BOPIS(ボピス)とは?いま話題の店舗受け取りサービスのメリットを解説
店舗受け取りサービスの「BOPIS」は、2022年より日本国内で急激に導入が進みました。本記事では、概要から導入メリット・成功事例など、BOPISに関する基本を徹底解説します。
BOPISとは
BOPISとは「店舗受け取りサービス」のこと
BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)とは、オンラインで購入した商品を実店舗で受け取る仕組みを指します。
2016年に世界最大のスーパーマーケットであるウォルマートが、高額な配送コストの削減とAmazonへ対抗するために生まれたサービスで、OMO(※)成功に欠かせない仕組みの一つです。
(※)オンラインとオフラインの垣根をなくしたマーケティング手法のこと
(※)OMOについて詳しくはこちら>
一般的な利用の流れは、以下の通りです。
- 消費者がオンライン上で商品を選択。注文画面にて、希望の受け取り店舗を指定
- 店舗側で指定の商品を用意
- 消費者が店舗で注文商品を受け取る
クリック&コレクトとの違いは受け取り場所
BOPISと似た仕組みとして、クリック&コレクトがあります。オンライン上で購入した商品を店舗で受け取るという流れは同じですが、BOPISはあくまでも受け取り場所が実店舗に限定されます。一方でクリック&コレクトは、実店舗やコンビニなどを含めた自宅以外の場所で受け取ることを指します。
拡大したきっかけは新型コロナの収束
上述の通り、BOPISは2016年にウォルマートが開始したサービスですが、日本国内では2022年ごろより急激に広まりました。
拡大したきっかけは、新型コロナウイルスが収束に向かっていることにあります。新型コロナウイルス渦ではECサイトの普及率が大幅に伸びましたが、行動制限が完全に解除されている今、店舗が回復傾向にあります。
消費者が当たり前にオンラインと実店舗を利用する中で機会損失を起こさないためには、オフラインとオンラインを統合するOMOの推進が必要です。BOPISとはOMO成功に欠かせない施策の一つであり、店舗へ来店を促す施策としても非常に有効なため、拡大が広まりました。
BOPIS導入のメリット
消費者ニーズへの対応
BOPISはオンライン購入の利便性と店舗の価値を掛け合わせた仕組みです。「なるべく買い物は非対面が良いが送料をカットしたい」「オンライン上では在庫がないが店舗に在庫があるので購入したい」など、多様化する消費者ニーズに対応することができます。
物流コストの削減
各消費者の自宅まで配送する場合、倉庫から自宅までの配送料が発生します。店舗受け取りの場合、実店舗の在庫や倉庫から店舗への配送網を活用できるため、物流コストの削減に繋がります。
「ついで買い」の促進
店舗に来店をしてもらえることで、他の商品を一緒に購入してくれる「ついで買い」を期待することができます。一緒に買われる傾向のある商品を分析し受け取りカウンター付近に陳列するなどの対策を行うことで、よりついで買いを促進していくことが可能です。
BOPIS導入に必要な2つのポイント
BOPIS導入には、まず以下のような準備が必要になります。
- リアルタイムで状況が把握できる在庫管理
- 商品を顧客に引き渡すまでの仕組み作り
リアルタイムな在庫管理
そもそもOMOやオムニチャネルを推進するにあたっても重要なことになりますが、リアルタイムで状況が把握できる在庫管理は必須です。
すぐに現時点での在庫状況が反映されなかった場合、ダブルブッキングが発生する可能性が大きくなり、機会損失の原因となります。オンライン・店舗と販売チャネルが増えた今、在庫状況は常に動いていくため、リアルタイムな在庫管理を徹底しましょう。
商品ピックの仕組み作り
店舗受け取りサービスの利用があった際、店舗では在庫を確保し顧客に受け渡すという作業が発生します。在庫は店舗在庫から確保するのか?倉庫から取り寄せるのか?というシステムフローに加え、店頭での動きをどうするかというオペレーション体制の構築も必要になります。
BOPISの成功事例
ユニクロ
国内におけるBOPIS事例の先駆けとなったユニクロでは、2021年10月より「ORDER & PICK」という独自のサービスを展開しています。公式アプリで商品と受け取り店舗を指定することで、最短1時間で商品を受け取ることが可能です。
参考:https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/feature/shopping-guide/order-pick/
ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリングでは2016年より「有明プロジェクト」をスタートさせており、ORDER & PICKは同プロジェクト内の取り組みの一つでした。また、リリースから1ヶ月以内で利用率はアプリ会員の40%を超え、OMO成功の一助となっています。
参考:https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/20211014_tanaka.pdf
&モール
三井ショッピングパークの公式通販サイトである「&mall」では、「&mall DESK」というサービスを展開しています。&モール内で商品を購入し、お届け先を「施設」に設定することで、指定したららぽーと内での受け取りが可能になります。
商品の受け取りだけではなくその場で受け取り商品の試着が可能で、万が一サイズが合わなかった場合は、サイト経由で返品申込みをすることで、商品をその場で返品することが可能です。
参考:https://mitsui-shopping-park.com/ec/andmall-desk
ヨドバシカメラ
家電量販店大手のヨドバシカメラは、ECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」で注文した商品を、最短30分で受け取ることができます。また、一部の店舗では24時間受け取りが可能となっており、現金や商品券など多様な支払い方法を選択することが可能です。
家電業界では、店頭で商品を確認して価格が安いECで商品を購入する「ショールーミング」が課題としてありました。ヨドバシカメラでは、ECと店舗でサービスを完全統一することで利便性の追求を行っています。
参考:https://www.yodobashi.com/ec/support/beginner/delivery/receive/index.html
まとめ
- BOPISとは「店舗受け取りサービス」のこと
- 日本国内では、新型コロナが収束をしたことをきっかけに2022年より急激に広まった
- BOPIS導入をすることで3つのメリットを得られることができ、今後ますます広がることが予想される
在庫を利益に変えるクラウド『FULL KAITEN』
FULL KAITENでは在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにします。商品力を可視化することにより、利益を生み出す在庫とその施策を立てることが可能になります。