自社ECのVMD変更だけで売上262%アップした方法とは?|成果へ導いた本人が徹底解説
年商約100億円の衣料専門店がECサイトで新作以外の商品表示順を変更した結果、売上金額前週比2.6倍を達成しました。本記事では、この成果を生み出すために伴走したカスタマーサクセス藤本が、今ある在庫でECサイトの売上をアップする秘訣を解説します。
ECサイトでの売上アップに課題を感じている方は是非参考にしてください。
ECサイトのCVRを向上させるEC特集ページのコツを解説した資料はこちら>
”売上・粗利を伸ばす”が重要テーマ
ー数あるECサイトの販促方法の中で、表示順を変えるという施策を選んだ理由を教えてください。
まずこちらの企業様では「売上・粗利を伸ばす」という点を大きなテーマにしており、主にEC部門の方と運営部門の方がプロジェクトに参加していただいていて、隔週で定例会を実施しております。
今までは在庫消化をしていくためにシーズンの終わりに一斉セールを行い消化をしていましたが、現在の市場では無闇にセールをするのは得策とは言えません。そのため現在は、どうしても消化しないといけないもの以外は値引きをしていません。
その中で売上粗利を伸ばすためにどうしたら良いのか?を考えたときに、EC総売上の50%以上を占める自社運営サイトの中で、今まで着手できていなかった新作以外の商品の表示順を変更することがベストだと判断しました。
売上アップまでの道筋
ー商品の表示順はどのような基準で変更したのですか?
最初に「お客様が欲しいと思っていただいた際に購入まで至れるように」というテーマを決め、以下のような基準を決めました。
- サイズごとに売上の差がなく、どのサイズでも比較的売れている商品
- 通年売れる商品で在庫数が多い
- サイズ欠けをしていない商品
- 新作としてサイトに掲載してから31日以上90日以内の商品
- 売れたら利益アップに大きく貢献する商品(※)
(※)FULL KAITENではAIを使って売上貢献度を算出できる
基準を決めた後はFULL KAITENで絞り込みを行い、抽出された商品を新作商品の次に表示されるようにしました。
FULL KAITENを導入してなくてもできる商品の絞り込み方はこちら>
施策の実行ペースとしては、2週に1回のペースで表示順を変えていき、1週間ずつ施策の振り返りを行っています。振り返りを行った結果、新作が多い週は施策対象商品の売上・粗利が落ちるという傾向が見えてきたのです
ーなぜ施策の成果が落ちていたのですか?
ECサイトのアクセスを解析した結果、1ページ目に表示されている商品と2ページ目以降に表示される商品では、圧倒的に1ページ目の商品が閲覧されていることが分かりました。
新作商品は自動的に1番最初に表示されるようになっているため、新作商品が多いと今回の施策で打ち出している商品たちが2ページ目以降に表示されてしまいます。これが施策の成果が落ちていた原因でした。
ーページが変わるだけで閲覧数に大きな差が出るのですね。対策はどのように行ったのですか?
みなさんも思い当たる節があるかと思いますが、ECサイトはPCよりもスマホで見られることの方が多いです。そのため、スマホで見たときに1ページに収まる商品数がどれくらいなのかを確認しました。
例えば1ページ目に収まる商品が15商品、新作が10商品あると残りの枠は5商品になります。この5枠で成果を上げられるように商品を厳選し、振り返りで成果の確認と次週打ち出す商品を議論して毎週少しずつ改良を加えていきました。
ーPDCAを細かく回していったのですね。商品を厳選する際に意識したことは何でしょうか?
単純に「売れているもの」ではなく、新作のトレンドと合わせた商品展開を考えました。
例えば新作が夏物の場合は、半袖の商品が売れやすい傾向にあります。そこから、半袖の中で売上貢献度が高い順に並べてみて表示順を決めていきました。
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業務効率化により施策の幅が広がった
ーこの施策を続けていった結果、施策対象商品の売上前週比が約262%になりました。(以下グラフ参照)お客様からはどのような声をいただきましたか?
普段から施策の数が多く表示順の変更まで手をつけられていなかったため、今回はその部分まで着手できたこと。売上粗利を伸ばすことができ、さらに作業が本当に簡単になったという声を頂きました。
今回の施策に着手できていなかった要因でもありますが、商品数が多いと打ち出す商品を抽出するまでに時間がかかります。実際こちらの企業様でもエクセルと睨めっこ状態だったため、FULL KAITENで効率化できたので施策の幅が広がったと思います。
ECサイトごとの特性を理解することが売上アップへの近道
ーECサイトで施策を行うときに気をつけたことが良いことは何でしょうか?
まずはECサイトごとの特性を理解することでしょうか。
ECサイトは、シーズンを過ぎてしまった商品など実店舗では売れないような商品が売れることがあるのが特徴です。そのため、全社の売上傾向を見るのではなくECサイト単体での傾向を掴むことが重要です。
また多くの企業では自社運営サイトだけではなく、ZOZOTOWNや楽天に出店しているかと思います。外部サイトは比較的低価格な定番商品が売れ、自社運営サイトではそのブランドの特徴が現れている商品が売れやすいなどがありますが、客層を含めて何が売れるかを理解して訴求や商品を変えることが大事だと思います。
まとめ
- 重要テーマから訴求する対象商品を絞り込む
- 施策を実行した後は細かくPDCAを回し、成果を出ない場合は原因を追求する
- ECサイトの場合は、よく閲覧される媒体や訴求対象以外の商品を考慮することが重要