アパレルのVMDとは?店舗やECの具体的な戦略を紹介
※最終更新日:2022年12月12日
VMDとは商品が魅力的に見える売り場を目指すことであり、効果的に売上を作り出すことができる重要な施策です。
本記事では、アパレル業界を中心によく耳にするVMDについて基礎知識から売上アップにつながる考え方までをわかりやすく解説します。
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VMDとは?
VMDとは商品が魅力的に見える売り場を目指すこと
VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)とは、店舗やブランドの価値を、お客様が分かりやすいよう視覚的に伝えるマーケティング手法の1つです。
つまり、ディスプレイや陳列を指すのではなく、ショップの内装やレイアウトを工夫し商品が魅力的に見えるような売り場づくりを目指す活動を指します。
アパレルにおいてはメジャーな販促方法となっており、マネキンにおすすめのコーディネートを着せて展示することや、棚にTシャツを陳列することが代表的な例です。
このVMDを戦略的に行うことで売上アップにも大きく貢献する効果もあるので、どの商品をどの位置に配置するかが非常に重要なポイントになっています。
VMDとディスプレイの違い
よく混同されますが、VMDとディスプレイは明確に違います。
ディスプレイとは商品がよく見えるように陳列したり飾りつけることです。
あくまでも軸となるのは商品で、商品を棚やラックに陳列する行為自体を指します。
一方でVMDはあくまでもマーケティング手法であり、お客様が商品を見やすい売り場作りをすることです。そのため、ディスプレイもVMDの中に含まれています。
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VMDにおける3つの表現方法
VMDには、商品を分かりやすく、魅力的に見せる3つの表現方法があります。
この3つの表現を意識することで、お客様の購買行動に繋げることができます。
VP(ビジュアル・プレゼンテーション)
VPとは、ブランドやショップのコンセプトやおすすめ商品、シーズンを視覚的に表現することです。ショーウィンドウやフロアのテーマゾーンなどショップの顔となる場所で展開されるため、主力商品や新商品を配置し注目度を高め、店内に誘導する役割を担っています。
特にショーウィンドウや入り口に面した通路部分のレイアウトが特に重要であり、思わず「中に入りたい」と思うようなレイアウトにすることで、購買率や集客力に大きな違いを生み出します。
PP(ポイント・プレゼンテーション)
PPはおすすめや特に売り出したい商品をピックアップし、その商品が持つ魅力を視覚的に表現することです。VPの次の見せ場として半身のトルソーやラックエンドで展開され、そのコーナーの代表商品を飾ることでコーナーの見出しのような役割を担っています。
特に店内で置かれているマネキンは、それぞれのコーナーの”顔”となるため、商品があるところまで誘導し足を止めさせる仕掛け作りが重要です。
IP(アイテム・プレゼンテーション)
IPとは、それぞれの商品の色・デザイン・サイズを分かりやすくし、より手に取りやすい配置にした陳列表現を指します。
売り場において1番広い面積を占めるため、お客様の購買意欲を高められるように商品を効果的に陳列することが重要です。
VMDはECサイトにおいても重要
VMDは店舗だけの考え方ではありません。近年、SNSの普及や新型コロナウィルスの影響によりECサイトでの購入が当たり前となり、店頭とECを繋げるオムニチャネルも普及しています。そのため、VMDは店舗だけではなくECサイトにおいても重要になります。
上記で解説した3つの表現方法をECサイトに見立てて考えてみましょう。
VP
VPとはショーウィンドウなどで注目度を高め、店内に誘導する役割を担っているとご説明しました。つまりECサイトにおいてショーウィンドウに当たるトップページに主力商品や新商品を置き、回遊してもらえるようなサイト作りが重要になります。
アパレルのECサイトでは、芸能人に新作商品を着てもらう特集ページをファーストビュー(※)におき、回遊率を高める手法が良くあります。
(※)ウェブコンテンツにおいて最初に表示される領域
PP
PPは各コーナーの見出しであり、ECサイトにおいては企画ページやコラムに当たります。さらにサイトをみてもらえるよう、お客様が興味を持つような企画やコラムを作成することが重要です。
最近のECサイトではスタッフコーデを載せている企業が多くあります。スタッフコーデを活用することで、消費者と同じような体型をしている人がどんな着こなしをしているか?をサイトを通じて提供することができ、クリック率や回遊率アップに繋がります。
更に人気アイテムを分析することで、商品計画にも活かすことができます。
IP
ECサイトにおけるIPは店舗と同じで、商品を見やすく分かりやすい表示にすることが大切です。例えばアイテム検索を行う際、絞り込みや在庫の有無を選択できるようになれば、お客様の購買意欲を高めることが可能になります。
実際、ECサイトで表示される順番を変えるだけでも効果があります。
例えばとある企業では、新作商品の次に表示される商品の表示順を変えることで売上前週比262%を達成することができました。
消化ペースは遅いが売れたら売上に貢献し、かつ在庫数が多い商品を抽出。更に新作のトレンド(色・素材・季節など)と合わせた商品展開をすることで売上アップを実現しました。
自社ECのVMD変更だけで売上262%アップした方法とは?>
またECサイトでVMD変更を実施する際は、自社のサイトがPC、スマホ、タブレットのどの媒体でよく見られているのかをまずは確認することが重要です。
それぞれの媒体で1行に表示できる数が違うため、レイアウトが大きく異なります。1番良く見られる媒体を確認し、その媒体に合わせたレイアウトをしましょう。
売上アップにつながるVMDの考え方とは
ディスプレイにおける3つの基本構成を意識する
お客様の購買意欲を高めるようなディスプレイにするためには、以下の3つの基本法則を意識することが重要です。またこれらを組み合わせることにより、ディスプレイの幅を広げることも可能になります。
- 三角構成を意識する
- 三角構成とはどの角度から見ても三角形になるように商品を配置することで、ディスプレイの基本形となります。人は心理的に三角形を見ると安心感を感じると言われており、形や大きさが違う商品でも、まとまりとボリュームを出すことができます。
- シンメトリー、アシンメトリーを使い分ける
- シンメトリーとは、左右対称となるように商品を配置することです。人に安心感を与え、同時に美しさを感じる構成のため、洗練されたイメージを与えたい場合に最適です。
- 一方アシンメトリーは左右非対称を指します。ディスプレイに強弱をつけることができるため、動きを出すことができます。
- 特定の商品を目立たせたい場合はリピートさせる
- リピートとは1つの規則をもとに繰り返し商品を配置することです。リピートすることで視覚的にインパクトを与えることができ、お客様の注目を集めることができます。
3密を避け、安心できる店舗づくり
新型コロナウイルスをきっかけに、消費者の衛生意識が大きく変化しました。
例えば「ショッピングカートやカゴの消毒」は約8割、「お釣りを手渡しされる」は約6割の人が気にするといった調査報告(※)があり、マネキンや列の間隔をあけるなど3密を避けた店舗づくりが重要となります。
アフターコロナにおいても引き続き感染対策を意識した店舗づくりをすることで、お客様に安心感を与えることができます。
※参考:株式会社ONE COMPATH
(https://biz.shufoo.net/column/research_report/6857/)
売上アップに効果的な商品を見定める
より売上に繋げていくためにはただ闇雲にVMDを変更するのではなく、売上アップに効果的な商品を見定めていく必要があります。
FULL KAITENでは在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにすることが可能です。
例えばFULL KAITENを使い、売上への貢献度が高く在庫が潤沢な商品を抽出しVMD変更を行ったところ、対象品番の売上前週比125%を達成した事例もございます。
効果的な商品をデータで見定め、月400万円の売上を作った事例はこちら>
このように在庫データを使い、商品力の高い商品を見つけ出した上でVMD変更を行うことで効率的に売上を作ることが可能になるのです。
まとめ
- VMDとは商品が魅力的に見える売り場を目指すこと
- VMDは店舗だけではなく、ECサイトにおいても重要
- VMDには3つの表現方法があり、これらを使い商品力のある商品を打ち出すことで売上アップを期待できる