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Yappli マーケティング&セールスWEEKのオンラインセミナーで、弊社代表・瀬川が講演しました

フルカイテン株式会社の代表・瀬川直寛は2020年9月3日、ヤプリ株式会社が主催するオンラインセミナー「Yappli マーケティング&セールスWEEK」で登壇し、「コロナで変わった潮目 在庫を制する者は粗利を制す/需要消失時代の小売経営」と題して講演しました。

当オンラインセミナーは9月3~4日の2日間行われ、瀬川をはじめ計14人によるセッションが予定されています。

※開催概要はこちら

以下に瀬川による講演の要約をご紹介します。

最優先すべき「粗利」と在庫の関係

新型コロナウイルス危機では、たった3ヵ月のうちに需要が消失しました。しかし、これはコロナショックが収束するまでの一過性のものではありません。

2024年には日本の人口増加に貢献した団塊の世代の人たちが全員75歳以上の後期高齢者になり、社会保障給付費が急増します。そして今の九州と同程度の人口が減少する2030年に向けて需要消失は加速します。

つまり、コロナ危機は「2030年問題」の疑似体験だったといえます。

そうした需要消失時代を生き抜くための変革のキーワードは「PL脳」から「BS脳」への転換、つまり粗利第一です。

小売業に携わっている皆さんは経験則で分かると思いますが、在庫を増やせば売上は増えます。反対に在庫を減らすと売上も減ってしまいますよね。

多くの企業は売上を失うよりも在庫過多を優先してきたと思います。でも、在庫過多をどうにかしないといけない、とコロナ危機で分かりました。在庫過多は経営破綻に直結するからです。

そこで、在庫過多を解消する力を付けることが重要になります。そのためには「粗利第一」です。そして、粗利は在庫と密接に関係しているのです。

上図の例では、9000円を売り上げて4000円の粗利を獲得した裏側に、売れ残った5000円の在庫がありますね。需要消失が起きた途端、この在庫をお金に換えることができず、経営破綻ということが実際にコロナショックで起きました。

さらに棚卸資産(在庫)は粗利に余計なことをしてくれるのです(下図)。

毎年の決算で監査が行われ、資産価値をチェックされます。価値が下がったと判断されると、評価損としてPLの商品原価に加算され、もともと4000円あったはずの粗利が削られます。

こういう粗利の喪失は、PLだけを見ていてはなかなか気付けないものです。だから値引きと評価損を抑えるビジネスモデルが重要なのです。

これらを理解せず商品原価ばかり下げようとし、「タグを取り外したらどのブランドの商品か分からない」というような商品の同質化が起こっているのが現状です。商品力が低下しているのですから、なかなかモノは売れませんよね。

「AIで需要予測」は机上の空論

「それなら、AIを使うなどして需要予測をすればいい」と考えがちです。しかしながら、AIをもってしても抜群の精度で需要を予測するのは困難です。

それは、そもそもAIが予想し得ない外的な要因の影響を大きく受けるからです。分かりやすく言うと、予測の前提となる条件がほんの少し変化するだけで、結果が大きく変わってしまうのです(いわゆるカオス理論)。

※詳細は「ユニクロさえも大苦戦…AIの予測はなぜ当たらないのか」を参照

つまり、現実的には、予測だけでは在庫問題の解決は無理ということです。なので、様々な変化が起きることを前提に、変化に強い仕組みをつくることが重要です。

これを追求するためのポイントは次の2つです。

  • 在庫(BSの棚卸資産)の質を可視化する
  • それらの質に合わせて適切な施策を適時に実行する

そうすると、粗利を上げながら在庫を売り減らしていけるようになります。以上を体系化したのが在庫実行管理、IEM(Inventory Execution Management)です。

IEMでは現状、3つのポイントで業務を実践します。

まず1つ目。「今ある在庫」の中からまだまだ売れる隠れた実力商品をみつけます。在庫をどんどん増やさずに売上・粗利が増え、その結果、在庫も減っていきます。

2つ目は「今ある在庫」の中から客単価向上に貢献する実力商品をみつけるというものです。売上・粗利を増やすために客数(注文数)を増やそうとするのではなく、客単価を上げることで売上・粗利を伸ばす考え方です。

そして3つ目。発注の業務負荷を下げることで多頻度少量発注を実現させます。業務負荷を下げるために弊社はデータを可視化するツール『FULL KAITEN』を開発しています。

在庫2割減。なのに売上は計画通りという大手も

FULL KAITENの導入による利益とキャッシュフローの改善効果は計り知れません。あるアパレル系のお客様は在庫を半減させるとともに、売上は毎月、前年同月を上回っています。また、雑貨系のお客様では在庫量は導入前と変わらないのに売上が倍増したというケースもありました。

つい最近も、ある大手小売企業様が導入数カ月で、在庫量を計画比2割削減し、売上は計画どおりという事例があります。

こうした効果が出るのも、IEMやFULL KAITENが机上の理論ではなく私の小売経営の実体験に基づいて生まれたものだからです。

かつて子供服のEC事業を手がけていた頃、在庫問題が原因で3度も倒産危機に瀕しました。いま振り返ると、とにかく発注量が多すぎましたね。でもIEMを実践するようになってからは、発注すべき商品を絞り込めるようになり、在庫過多を脱しました。

また、ヒット商品を増やさないと売上は増えないと思っていましたが、売れ筋でもない死に筋でもないファジーな商品があると気付きました。それらを値引き販売するのではなく販促を強化することで売上も利益も一気に復活しました。

送料無料ラインを8000円から2000円に下げたこともありました。収支が成り立つには注文数は従来の1.4倍は必要でしたが、1.2倍にしかなりませんでした。

ここで注文数(客数)を増やすのはとても大変なんだと痛感しました。そして、客単価を上げるためにグラフを何枚も書いて考え抜きました。その結果、客単価はおよそ7200円から500円くらい上がり、利益が出るようになったのです。

強烈な原体験です。本当にきつかったです。同じ課題に悩む小売事業者さんは多いと思い、FULL KAITENを製品化して提供を始めました。

在庫問題でお悩みの方、自社の在庫過多について相談したいという方は是非お問い合わせください。

フルカイテン株式会社は2020年9月10日(木)、Hamee株式会社との共催で、ECの“守り”と“攻め”両方の視点からDX推進のための考え方と手段を議論するオンラインセミナー「ECの利益率UP~人とシステムの業務仕分け 徹底議論」を開催します。

ぜひご参加ください。
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代表取締役・瀬川が語る
アパレル業界の
縮小する国内市場で
勝ち抜く粗利経営