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在庫から経営課題を早期発見!FULL KAITEN〈在庫ドック〉とは|プロダクト責任者が解説

こんにちは。フルカイテン取締役CPOの田中です。

この度、新プロダクト「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」の提供を開始することとなりました。本プロダクトは、売上や在庫などのデータを用いて在庫リスクを診断することで、日々移り変わる在庫課題と改善すべきアクションを特定します。

本記事では、プロダクト責任者である私がFULL KAITEN〈在庫ドック〉の使用価値や特徴を直接解説します。

FULL KAITEN〈在庫ドック〉のプロダクト詳細はこちら>

在庫最小化・粗利最大化を実現するFULL KAITEN〈在庫ドック〉

FULL KAITEN〈在庫ドック〉とは、売上や在庫などの各種データから、粗利最大化を妨げている在庫課題とその解決策を特定するプロダクトです。

当社はこれまで、小売企業の「在庫最小化・粗利最大化」を支援するためにFULL KAITENの提供を開始し、より現場のオペレーションにマッチするように「店間移動」「倉庫出荷」「売価変更」「セット提案」「販売強化forEC」とアクション(施策実行)系のプロダクトの個別提供を進めてきました。

今回提供を開始するFULL KAITEN〈在庫ドック〉は既存のプロダクトとは違い、小売企業が見るべき業績指標と在庫リスクを一覧表示することで、在庫の全体像と課題のボトルネックを特定する、いわば小売経営に特化したダッシュボードです。

表示する業績指標は、GMROI(商品投下資本粗利益率。後述)を筆頭に在庫回転率や消化率、売上金額、粗利率などがあり、これまで当社が様々な企業を支援してきた経験から特に重要と思われる指標を網羅しています。

また小売業では、トレンドや商売の状況により、日々課題が変化することもあるかと思います。本プロダクトではデータ連携を毎日行うため、課題が変化してもタイムリーに把握でき、「何が起きているか分からない」という状況を防ぐことで、経営の安心感を高めることができます。

小売企業が勝ち残るためには、粗利経営への変革が必要不可欠

2022年頃より当社代表・瀬川が「粗利経営」というテーマでセミナーを開催してきました。2024年にも「粗利経営への変革ステップ」と題したセミナーを4度開催しているため、聞いたことがある方も多いかもしれません。

粗利経営とは、現代の複雑な経営環境において、従来の「在庫を積んで売上のトップラインを伸ばす」という考え方から転換し、「在庫を減らし、少ない在庫から効率よく粗利を稼ぎ、得られた粗利を付加価値向上に投資する」というサイクルを目指す経営方針のことです(付加価値向上への投資は、商品への投資や賃上げを意味します)。

在庫の「物量」に頼った売上第一主義は大きなリスクを孕む

高度経済成長期からバブル崩壊までは、モノ不足により消費者が物質的な豊かさを求めていたため、大量生産が価値を生んでいました。

しかし、現在はモノ余り・高齢化・人口減少により消費者の求める「豊かさ」が多様化したことで、大量生産は価値を失っています。そのため、在庫を増やしても、資金が在庫として眠ってしまいキャッシュフローが悪化します。抱えすぎた在庫を消化するための値引きが横行し、粗利率が悪化するという悪循環に陥っています。

そのため、今のような市況下では、在庫を減らして効率よく粗利を稼ぐ「粗利経営」への変革が必要不可欠なのです。

詳細は、2024年に開催した「粗利経営への変革ステップ」シリーズのセミナーを無料公開しておりますので、下記URLよりぜひご視聴ください。

「粗利経営への変革ステップ」セミナーを視聴する>

GMROIをモニタリングすることで粗利経営を実現させる

在庫に関する代表的な指標である、在庫回転率を追っている企業は多いことでしょう。しかし、在庫回転率は在庫が動いているかどうかを判断する指標のため、商品が粗利を生み出しているかどうかは判断できません。

そこで役に立つのが「在庫1円当たりで、いくらの粗利を生んだか」を表すGMROIです。

日頃からGMROIを算出している企業はまだまだ少ないかと思いますが、FULL KAITENを導入いただいているお客様にGMROIを追うようご提案したところ、以下のような発見がありました。

  • 大手スポーツ用品チェーン
    • 売上トップの取引先の在庫について、社長と現場の感覚のずれがあったが、GMROIを算出した結果、適正在庫にするには半分程度の量にしても良いと判明
  • 大手アパレル
    • GMROIを算出したところ、現場では問題ないと感じていたブランドの在庫投資効率が著しく悪いことが分かり、早期に手を打つことで粗利毀損を抑制できた

粗利経営の実現においては、GMROIを最重要KPIとしてモニタリングすることが必須と言えるでしょう。

従来のKGI構造は、売上を頂点とし、客数や客単価、粗利、在庫目標などのKPIを横一列に置いていることが多いかと思います。しかし、このKGI構造では在庫目標と売上・粗利や営業利益との接続が不明瞭のため、売上偏重とならざるを得ません。

企業のゴールは、利益を出して投資に回し、さらに利益を増やし続けることです。そのためには、GMROIを頂点とし、在庫と売上・利益を接続させるKGI構造であるべきと私たちは考えています。

GMROIについて詳しくはこちら>
小売企業が追うべきGMROIとは?粗利と在庫に関係する指標を徹底解説

FULL KAITEN〈在庫ドック〉でできること

前述の通り、FULL KAITEN〈在庫ドック〉とは粗利経営を実現するための経営ダッシュボードです。

GMROIを筆頭に、小売企業に必要不可欠なKPI(重要指標)の一覧表示と当社独自の需要予測を用いて、消化期日に基づいた在庫リスクを5段階にスコアリングしています。

在庫状況が一目でわかるようなUIとなっているため、例えば「在庫消化が計画よりも遅れているため、値引き判断をした方が良い」「計画以上に進んでいる商品が多いため、追加仕入れを検討しよう」などの改善策の実行に繋がる判断がしやすくなります。

また、クロス集計を使うことで、商品カテゴリやカラー単位、店舗横断など、様々な切り口を掛け合わせて詳細な分析をすることが可能となります。

さらに、前年同期や前月など、比較対象に設定した期間との差異を表示しているため、変化をみながら意思決定することができます。

既存の分析ツールとの違い

必要なKPIは、ExcelやBIツールなどを使い、日頃からモニタリングしている企業が多いかと思います。しかし、ExcelやBIツールでは属人化のリスクや異部署間の共通認識の醸成が難しいといった難点があり、見たい指標を即座に確認することも困難です。

〈在庫ドック〉ではSQLを自分で書く必要がなく、誰でも同じ画面を見るだけで在庫課題がわかるため、社内で共通認識を取った上でアクションの実行まで繋げることができます。

また、本プロダクトにおいても、FULL KAITENで成果を出せるように伴走するカスタマーサクセスをアサインします。活用方法のレクチャーはもちろん、導入企業が粗利を最大化できるように業務支援します。

世界の大量廃棄問題の解決を目指して

当社ではこれまで、顧客の当期の定量成果を改善する在庫運用フェーズの実行を支援するプロダクトを提供してきました。

そこから、さらにマクロに(上流工程へ)上るプロダクトとなるのが今回の在庫ドックです。これまでのプロダクトと効果検証で積み上げたノウハウ、ナレッジが在庫ドックに活かされています。

当社のミッションである「世界の大量廃棄問題を解決する」に向けては、本当に必要な製品が必要な量だけ流通する社会の実現が必要不可欠です。

今後は、既存プロダクトのブラッシュアップはもちろん、より課題の深い在庫生産フェーズでのプロダクト開発も予定しておりますので、ぜひご期待ください。

FULL KAITEN〈在庫ドック〉のプロダクト詳細はこちら>

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代表取締役・瀬川が語る
アパレル業界の
縮小する国内市場で
勝ち抜く粗利経営