防止に繋がるのです。

”3つの時期”で打ち出す商品を変える

売り場作りにおいては以下3つの時期があり、この時期によって売れる商品が違います。

  • 提案時期
    • 春服の予約商品が始まるなど、時期の変わり目
  • 実売時期
    • 8月が夏服が1番売れるなど、シーズンど真ん中の時期
  • 消化時期
    • 冬服なら1月末〜2月など、シーズンエンドの時期

  ※消化時期と提案時期は時期が被る

提案時期・消化時期には、シーズン商品(非定番品)の打ち出し強化をしていく必要があります。

例えば2月はセールも徐々に終わるタイミングとなり、服がもの凄く好きと言う訳ではない、所謂マス層の方達は購買意欲が落ちる時期です。

シーズン商品とは、基本的にその年のトレンドをデザインに反映した商品がメインとなるため、そのブランドのファンやおしゃれが好きな方は購買意欲が高まる時期になります。

そのため、提案時期・消化時期にシーズン商品の打ち出しを強化して売上を上げることが重要になるのです。

一方で実売時期は、ファッション性の高いシーズン商品はあまり売れません。この時期はマス層の購買時期が高まる時期であり、奇抜すぎる商品は好まれにくい傾向にあるためです。

そのため実売時期には、白Tシャツやタートルネックなど毎年売れている定番品の打ち出し強化を行っていくことが重要です。

VMDの課題は感覚頼りになってしまうこと

VMD担当の方々は基本的にエクセルで商品分析を行っているかと思いますが、担当の独学でやるのが一般的で、会社や先輩から教えてもらう機会はほとんどないかと思います。

そのためVMD業務は属人的になりがちという課題があります。また更に問題なのが、自分のお店で売れるか?という視点ではなく、自分の感覚で可愛い・売りたいと思う商品を打ち出してしまうことです。

何を打ち出せば売れるか?という視点で打ち出しを行った場合、上手くいった・上手くいかなかったに限らず、なぜこの結果になったのか?次はどうすればより良くなるのか?を考えることができます。

これを感覚でやってしまうと、良かった悪かったに対して上手く振り返りをすることができず、結果として会社としても自分自身としても成長していくことができません。

そのためVMDで成果を上げていくなら、売りたい商品ではなく、売るべき商品を選定することが重要なのです。

FULL KAITENは予測に基づいてVMDを考えられる

最後に私がフルカイテンに入社して思ったことをお伝えします。FULL KAITEN(※)のVMD業務における提供価値は、まさに売るべき商品を選定できることだと思います。

(※)フルカイテンは社名。FULL KAITENは製品名。

FULL KAITENでは在庫データを活用してAIで予測分析を行い、完売予測日・売上貢献度(※)という2つの軸から在庫の評価を4つに分けることができます。

(※)完売予測日:各商品の現在の在庫数が売り切れる日をAIで予測
   売上貢献度:商品がどれだけ売上に貢献するかを表す指標

見るべき指標が統一されるため属人性の排除ができることに加えて、実績から先の予測を立ててくれるため、しっかりと売り上げを作ってくれる商品(下記図でいうBest、Better)を選定することが可能です。

関連記事:自社ECのVMD変更だけで売上262%アップした方法とは?|成果へ導いた本人が徹底解説

また全店だけではなく各店舗ごとに分析することが可能なので、私が先述したような、好調だけど在庫数が少ない商品や自店舗ならではの売れている商品の把握もエクセルいらずのワンクリックで行うことが可能です。

関連資料:FULL KAITEN製品資料

まとめ

  • まずは先週の実績から、売上が好調な商品や在庫数が少ない商品などを把握する
  • 打ち出していく商品は、週間天気と前年度の実績を参考にする
  • VMD担当は上記2点の確認を必ず行い、売りたい商品ではなく売るべき商品を選定すること
  • FULL KAITENを使えば売るべき商品の選定が簡単に行える

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FULL KAITENでは在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにします。商品力を可視化することにより、利益を生み出す在庫とその施策を立てることが可能になります。


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