事例インタビュー

属人化した職人技から卒業。店間移動を省人化した秘訣とは

株式会社インターナカツ

アパレル(メンズ、レディース)

小売
実店舗
EC

課題

  • 売上規模が大きくなる中で、人力でこなしていた店間移動のオペレーションが回らなくなっていた。また、商品の後追い検証までできていなかった
  • オフ率の変更を週次で運用していたため、本来なら必要ないオフによって粗利益を無駄に毀損している可能性があった
  • 店間移動やオフ率運用のノウハウを次世代の従業員へどのように継承していけばよいかが懸案だった

解決策

  • FULL KAITENを活用して移動すべき品番の選定や移動指示を自動化し、稼働率(移動先の店舗で実際に売れた割合)を可視化して後追い検証する仕組みを構築
  • FULL KAITENにより「商品力」を細かく可視化することで、オフ率をその都度修正

定量成果

  • 店間移動にかかる業務時間が従来の「2人で2〜3日」から「1人で半日程度」に削減
  • FULL KAITENの活用方法を逐次見直すことで、2025年AWで週次稼働率が前年比最大9ポイント改善

株式会社インターナカツ様は、ジーンズをはじめとしたカジュアルウェアを扱う「JEANS FACTORY」を中四国を中心に展開しています。業容を拡大していく中で、長年培われた経験則による属人化の解消と、業務負荷の軽減が課題として挙がるようになりました。そうした中、FULL KAITENを導入することで在庫移動業務の時間短縮や補充精度の向上が実現しました。また、AIによる自動化と人の目による精査を組み合わせることで、無駄な値下げを抑制し、利益率を確保する体制を構築しています。本記事では、商品事業部課長の應儀様と同部でディストリビューター(DB)を務める岡村様に、FULL KAITENを通じた取り組みについてお話を伺いました。

※本記事に含まれる情報は2026年2月中旬時点のものです。

次世代へのノウハウ継承へ「数値化」実行

商品事業部課長の應儀様(左)と商品事業部DB岡村様

應儀様 元々ディストリビューター(DB)として岡村と一緒にやっていましたが、現状は計数管理を担っています。FULL KAITENの導入に際して推進させていただいて、実務は岡村が担っており、私は統括のようなイメージでやらせてもらっています。

岡村様 元々は店舗のスタッフをやっていたんですけれども、商品事業部に異動になりDBをやらしていただいてます。主にメンズを中心に担当していて、應儀がDBをしていた頃はメンズ・レディースのような分け方でやっていたんですけど、もう今は全ての商品の動向を確認するようになっています。商品の移動、セール時の振り分けなどの決定は私がさせていただいています。

ーー他にディストリビューターは岡村さん以外にも何名かいらっしゃるんですか。

應儀様 もともとDBは2名体制だったんですが、FULL KAITENを入れることで省人化を進めることができました。今は1名体制で回しています。

ーー仕組み化を見据えた省人化ということでしょうか。

應儀様 私たちの次の世代がこうした業務を担うに当たって、私たちが今までやってきたことをそのまま伝えて、次の世代の者たちができるようになるかと言われたら、なかなか難しいと思うんですよね。そういう意味でも属人化を解消するためにFULL KAITENを導入して、岡村1名で担うことによって、その形を成熟させ、オペレーションにそのまま落とし込むような形で次代につなげていきたいと考えています。FULL KAITENと我々の理念がそのまま継承されるようなイメージです。

ーー大変嬉しいお言葉です。ということは、FULL KAITEN導入前は、きめ細やか且つ大量の店間移動というものに、かなりの人的リソースをかけて実行していらっしゃったと拝察します。どういった課題があったのでしょうか。

應儀様 他社さんが普段からどれくらい店間移動を実施されているかは分かりませんが、当社は以前より注力しておりベースを構築しておりました。FULL KAITENがAIで実行している内容を、私たちは人力で完結させていたイメージです。

ここ数年ありがたいことに売上規模が右肩上がりになっていて、それに比例して仕入れ量も店舗数も増えてきました。すると、今までできていたことが当然回らなくなってきます。時間をかければ全部見られるかと言ったら、そうはならないわけです。そのボトルネックを解消する必要がありました。

ーーFULL KAITEN導入により、どういった変化がもたらされましたか。

應儀様 FULL KAITENを活用して毎週の稼働率(移動先の店舗で実際に売れた割合)を可視化できるようになりました。今は稼働率を少しでも上げて、より効率化を進めていきたいと考えています。

ーー利益率を上げるためにそうした可視化は必要不可欠ですよね。

應儀様 はい、当社の方針として利益の確保を重視しています。セール期のオフ率の変更は週次で運用していましたので、どうしても細かく見切れない部分がありました。その結果、ロス(本来なら必要ないオフによって粗利益を無駄に毀損)が出ているという体感があったんですね。

この点、FULL KAITENでは細かく「商品力」が可視化され、オフ率をその都度修正できるところに非常に魅力を感じました。

ーーなるほど、ありがとうございます。

AIと人の目のハイブリッドで成果

ーー実際に導入されて、日々の業務のどんなところに変化が現れてきましたか。

岡村様 まず、店間移動にかける時間が大幅に短縮されました。その結果、それ以外の仕事に使える時間を大きく増やせたのは大きいですね。それまで店間移動は商品選定などのオペレーションに2、3日はかかっていました。それが、週明けの午前中だけで処理が終わるようになったので、以前の4分の1くらいに削減されています。

当社の場合、店舗で売れた分を倉庫から在庫を補充する仕組みですので、SKUごとの商品管理がすごく大事なんです。この補充が間違いなく管理されるようチェックする必要がありますが、FULL KAITENを入れて、人力では目が行き届きづらい細かいところまでチェックでき、その分、時間ができて業務の内容の幅が広がったと感じています。

ーー補充の精度も上がったんでしょうか。

岡村様 そうですね。どうしてもこうシーズンが変わるタイミングや、新しい店舗が出店した後などで弊社のシステム的に難しい部分がありましたが、FULL KAITENを活用することでその辺りのチェックも細かくできるようになりました。

山﨑(フルカイテンCS = カスタマーサクセス) 御社の特徴として、店間移動を全てFULL KAITENに任せるのではなく、売上上位の品番や目下打ち出しを強化していく商品に関しては、きちんと人の目で精査し、それ以外の人力では見切れないその他多数の品番はFULL KAITENで対応するという棲み分けがすごく確立されていると感じます。

應儀様 そうですね。人とAIの分業化はまさに私たちの狙いどおりに対応できていると思います。やはり一番のポイントは、セールの運用ですね。無駄な値引きの抑制というものが、FULL KAITEN活用の立ち上げ当初から機能したと感じています。

外的要因として、ウクライナ紛争後の物流停滞に起因する物価高や円安の為替といったことがあり、業界全体がだいぶ経営を左右されていると思います。そういう厳しい環境であっても、売上と粗利を確保できるようにしたいと当社は考えています。期末に在庫が残れば値引きで売る量は増えますし、逆に売上が良ければ値引はそこまでする必要はありません。そのバランスは結果論でしかないのですが、「売れているものは無駄に(過剰に)値引きをしない」ということを一貫してできる体制が大事だと考えています。

ーー移動した商品の稼働率はどのように改善したのでしょうか。

應儀様 直近の2025年AWでは、週ごとの稼働率は後半にかけて上昇傾向でした(12月には最大で9.7ポイントUP)。実店舗で商品を移動させることでそれぞれのプロパー消化率を上げて粗利益を取っていこうと考えていますので、稼働率が上がっているのは前向きな話と受け止めています。今後さらにFULL KAITENの活用の幅を広げていきたいですね。

山﨑 商品を移動させるタイミングで、「今は販売ランクの上位だけ送っておこう」ですとか「全体に幅広く商品を移動しておこう」など、FULL KAITENが出す数字だけに依ることなくコントロールされているのが御社の特徴で、それが稼働率を上げるきっかけの1つになっている印象があります。

岡村様 はい、週によって販売ランキングの高いものに絞り込んで移動をかけたり、「今度はランキングが低い商品も折り混ぜて調整しよう」と判断したり、週の動向に合わせてバランスを取るよう心がけてはいますね。

物流センター立ち上げで店舗の負荷低減

ーー2026年は自社物流センターが立ち上がり、「JEANS FACTORY」の店舗も増えていってブランドの認知が進むと思います。今後の展望や、FULL KAITENの導入を検討している方へのメッセージをお聞きしたいです。

左はフルカイテンCS山﨑

應儀様 物流センターは物流業務の効率化などさまざまな狙いをもって立ち上げましたが、やはり最も重要なのは店舗の作業負荷の軽減です。店舗在庫の持ち方や店間移動の仕組み、運用を変更することで店舗の作業負担軽減を見込んでいます。その分、接客などの業務により時間を割くことができるようになればと考えています。

運用内容が今までとガラリと変わりますので、FULL KAITENを使ってさらに最適化するにはどうしたらいいのか、山﨑さんにもご協力いただきながら考えていきたいと思います。

あと、もしも店間移動をほぼ実施していない他社さんでしたら、FULL KAITENによって間違いなく消化率は上がると思います。プロパー消化率なのか、期末の消化率なのか、最重要視する指標は会社ごとに異なるとは思いますが、すぐに数値化できるんじゃないでしょうか。

ーーありがとうございます。岡村さんはいかがですか。

岡村様 現状、当社はECとアウトレットを除いた実店舗を対象にFULL KAITENを活用しています。次の展望としてアウトレットでもFULL KAITENを活用し、オフ率のコントロールをすることで利益構造の変化が起こればと考えています。

ーー弊社としても全力で支援してまいります。本日は誠にありがとうございました。