製品ライフサイクルとは?商品が辿る5フェーズと対応策を解説
アパレル・小売で扱う商品には必ずライフサイクルが存在します。そしてアパレル・小売業においては、このライフサイクルに応じて対策を講じることが何よりも大切なのです。
本記事では、製品ライフサイクルの基本から利益を最大化するために必要な3つのポイントを解説します。
製品ライフサイクルとは
そもそも製品ライフサイクルとは、商品の投入から完売までのプロセスを指します。
特にシーズン性の高い商品を扱う事業では、売れる時期と販売期限が明確なため、商品ライフサイクルに沿った商売が特に重要になります。
一方、年間通じて安定して売れる雑貨や定番商品はそこまで販売期間が明確になっていないケースも存在します。

今回はシーズン性の高い商品を扱う商売をメインに、利益最大化をするために必要な3つのポイントを解説します。
ポイント1:製品ライフサイクルを定義する
シーズン性の高い商品を扱う際は、時系列で商品がどのようなプロセスを辿るのか定義しましょう。
一般的には、商品の属するシーズン毎(梅春・春・夏・秋・秋冬・冬)に以下5つのフェーズに定義されます。
- シーズンイン:商品立ち上げ期間。売上は低い
- ピークイン:売上が大きく伸長し、売場拡大期間
- ピーク:最も売上に貢献する期間
- ピークアウト:売上が大きく下降し、売場縮小期間
- シーズンアウト:商品売り切り期間。売上は低い

またこの時、それぞれのフェーズごとの消化率の目標を設定しておくと、計画に沿ってシーズン毎の業績が推移しているのか?を確認することができます。
製品ライフサイクルを定義することで在庫問題を回避できる
製品ライフサイクル上で在庫問題が発生しやすいポイントが2点あります。
- ピークイン〜ピーク前半:売上の大幅伸長に合わせた売上分や売場拡大分の在庫投入が後手に回ってしまう(機会ロス発生)
- ピーク後半〜ピークアウト:売上ピークの波に沿って売上分の在庫投入をし続けてしまい、売場縮小ができない(在庫過多発生)
つまり、適切な在庫投入を実現するためには、ピークインとピークアウトの売上トレンドををきちんと把握すること。また、機会ロス発生や在庫過多発生時の異常値にいち早く気づくことも重要です。
そして、これらを担保するために社内でどのような仕組みを設計するのかが肝となります。

機会ロスについては以下の記事でも対策法を解説していますので、参考にしてみてください。
”6つのチャンスロス”を防止し、小売業の売上・利益を最大化させる方法とは
ポイント2:ライフサイクルごとに消化率の基準を設ける
過去実績なども参考にしながら、フェーズごとの消化率目標を設定しましょう。
消化率を決めておくことで、上述の通り計画通りに進んでいるかを確認できる他、消化率が未達/達成かに応じて、次のアクションを決めやすくなります。
つまり、商売の意思決定をパッケージ化することができるのです。以下は意思決定の一例です。
ポイント3:誰でもできるように形式化する
このように、商品ライフサイクル毎の消化率目標と対策をパッケージ化することで誰もが同じ基準で意思決定をすることができます。
特に商売の計画修正は、人によって判断基準が大きく異なり、社内コミュニケーションに大きなコストがかかることが多くあります。
そのため、意思決定をパッケージ化をし知見を社内に残していくことで、再現性のある仕事に消化していくことができるのです。
まとめ
特にシーズン性の高い商材を取り扱う事業者の皆様には以下が重要です。
- シーズン毎に商品ライフサイクルのフェーズを明確に定義すること
- 在庫問題が発生しやすいポイントを理解し、このポイントでの売上計画精度向上と異常値発生時に早く気づく仕組み構築すること
- 商品ライフサイクル毎に目標消化率を設定し、結果に応じた対策の意思決定をパッケージ化すること
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