メルマガの開封率を上げる3つのポイント|小売向けにコツを徹底解説
広告、SNS、DM…。様々なマーケティング施策がある中で、お客様へ有益な情報を”直接”届けることができるメルマガは、今なお重要な施策の一つです。
しかし、どれだけ配信したとしてもメルマガは開封してもらえなければ意味を成しません。
本記事では、実際にフルカイテンでお客様へのメルマガ配信を担当している筆者が、開封率を上げるための鍵を解説します。
【お役立ち資料】2024年2月1日より変更の「Googleメール送信者ガイドライン」やること解説
メルマガの開封率とは
メルマガの開封率とは、配信したメルマガの内、どのくらいのユーザーが開封したかを表す指標であり、以下の計算式で算出します。
開封率(%)=開封数÷メルマガ到達数(※)×100
※メルマガ到達数:配信したメールの内、正常に受信ボックスまで届いた数。受信側の設定で迷惑メールボックスに振り分けられたり、メールアドレス間違い等でメールが届かなかった場合は、配信数から数が下がる。
例えば、開封数が1,250件、到達数が5,000件の場合は、以下の通り算出します。
1250÷5000×100=25%
計算式からもわかる通り、開封率に内容は一切関係なく、メールを開ける前に見える情報(件名や差出人名など)のみに左右されます。どれだけ良い内容を書いたとしても、開封してもらえなければ意味を成さないため、メルマガを配信する上では常に意識するべき指標になります。
メルマガの開封率を上げる3つのポイント
件名を工夫し「読まなきゃ!」と思わせることが重要
メルマガの開封率を上げるために、もっとも重要なポイントが件名です。
お客様は、日頃から様々な企業・人からメールを受信しています。そのため、ほとんどが埋もれてしまうか、開封されずに削除されてしまいます。
では、どうすれば数あるメールの中から埋もれず、開封されるでしょうか?
皆さんは、学生時代に休み時間中のガヤガヤしている中でも、自分の名前や自分に関する内容が聞こえた瞬間、その会話の内容が頭に入ってくる経験があったかと思います。
これはカクテルパーティー効果という、多くの音の中から自分が必要としている情報や重要な情報を無意識に選択するという脳の働きが関係しています。
メールの件名においても、このカクテルパーティー効果を活用してお客様が「自分が読まなきゃ」と思ってもらえるような件名をつけましょう。
例えば、春物の新商品発売をお知らせするメールで考えてみます。
- 来週発売の新商品をご紹介♪
- 【来週発売】春気分を上げる新作アイテムをご紹介
上の件名では、来週新商品が発売するという内容しか書かれていません。そのため、そのブランドのファンであれば開封したいと思ってもらえるかもしれませんが、より開封してもらうためには、もう少し情報を加えてあげる必要があります。
下の件名では、「春気分をあげる」というワードを取り入れることで、春物の服を何か欲しいな、今年の春には何を着れば良いんだろと思っているお客様の興味を惹くことができます。
もう一つ、加湿器を商品を紹介する場合で考えてみましょう。
- 今の時期におすすめしたい商品をご紹介
- 冬の乾燥を乗り越える!今の時期におすすめしたい商品をご紹介
1の件名では、どんな商品が紹介されるのかが分かりません。一方、2の件名では、冬の乾燥を乗り越える!と入れることで、乾燥に悩んでいる人の興味を惹くことが可能になります。
弊社でもよくセミナーやお役立ち資料などのご案内をメルマガで配信していますが、ご案内だけでお送りするよりも、詳細を入れた方が開封率が2%以上上昇します。
次からは、お客様に「読まなきゃ!」と思わせるためにより意識するべきポイントもお伝えしていきます。
メリットではなく、ベネフィットを提示する
昨今、SDGsへの対応や技術の進歩により、新素材を使った商品が各ブランドから出ているかと思います。しかし、ほとんどのお客様は、新素材を使った商品が欲しいわけではなく、その商品から得られる効果を求めていることが多いです。
これをメリットとベネフィットといい、よく混同されますが、違いは以下の通りです。
- メリット:商品・サービスの利点や長所
- ベネフィット:その商品・サービスから得られる効果
例えば、マイナス5度でも寒くならないような新素材を使った防寒着を発売した場合、メリットは新素材を使った商品が手に入ること、ベネフィットはマイナス5度でも寒くないことです。これを件名にして考えてみましょう。
- メリットを使った場合:新素材を使った最新アウターをご紹介
- ベネフィットを使った場合:マイナス5度でも寒くない!最旬アウターをご紹介
上の例では、新素材の効果が分からないため、自分ごとに捉えられません。一方下の例では、「マイナス5度でも寒くない」と新素材による効果が記載されているため、北海道や韓国などの寒い地域に旅行する方へ刺さる可能性が高くなります。
同様に、よく訴求として使われている薄型レンズを例にして考えてみます。
- メリットを使った場合:薄型レンズを使ったメガネをご紹介
- ベネフィットを使った場合:度数が高くても目が小さく見えない!|薄型レンズ使用のメガネをご紹介
緊急性を伝えて、今すぐ開封させる
一般的にメルマガでは、配信直後が開封のピークとなり、配信2時間後からはほとんど開封されなくなります。そのため、今読まなきゃいけないと相手に思わせることが重要です。
小売業の場合は、限定タイムセールや在庫数をフックにすることが有効です。
- 【EC限定タイムセール】
- 【本日16:00まで!】
- 〇〇様が気になっている商品が残り1点です
一番伝えたいワードを冒頭に持ってくる
基本的にメーラーでは、件名部分に表示される文字数に限りがあるため、なるべく端的にすることが重要です。
<主要メーラーで表示される文字数>
- Gmail
- PC版:50文字程度
- スマートフォン版:15文字程度
- iPhone標準メーラー
- 17文字程度
そのため、一番伝えたいワードを件名の冒頭に持ってくるようにしましょう。例えばセールであれば、【セール】【最大20%OFF】と付けてあげることで、受け取った側が瞬時にどんな内容なのかを理解することが可能になります。
1対1で送っているように見せる
最後は、案内メールのように1対Nで送るのではなく、1対1で送っているように見せることです。1対1で送っているように見せることで、より自分宛に送っていると思わせることができ、開封率の向上に繋がります。
件名の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 【〇〇様へ】限定タイムセールのご案内
- 〇〇様におすすめの春アイテム
また、差出人名を個人名+ブランド名にする手法もあります。BtoB企業ではよく見られる手法で弊社でも活用していますが、小売企業のようなBtoC企業でも有効です。
実際、筆者がメルマガ登録している雑貨企業の中に個人名でメルマガを配信している会社がありますが、個人名で送られることで目に入りやすい上に、企業の”中の人”が見えることで安心感をもたらすことができます。
差出人名を分かりやすくする
開封率をあげるためには、件名が一番重要とお伝えしましたが、多くのメーラーでは差出人が一番目立つケースがほとんどです。
そのため、件名は工夫しているのに開封率が低いという場合は、差出人名が分かりやすくなっているかを確認しましょう。
よくあるケースとしては、以下のようなものがあります。
- メールアドレスのままになっている
- 社名やブランド名の認知度が高いのに、あえて別の名前をつけている
「差出人名がわからない」「見覚えがない」といったメールを配信すると、相手に警戒心を持たれたり、迷惑メールだと勘違いされたりする可能性があります。
定期的に配信リストを見直す
メルマガを配信した際、エラー率が高いと迷惑メールと判定される可能性が高くなります。
開封率はメルマガ到達数が母数となるため、迷惑メールと判定される可能性が高くなり、開封率が下がっていってしまいます。
そのため、迷惑メールと判定されないためには、メール配信リストを定期的に見直し、確実に届くメールアドレスに絞ってメルマガを配信することが重要となります。
さらに、 Gmailでは2024年2月以降、Gmail アカウントに1日あたり5,000 件以上のメールを送信する送信者に対し、以下3つの対応が義務付けられます。
- 送信メールを認証すること
- 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにすること
- 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること
上記3つが対応されていないと、迷惑メールと判定されたり、そもそも送信できない状態になる可能性があります。そのため、個人のお客様が中心の小売業においては、より詳細にリストを見直す必要があるのです。
本ガイドラインに関しては、下記の資料に概要から必要な対応をまとめておりますので、ぜひダウンロードください。
【お役立ち資料】2024年2月1日より変更の「Googleメール送信者ガイドライン」やること解説
また、せっかく件名を工夫したとしても、配信先リストの中にその対象となるお客様が少なければ開封率は上がりません。どんな内容を送りたいかに合わせて配信先と件名を変えることも必要です。
まとめ
- メルマガの開封率とは、配信したメルマガのうち、どのくらいのユーザーが開封したかを表す指標
- 開封率をあげるためには、以下3つが重要
- 件名
- ベネフィットや緊急性を提示することで、「読まなきゃ」という心理を醸成する
- 差出人
- 誰から送られてきたメールなのかが分かりやすくなるように、一般的に認知されているブランド名等を使う
- 配信リスト
- 送信先のメーラーから迷惑メールだと判定されると、エラー率が高くなる。また、2/1からはGmailのガイドラインが変更されるため、定期的な配信先リストの見直しや配信内容に合わせて送信先を変えるなどの対応が必要になる
- 件名