在庫が多いとなぜ悪い？過剰在庫のリスクから解決策までくわしく解説

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2023/9/28

在庫を余分に持つことは、機会損失の回避や顧客に対する安心感などメリットがある一方で、在庫が多くなりすぎてしまうと様々なリスクを招いてしまいます。

本記事では、「なぜ過剰在庫が経営に悪影響を与えるのか」という疑問に答えるとともに、過剰在庫が発生する原因や解決策について詳しく解説いたします。

在庫が多いとなぜ悪い？

在庫を余分に持つことは、欠品を防げたり、破損やクレームなどのトラブルに迅速な対応ができたりなど、メリットもあるでしょう。

しかし、需要を大きく上回る量の商品を入荷してしまい、適正な在庫量を超えてしまうと、商品が売れ残り、在庫を倉庫に長期間保存しなければならなくなります。
このように在庫が多くなりすぎてしまった状態を「過剰在庫」といいます。

過剰在庫は無駄なコストの発生や商品の劣化など、経営上大きなリスクとなる様々な問題を引き起こします。

では、過剰在庫は具体的にどのように経営に悪影響をもたらすのでしょうか。

過剰在庫によるリスクは大きく以下の3点です。

ひとつずつ詳しく解説します。

大量の在庫を保管するには、そのためのスペースを確保する必要があり、倉庫の賃借料や光熱費、加えて、在庫の運搬作業による輸送費や人件費もかかります。

さらに最終的に廃棄や返品するとなると、そうした処理にかかる費用も確保しなければなりません。

こういった無駄なコストは経営を圧迫してしまう可能性があります。

一般的には、商品を長い間倉庫などで保管し続けると品質が劣化し、商品価値が低下します。また、品質は変わらずとも、流行りものや季節性のあるものは在庫として保管している間に時代遅れとなります。

このように商品が陳腐化することで、大幅な値引きや廃棄を迫られ、損失を生む場合があります。
売上・粗利・在庫消化を促進する値引きの方法はこちら＞

キャッシュフローとは、入ってくる現金と出ていく現金の流れのことを指します。また、手元の現金や預金が減少し、企業活動に必要な資金が減少することをキャッシュフローが悪化する、と表現します。

在庫は企業の資産（棚卸資産）であり、その企業のお金が在庫として姿を変えたものです。つまり、在庫が増えるほど自由に使える資金が減るということになり、キャッシュフローの悪化の原因となるのです。

在庫を売ることができれば売上になりますが、販売が見込めない在庫が増えると、資金が在庫として固定化してしまい、他の部門への投資や運用に回す資金が減り、経営に重大な悪影響を及ぼすでしょう。

過剰在庫が発生してしまう原因として、在庫の管理・分析が適切に行えていないことが挙げられます。

すべての商品の在庫の売上状況や消化進捗などを把握できていないために、追加発注する必要がない商品まで余計に発注してしまったり、経験や勘に頼った曖昧な予測によって多く発注することで、過剰在庫を招いてしまうのです。

過剰在庫を防ぐには、データを活用して予測を立て、欠品にならない、かつ過剰にもならない適正な在庫量を把握することが非常に重要です。

適正な在庫量を見極めるために有効な指標の一つが「在庫回転率」です。
在庫回転率とは、一定期間内にどれだけ在庫が入れ替わったかを表す指標です。

この数値が高いほど倉庫に商品が出入りするサイクルが速く、低いほど商品が長く倉庫にとどまっていることを示します。

この在庫回転率の目標値を設定し、定期的に数値を確認することで、適正な在庫量を保つのに非常に役立ちます。

例えば、在庫回転率が目標値より高い商品は売れ筋商品だと判断できるため、追加発注を行うことができます。反対に、回転率が目標値を著しく下回る場合は、在庫が多すぎると判断でき、過剰在庫になる前に発注量を見直すといった対応ができるでしょう。

このように、在庫回転率に注目することで、適正な在庫量を判断することができ、過剰在庫を防ぐことができます。

在庫回転率については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
在庫回転率とは？計算方法から適正在庫を維持する4つのポイントはこちら＞

しかし、扱う商品数が膨大な場合、すべての在庫状況を把握するのは非常に難しく、どの在庫に対して何をするべきなのかの判断基準がなかなか定まらないのが実情です。

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