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初回投入・フォロー出荷・店間移動で抑えるべきポイントとは?

適正に在庫配分(初回投入・フォロー出荷・店間移動)を行うことは、小売業を営む上で非常に重要です。しかし在庫配分を考える上では、店舗立地・月商・売場キャパシティなど加味するべき要素が多いため、「経験や勘でリストを作成している」「業務負荷が高い」などの課題が多いのが現状です。

本記事では、初回投入、フォロー出荷、店間移動を行う時に抑えるべきポイントをそれぞれ解説します。

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必要在庫数の基本的な考え方

お店にいくつ在庫を発注するかを考える際は、まず売上計画の精度が担保されている必要があります。

売り場計画は去年の実績と何点売りたいかの「意志」を入れながら策定しますが、自店舗ではどれだけ売上が取れるか?がある程度担保されていないと、どれだけ在庫を確保するべきか把握することができません。そのため売上計画の精度の高さが、必要在庫数を考える上では重要です。

さらに店舗キャパシティに収まる在庫数か?次回配送時まで欠品しない在庫数か?も必要在庫数を考える上で重要な要素になります。

在庫日数を決定する時はメリット・デメリットを把握する

お店の必要在庫数を決める上では、「在庫数量が何日分の売上に該当するか」を意味する在庫日数が重要になりますが、理想の在庫日数は経営指標や業態、ビジネスモデルによって違います。

さらに在庫日数が長い場合と短い場合のどちらが良いかに関しては、答えはありません。またメリットデメリットが存在するため、それぞれの特性を把握した上でどれくらい持ちたいか?の意志も必要になります。

商品ライフサイクルに応じた在庫配分が鍵

特にシーズン性の高い商品の場合、売れる時期と販売期限が明確なため商品ライフサイクル(※)に沿って販売計画を決めることが重要になります。

(※)商品の投入から完売までのプロセス
   商品ライフサイクルについてはこちらの記事で詳しく説明しています>

この商品ライフサイクルを決めることで、新商品投入後のフォロー出荷や好調店への集約を最適なタイミングで行えるようになります。

商品ライフサイクルに応じた施策例

次章からは、倉庫出荷(初回配分、倉庫フォロー)と店間移動の最適なタイミングと商品選定のポイントを解説します。

在庫配分の精度を上げる方法

初回投入

初回投入では、アイテムカテゴリや価格帯、色サイズなどを店舗の特性に合わせて配分することが重要です。

例えばアイテムカテゴリや色サイズの場合、ルミネ店などの都心店舗ではファッション系のアイテムが売れやすい傾向にありますが、郊外店では定番商品や大きいサイズの商品が売れやすい傾向にあります。

また、若年層やファミリー層が多い地域の店舗では、低価格帯の商品が売れやすい傾向にある一方でサラリーマンやOLが多い地域では、高価格帯の商品も売れやすい傾向にあります。

このように店舗ごとに売れる商品は違うため、店舗特性に沿って初回投入を行うことが理想となりますが、販売開始前にここまでの店舗特性を考慮するのは至難の技です。

しかし、精度を向上させることは可能です。

まず店舗特性については、月商や規模、販売特性をもとに店舗をタイプ別にグルーピングします。さらにMD計画時点で商品ごとにどの店舗タイプにどんな品揃えでいくつ入れるかを定義することで、店舗特性を考慮した初回配分が可能になります。

また店舗でどの商品が売れやすいかは、顧客と1番接している販売スタッフが1番理解しています。そのため初回配分前に商品画像を送り、どれが自店舗で売れそうかを販売スタッフに見てもらうことも有効です。

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フォロー出荷

小売では急な気温の変化などにより、商品が売れる/売れなくなるタイミングが一瞬で発生します。そのため機会ロスや在庫過多を抑制するためには、売れる/売れなくなる1歩手前のタイミングで倉庫からのフォロー出荷を行うことが重要です。

売上の波が大きく伸長していくピークインは、機会ロスが発生しやすいタイミングです。例えば5月は、急に気温が高くなり半袖商品の売上前週比が200%を超えることもありますが、このタイミングで半袖商品の十分な在庫数が店舗にないと欠品になってしまいます。

そのためこのタイミングでは、過去の実績と初回投入後の初動を見ながら、売れる時期に早く在庫を確保する必要があります。

さらに効率的に商売を行っていく上では、売上(販売数)、在庫、売場構成比を連動させることが重要です。

例えば下図の上段では、売上が伸びる計画になっているにも関わらず、基準在庫数(売場陳列可能数)を増やさなかったために在庫週数が高回転の状態になり欠品リスクが高い状態になっています。

一方で下図下段では売上伸長と共に在庫数、基準在庫数を増やしたため、在庫週数が4.0となり、欠品が起きにくくかつ在庫過多でもない状態になっています。

このようにピークインのタイミングで欠品を起こさないようにするためには、売上伸長に併せて基準在庫数(売場)を拡大していくことが必要です。

売上の波が大きく下降していくピークアウトは、在庫過多になりやすいタイミングです。

そのため、ピークアウト時のフォロー出荷では、過去実績を参考にしながら販売ピークがいつなのかを見極めて、無駄な移動を最小化することが重要です。

またこのタイミングでは販売数の鈍化に併せて、基準在庫(売場)を縮小していくことが必要になります。

例えば下図上段では、販売計画が10個に対して基準在庫数が100のため、在庫週数が10週となり在庫過多の状態です。そのため、下図下段のように販売数量の鈍化に併せて売場を縮小していきます。

小売業では、下図上段のようにたった数週で販売数が落ちてしまいます。そのため売上が変化する半歩手前で在庫投入・抑制の意思決定を行い、半歩手前で売場拡大・縮小することが重要です。

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店間移動

物流費や店舗作業、指示作成にコストが発生するため、店間移動をやらないという判断をしている企業もあるでしょう。しかし完璧な初回配分ができない以上、店舗別の在庫のばらつきは必ず発生します。

そのため店間移動においては、何度も移動させるのではなく、ピークイン(プロパー期)の1回で売れる店舗に売れる在庫を移動させることが理想系になります。

売上が落ちていくピークアウトでの移動は、すでに値引きを行っていることも多いため、費用対効果が合わないことも多いです。しかし、値引き後は店舗別の販売動向が大きく変化するため、値引き後の店間移動も視野に入れておく必要はあります。

また月商の低い店舗の場合、売れない商品を置いていては新商品を入荷できないため、高月商で売り場が広い店舗に集約することも必要になります。

効果的な在庫移動をするポイントは、以下3点です。

  • 品番選定タイミング
  • 数量
  • 移動先

まず品番選定では、商品カテゴリー毎のライフサイクルを考慮し、最適な商品を最適なタイミングで実施することが重要です。

例えば半袖ワンピースの場合、上の図では0515wから最も売上が高まるピークに入ります。この売れる時期を逃さないためには、ピークの半歩手前であるピークイン(0508w)に売れる店舗に移動させる必要があると考えることができます。

上述の通り、商品は売れる時期を伸ばすと移動しても売れなくなってしまいます。そのためDBカレンダーを作成するなど対策を行い、売れる時期(ピーク)から逆算して最適なタイミング(ピークイン)で店間移動を実施することが重要です。

数量を算出する際は、店舗別・SKU別の余剰/不足在庫を算出し、店舗キャパシティを考慮することが重要です。

そもそも、在庫移動の目的は店舗別、商品別の消化ペースを平準化させることです。そのため対象商品の消化目標なのか、全社平均の在庫日数なのか、どこに目線を合わせるのかで必要な移動数が変わります。

例えば商品Aの消化目標30日を基準とする場合、店舗a、店舗bの消化は問題ないと判断できますが、店舗cは消化目標を超えているため余剰在庫と判断されます。

一方で全社平均に合わせる場合、在庫日数の全社平均である25日を超えて消化しそうな商品は全て余剰在庫と判断されます。そのため、上のケースでは消化が問題ないと判断された店舗Bも在庫が余っていることになります。

このように同じ消化状況でも、どこを基準とするかで数量や移動先、そもそも移動するかしないかの判断が変わってきます。無駄な在庫移動を何度も繰り返さないためには、ケースごとにどこに基準を合わせるかを決めておくことが重要です。

最後に移動先です。店間移動を行う上では必ず物流コストが発生します。移動した結果、売上粗利の毀損が発生したという状況にならないように、月商や売り場面積で店舗タイプを定義し、移動先を決めることが重要です。

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FULL KAITENで効果的な在庫配分を

このように在庫配分を考える上では最適な品番選定、数量、移動先を考慮する必要がありますが、膨大なSKU数を全てみながらExcelで作業するのは至難の業です。

そのためディストリビューターの方々は、数時間〜数日という時間をかけながら毎週移動リストを作成している現状があります。

そこで在庫分析システム「FULL KAITEN」は、ディストリビュート業務に特化したプラン「FULL KAITEN〈在庫配分〉」の提供を開始しました。

本機能は、これまでオプション機能として提供していたものを在庫移動に特化する形で機能アップグレードし独立させたものになります。既に利用中の企業からは在庫消化率の改善と在庫移動業務の効率化ができたという声が寄せられています。

FULL KAITEN〈在庫配分〉の導入メリット

  1. 予測に基づいた在庫の適正配置で売上粗利を最大化
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まとめ

  • 初回投入では、アイテムカテゴリや価格帯、色サイズなどを店舗の特性に合わせて配分することが重要
  • 機会ロスや在庫過多を抑制するためには、商品が売れる/売れなくなる1歩手前のタイミングでフォロー出荷を行う
  • 店間移動をする時は、何度も移動させるのではなく、ピークイン(プロパー期)の1回で売れる店舗に売れる在庫を移動させることが理想系

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