メルマガのクリック率を上げる3つのポイント|小売向けにコツを徹底解説
広告、SNS、DM…。様々なマーケティング施策がある中で、お客様へ有益な情報を”直接”届けることができるメルマガは、今なお重要な施策の一つです。
本記事では、実際にフルカイテンでお客様へのメルマガ配信を担当している筆者が、クリック率を上げるための鍵を解説します。
【お役立ち資料】2024年2月1日より変更の「Googleメール送信者ガイドライン」やること解説
メルマガのクリック率とは
メルマガのクリック率とは、配信したメルマガの内、どのくらいのユーザーがメルマガ内のリンクをクリックしたかを表す指標であり、以下の計算式で算出します。
クリック率(%)=クリック数÷メルマガ到達数(※)×100
※配信したメールの内、正常に受信ボックスまで届いた数。受信側の設定で迷惑メールボックスに振り分けられたり、メールアドレス間違い等でメールが届かなかった場合は、配信数から数が下がる。
例えば、クリック数が50件、到達数が5,000件の場合は、以下の通り算出します。
50÷5000×100=1%
開封率の場合、件名や差出人名などの限られた情報に左右されますが、クリック率は中身が重要となります。クリック率が高いほど、ターゲットに対して中身が刺さったという証明になるため、重要な指標となります。
開封率を上げる方法を解説した記事はこちら▼
メルマガの開封率を上げる3つのポイント|小売向けにコツを徹底解説
メルマガのクリック率を上げる3つのポイント
1.ファーストビューに最も力を入れるべし
一つ目のポイントは、ファーストビュー(※)に力を入れることです。
※開封後、最初に表示される部分
メルマガでは、約4割〜6割のユーザーが8秒以内に離脱する傾向にあると言われています。
つまり、ユーザーが期待している内容か、最後までメルマガを読みたいと思うかなどの判断は、ファーストビューにかかっていると言っても過言ではありません。
逆に言えば、ファーストビューをみて「良い」と判断してもらえれば、メルマガを最後まで読んでもらえることができ、クリック率も高くなるということです。
実際、弊社が配信しているメルマガ開封後の滞在時間とクリック率を見てみると、メルマガの滞在時間が長いほどクリック率も高くなっていました。
開封後の滞在時間 | クリック率 | |||
0~2秒 | 2~8秒 | 8秒以上 | ||
メルマガA | 12.4% | 30.4% | 57.2% | 0.64% |
メルマガB | 7.7% | 27.7% | 64.6% | 1.13% |
メルマガC | 0% | 16.7% | 83.3% | 2.66% |
では、ユーザーにとって良いファーストビューとはなんでしょうか。
メルマガの開封率を上げる3つのポイントの記事でも解説した通り、件名に惹かれて開封するユーザーが多いです。そのため、件名の答えとなるコンテンツや内容をファーストビューに置くことがポイントとなります。
例えば上表のメルマガAは、配信リスト全体に向けて、開催するセミナーの内容を紹介したメルマガでした。このメルマガでは、ファーストビューにある導入文が長かったため、セミナー内容が一目で伝わり切らなかった可能性があります。
一方、成果が良かったメルマガCでは、導入文が短くかつ件名通りのコンテンツがファーストビューに収まっていました。
アパレル・小売でよくあるケースとしては、画像サイズの問題でファーストビューに肝心のコンテンツが映っていないメルマガがあります。
例えば「おすすめの靴を紹介」というような件名の場合、モデルが靴を履いている画像をファーストビューに載せたものの、画像サイズが大きく肝心の商品が映っていないケースがよく見られます。
機会損失の原因になるため、配信前にプレビューを確認したり、モデル着用画像を乗せるのではなく商品画像を載せるなどの対策が必要です。
また、クリック率を上げるという意味では、ファーストビューにCTAを必ず含めるようにしましょう。
一度のメールで複数商品を案内する場合は、導線設計が重要です。
一般的には、上部にあるリンクのクリック率が一番高く、下にいくに連れて低くなる傾向にあります。しかし、ファーストビューのコンテンツがユーザーにとって良いと判断されれば、最後まで見てもらえることができ、一番下のリンクであってもクリック率が極端に下がることは少なくなります。
そのため、どのコンテンツを上部におけばユーザーにとって良いのか、導線設計をしっかりと考えることも重要です。
【お役立ち資料】2024年2月1日より変更の「Googleメール送信者ガイドライン」やること解説
2.クリックしてほしいリンクを分かりやすくする
2つ目のポイントは、クリックしてほしいリンクを分かりやすくすることです。
ユーザーに開封してもらい、しっかりと内容を読んでもらえたとしても、どのボタンをクリックすれば良いのかが分かりにくければクリック率は上がりません。そのため、ユーザーにクリックしてほしいリンクを分かりやすく提示することが必要となります。
HTML形式の場合、CTAボタン(※)を活用することで、それがクリック可能な要素であることを分かりやすくすることができます。
(※)クリックを促し、購入や資料ダウンロードといったサイトの最終目標(コンバージョン)に繋げるためのボタン
CTAボタンを活用する際は、以下2つが重要です。
- デザイン、色を工夫し、視認性を良くする
- ボタンテキストを工夫し、リンク先を分かりやすくする
色、文字を工夫し、視認性を良くする
CTAボタンを設置する上では、ただ設置するだけではなく、視認性を上げてクリック可能な要素であると認識してもらう必要があります。
そのために重要なのが、デザインや色などの要素です。
まず、デザインについては、角が鋭い長方形よりも角の丸い長方形の方が良いとされています。
上図のように角が丸い長方形の方が、円に近い形状をしており心理的に安全というイメージがあることや、角が内を向いていることで視線も内側(テキスト)に行きやすいということです。
参考:Why Rounded Corners Are Easier on the Eyes
色については、ボタン以外の配色との兼ね合いや個人的な好みなどの条件から、どの色が良いかは諸説あります。
迷った場合は、青信号・安全のイメージがある「緑」や熱意・パワーのイメージがある「赤」、Amazonの購入ボタンとしても活用される「オレンジ」を使うのが良いとされていますが、上述の通り、明確にこの色が良いという説はないため、A/Bテストを実施しながら自社にとってベストな色を見つけることが重要となります。
参考:LPやECサイト等のCTA/コンバージョンボタン色に関する諸説まとめ | デジタルマーケティングTips | 株式会社マックスマウス
ボタンテキストを工夫し、リンク先を分かりやすくする
CTAボタンを活用する上では、ボタンテキストを工夫し、クリックした先がどんなページなのかを想像しやすくすることも重要です。
例えば同じメルマガに、商品の詳細ページに飛ばすボタンと商品一覧ページに飛ばすボタンがあるとします。どちらも「商品をみる」といったボタンテキストで統一できそうですが、リンク先が違う場合は、遷移先のコンテンツに合わせて文言を変えましょう。
- 遷移先:商品の詳細ページ
- ボタンテキスト例:
- 商品を詳しく見る
- 商品について詳しく知る
- 商品詳細ページはこちら など
- ボタンテキスト例:
- 遷移先:商品一覧ページ
- ボタンテキスト例:
- 商品一覧を見る
- 人気TOP10ランキングを見る
- 商品をまとめて見る など
- ボタンテキスト例:
ボタンテキストを工夫することで、クリック率を高められるだけではなく、その後のCVR(※)の向上にも繋げることができます。
(※)購入などの最終成果に至った件数の割合
3.セグメント配信する
配信リストを顧客の属性(年齢、性別など)や興味などで分類し、それぞれにあったメルマガを配信することをセグメント配信と言います。
メルマガの内容に興味を持っているユーザーへピンポイントで配信することができるため、開封率、クリック率ともに上げることができます。
弊社でもお客様によって配信するメルマガを変えることがありますが、リスト全体に送るよりもセグメント配信した方が開封、クリック率が高くなる他、配信停止数も抑えることができています。
小売業でもCRMと連携できるメール配信システムが多く登場していますので、マーケティングにおいても顧客属性を活用していくことが非常に有効となります。
まとめ
- メルマガの開封率とは、配信したメルマガの内、どのくらいのユーザーがメルマガ内のリンクをクリックしたかを表す指標
- クリック率をあげるためには、以下3つが重要
- ファーストビューに最も力を入れる
- 件名の答えとなるコンテンツや内容をファーストビューに置き、最後までメルマガを読んでもらう工夫をする
- クリックしてほしいリンクを分かりやすくする
- CTAボタンを活用し、それがクリック可能な要素であることを分かりやすくする
- セグメント配信する
- メルマガの内容に興味を持っているユーザーへピンポイントで配信することで、開封率、クリック率ともに上げることができる
- ファーストビューに最も力を入れる