事例インタビュー

移動先での稼働率15ptUP! 3日がかりの店間移動が1日で終わる幸せ

株式会社adapt retailing

アパレル

小売
実店舗
EC

課題

  • 店舗間の在庫移動や配分業務を手作業によるデータ分析や担当者の経験に頼っており、膨大な作業時間と属人化の懸念があった

解決策

  • FULL KAITENを活用して在庫の店間移動に必要な全品番の分析と集計、指示書作成を自動化
  • 属人化していた移動指示の基準をFULL KAITENの数値に統一

定量成果

  • 2025年10月〜26年1月の稼働率(移動先の店舗で実際に売れた率)が、FULL KAITEN導入前から15.3pt上昇して43.5%に改善
  • 1回あたり3日ほど要していた移動業務の所要日数が1日へ短縮(月間で約60時間の削減)

レディース、メンズ、キッズのファッションブランド「coca」を運営する株式会社adapt retailing(アダプトリテイリング)様。店舗数が拡大し、展開アイテム数も増やしていく中で、在庫の店間移動や倉庫からの配分業務を手作業によるデータ分析や担当者の経験に頼るオペレーションに限界が見え始めていました。そこで、膨大な作業時間と属人化という経営課題を解決するためにFULL KAITENを導入され、データに基づいた客観的な判断が可能になり、作業時間が大幅に短縮されました。粗利益の改善や在庫稼働率の向上といった成果だけでなく、精神的な余裕が生まれたことで、現場では中長期的な販売戦略の立案や、本部と店舗間の円滑なコミュニケーションが生まれるという副次的な効果も出ています。

本記事では、DBチームをまとめているリーダーの清水様、DB担当の小川様と藤本様にお話を伺いました。

※本記事に含まれる情報は2026年3月上旬時点のものです。

FULL KAITENで品番を網羅、発注のバラつき是正

清水様 私の担当はDBチームをまとめるのがメインになりまして、業務全般を見ております。

小川様 倉庫から店舗に送る入荷の振り分けや、店舗から返ってくる季節外商品の返送業務を主に担当しております。

清水様(左)と小川様

藤本様 私も工場からの製品の初回入荷分の振り分けと追加納品の振り分け、そして店間移動がメインの業務になります。

藤本様

ーーFULL KAITEN導入前は、どのように在庫配分(出荷)や店間移動をされていたのでしょうか?

清水様 まず配分は全て手作業で、スマレジから売れた数量と在庫数のデータをダウンロードし、自分たちで数を確認して決めるというアナログなやり方でした。指示書も全てスプレッドシートで書いて店舗に配信していました。ただ、店舗数がどんどん増えるにつれて品番数をこなせなくなっていき、作業が追いつかないという状態になっていました。

ーー商品を動かす店間移動が必要だと気づくようになったきっかけや転機はあったのでしょうか?

清水様 以前は店長たちが自ら発注する仕組みだったんですが、店舗数が増えて生産背景も変わる中で、店長ごとに数字の得手不得手に差があったり、キャリー在庫が目立ってきたりして、きちんと会社全体で売れるタイミングで売っていきたいと考え始めました。また、店舗側から「あの店には在庫があるのに、どうして私の店にはないんですか?」といった意見が寄せられることもあり、その辺りがスタート地点になっています。

ーー店長に任せていたがゆえのバラつきが生じていたわけですね。

清水様 そうです。倉庫にある商品を週2回発注できるという制度でしたので、どうしても在庫を確保しようとする店長が出てきていました。その制度を改めて本部側が振り分ける仕組みにしました。そうすると、店ごとに売り切ることができるかキャリー在庫が発生してしまうかは初回配分の一発勝負になってしまいます。そこを解消するために、今ようやく店間移動ができるようになったという形ですね。

ーーまさに属人化をクリアするための解決策としてFULL KAITENがあったと。

清水様 同じ情報(売上枚数、在庫数)を見たとしても、5枚送る人もいれば3枚送る人もいるなど、指示のブレが絶対に出てくるものです。レディース、メンズ、キッズを含めると何十型もあり、SKUも考慮すると、人力ではとても見切れません。FULL KAITENの導入によって、品番を網羅できるようになりました。

「プロパーで売るには」視座の高い会話

ーー売上が増えていく中で、粗利益をきちんと確保した売り方や在庫消化といった部分でも課題は出てきていましたか。

清水様 ようやく利益や消化まで見通せるようになりました。FULL KAITENを使って店間移動ができるようになり、「利益を出すためにどうしていこうか」という視座まで上がることができました。「プロパーで売っていくにはどうすればいいか」という会話が社内で増えましたね。

あと、FULL KAITENで結果を検証できるというのも大きなポイントでした。移動指示を出した後、その商品がちゃんと売れたかどうか確認できるので、次回の移動にフィードバックできるようになりました。

ーーFULL KAITEN導入によって、作業負荷、作業時間はどれくらい減りましたか。

小川様 ものすごく減りましたよ。3日かかっていたところが1日ぐらいで終わるようになりました。

清水様 私たちは店間の指示以外にも、違うECモールで売るための在庫の返送指示を作成したりSKUを登録したりと、店舗の作業日を確保するために締め切りが決まっている業務が複数あります。常に締め切りに追われているため、逆に何を諦めるかを決める方が楽なほどでした。

それが今や、劇的に健康になりましたね(笑)。以前はどれもこれも指示出しだけで1週間が終わってしまっていたので。店舗にとっても、作業日が確保できるようになってミスが減りましたから、その辺りも一番大きいメリットです。

ーー具体的に店舗側や店長さんから声は届いているんですか。

清水様 当社には店舗の日々の「つぶやき」を書き込めるシステムがありまして、そこに「余裕をもって指示を出してほしい」といった意見がたびたび寄せられていました。最近はそうした声も結構減っています。社長からも「減ってるよね」と言われましたね。

ーー業務負荷と作業時間の削減が本当に実現しているようで、我々としても嬉しい限りです。

清水様 もう1つ重要な論点があります。感情が入り込む余地を無くせたことです。属人化していた頃は「忙しい店舗から商品を抜く(移動させる)のは忍びない」とどうしても遠慮してしまい、逆に売上がそれほど多くない店舗に対しては「置いてても売れないでしょ」と決めつけて多く抜いてしまう無意識のバイアスがかかっていました。

その点、FULL KAITENが出してくる数字を基に移動指示をするようになったら、「意外とこの店からも抜けるんだ」と再発見できた場面が結構ありました。店長たちには「AIがこう言っているんで」「こういう計算と理論で数量を決めています」と説明すると、彼ら彼女らも理解してくれます。

移動の稼働率可視化で店舗との意思疎通も向上

ーーFULL KAITENによって、指示の検証ができるようになったと思います。それによる改善や変化はありますか。

藤本様 検証結果を毎回FULL KAITENから受け取っている中で、移動した商品のうち43%が実際に売れて粗利益を創出している事実を可視化できたのは良かったです。以前は可視化すらできていなかったので。また、現場の作業感とこちらの指示とのギャップを可視化できたことで「ここまで指示を出すと実行できないんだ」というレッドラインも見えるようになりました。

清水様 全ての品番を網羅できるようになったのが大きいですね。売上上位だけでなく非稼働の品番にも光を当てられるようになって、店間移動のミーティングでも向こう3カ月ぐらいの計画をきちんと立て、イベントも絡めて「今週は非稼働を動かす」「次週は売れ筋の週」というように先を見通せるようになりました。

藤本様 清水の言うとおりで、「入荷があるから今週は店間はやめましょう」とか「店舗の負担が大きいから今週は移動しないようにしましょう」と、一歩引いた視点を持てるようになったのは余裕ができたからだと思っています。最終的なキャリー在庫を減らすという大目的に対して、売れるはずなのに埋もれていた商品を動かせるようになった効果は大きいですね。

ーー倉庫から店舗への初回の配分のところでも変化はありましたか。

清水様 大きく変わったところでは、よく売れている店舗に対しても、初回から送りすぎないようになったことですね。逆に、そんなに売れていない店舗は初回入荷が少なすぎたという反省から、量を増やすテストを開始しています。それに伴って店間移動が生命線になっています。

フルカイテンCS太田

太田(フルカイテンCS = カスタマーサクセス) 少し補足させていただくと、adapt retailing様の場合、店舗の在庫における初回配分の割合が高く、倉庫に在庫を多く持たない仕組みです。このため必然的に店間移動の重要性が大きいわけです。ですので、倉庫に置いておく在庫の割合を上げたり、初回配分(1次振り分け)の精度を見直したりということを目下話し合っているところです。商品ライフサイクルの上流に遡って具体的なアクションを起こしていただいている段階ですね。

藤本様 そういう意味では、初回配分の後、FULL KAITENを用いた店間移動で商品の偏在を均すことができるというのは、1つの安心感になってはいます。

ーー最後に、他社にFULL KAITENをお勧めするとしたら、一番伝えたいことはどんな点になりますか?

清水様 少なくとも劇的に健康になるよってことですかね(笑)。御社が二人三脚で数字でもってきちんと可視化してくれるというところを含め、自分たちの弱点も見えるようになります。アナログだった時代から工数が減って負荷が下がるという効果が、多くの好循環を生むのは間違いありません。

ーー弊社としても全力で支援してまいります。本日は誠にありがとうございました。