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【セミナーレポート】ECサイトの利益を最大化させる!アクセスデータ×在庫データ活用の真髄とは

2024年8月28日に弊社・矢田と岸良が登壇し『アクセスデータ×在庫データを活用してECサイトの売上・粗利を伸ばす方法』を徹底解説するオンラインセミナーを開催しました。

本セミナーでは、2ヶ月間でタイムセールで190%、販促施策で240%もの粗利を伸長させた事例をもとに、アクセスデータ×在庫データを活用してECサイトの売上・粗利を伸ばす方法を徹底解説いたします。

登壇者:矢田 陽平(フルカイテン株式会社カスタマーサクセス リーダー)
2011年に株式会社ファーストリテイリングに入社。ジーユー日本事業で店長やSVを経験した後に、海外(中国/台湾)で営業/教育責任者として、全店舗の統括、採用/育成プログラムやインシーズンの商売立案を担当。
その後、HR-Techスタートアップでカスタマーサクセスを経験しフルカイテンに入社。現在はカスタマーサクセスチームのリーダーとして多くの顧客支援に従事している。

登壇者:岸良 腕(フルカイテン株式会社マーケティング マネージャー)
人材企業を経て、2020年に1人目のインサイドセールスとして、フルカイテン株式会社へ入社。その後マーケティングを兼務し、各種マーケティングツールの導入や大手企業のリード・商談獲得を担当。現在はチームマネジメントとマーケット開拓に従事している。

目次

  1. EC市況は年々鈍化
  2. ECサイトの利益を伸ばすロジック
  3. 本当に売るべき商品とは
  4. ECのアクセス解析データと在庫データのクロス分析の手法
  5. 〈事例〉タイムセールで190%、販促施策で240%の粗利を伸長
  6. まとめ

1. EC市況は年々鈍化

岸良:EC市場のマーケットがどのような状況にあるのか整理します。EC市場全体の成長は鈍化傾向にあります。 2020年のコロナの影響もあり、実店舗でこれまで販売していたものをECで販売していくという流れになりました。
そういった背景からEC市場規模は2020年に21.7%と大きく伸長しましたが、2020年には前年比5.4%とこれまでと比べて鈍化傾向にあります。

参考:EC市場は拡大?鈍化?求められる次の一手とは

これまでの実店舗の代わりにECが成長してきたというここ数年のトレンドでしたが、そのトレンドが落ち着いてきて実店舗への回帰も進んでいます。
新たな需要を喚起しないとECの販売額や利益を伸ばすのが難しい市況感になってきております。
様々なお客様を支援させていただく中で、下記のような3つの課題をよく伺います。

  1. 利益改善
    利益改善という観点ですと、プレイヤーの参入が非常に増えている点です。DtoCであったり、実店舗メインでやっていた企業がECに参入してくるようなこともあり、そもそもプレイヤーが増え、競争が激化しており、利益を取るのが難しくなっています。 色々なプレイヤーがいる中で、自分たちの商品をどういう値引きをするか、どの商品を値引き対象にするか、値引き幅はどうするのか、この辺りを決めるのが非常に難しくなってるという課題があります。
  1. 滞留在庫
    2つ目は滞留在庫という観点です。特に商品点数が多い企業であれば、ECサイトで打ち出せる商品点数も限られます。 売れていなくても放置される商品があったり、商品点数が多くて販売期限などがきちんと管理ができていないと、置いておけばいつか売れる掲載しておけばいつか売れるというような考えになってしまい、在庫が滞留しやすいという課題もあるのではないかなと思います。
  1. 業務負荷
    3つ目は業務負荷という観点です。ECの実務に関わる方ですと、在庫も把握する必要もあり、ECサイトのPVであったりCVRをどう向上させるか、というところにも頭と手を動かさないといけないということがあります。やることが多く、本来やるべきことに手がつけられていないという課題だったり、在庫という観点で考えると、商品点数が多くて分析に時間かかってしまうという課題があるのではないかと思います。 

こういった状況でも利益をとっていく課題解決の方向性を、よくマーケティングのフレームワークで使う4Pをベースに整理をします。

Product(商品)、Price(価格)、Promotion(販売)、Place(流通)という4つがあり、どんな商品を、 いくらで、どのように、どこで販売するのか、この4つの観点があります。

Promotion(販売)、Place(流通)に関しては、この領域を改善するツールベンダーも非常に増えています。

具体的にはPVを上げるとかCVRを上げるという目的で、様々なノウハウ、ツール、手段は色々あり、ここで差別化をしていくのは難しいと思います。 

一方で、このProduct(商品)、Price(価格)はそもそもどういう商品を販売するのか、いくらで販売するのかという部分で、まだまだ改善の余地が大きいのではないかと考えております。

フルカイテンはこの部分のノウハウを非常にたくさん持っており、Product(商品)、Price(価格)の部分をどう改善していくかという点について、特にProduct(商品)の部分をどう改善していくかというのを次のパートで紹介いたします。

2. ECサイトの利益を伸ばすロジック

矢田:ここからは実際に我々が支援してきた企業様の事例を紹介しながら、皆様にナレッジを還元していきます。

ここでは5W1Hでより細く分解した方がコミュニケーションを取りやすいのでこちらをベースにお話します。
5W1Hのアプローチで分解した時に、ECのみならず、まず重要なことは下記のポイントです。

Why(なぜ)
「そのアクションは何の目的でやってますか?」がというのが最上流にあり、 

  • 売上最大化を目指すのか
  • 粗利最大化を目指すのか
  • 在庫の消化を目指すのか

という目的を設定します。
この「Why(なぜ)」の目的に応じてアクションが変わってきます。

各社様がブラックボックス化しているポイントとしては、「When(いつ)」と「What(何を)」です。
FULL KAITENのアプローチは、この「When(いつ)」「What(何を)」にアプローチします。

まずFULL KAITENのコンセプトについてお話します。

FULL KAITENは、ECの専門家としての立場ではなく、どう業績改善にアプローチしていくかということにフォーカスしています。

フルカイテンでは売上と在庫のアンバランスな関係が非常に重要な経営課題だと考えています。

例えば、売上のトップラインを上げたいが、単純に在庫を増やすアクションを取れば売上は増えます。しかし、結果的に残在庫が増え、資金繰りが悪化し、残在庫が多いから売上を減らすというアクションを取ると、売上のトップラインが減ってしまうという機会損失が増えます。 

この最適なバランスがどこなのか、各企業様が非常に苦しんでいる部分になります。こういった経営課題を改善するために在庫分析ツール『FULL KAITEN』を提供しております。

FULL KAITEN導入企業様のデータを分析したところ、多くの企業様が粗利の80%を、 たった20%のSKUで生み出されているという事実が分かりました。つまり、企業様がお持ちの80%の在庫SKUは、ほぼ利益に寄与していないということです。

そのため、解決するべき課題はこの稼働していない80%の在庫をいかに効果的に回転させてキャッシュ・利益に変えていくかです。 

FULL KAITENは今ある在庫を回転させるということを至上命題としています。

では具体的なアプローチですが、 AIを用いて全ての商品に対して、SKU、品番、商品の粒度、色々ありますが「将来どれだけ売上を作るのか」「いつ売り切れるのか」という売上と完売を軸として予測を立てています。企業様がお持ちになっているECのアクセス解析データとAIの予測データをクロス分析した時に新しい示唆が生まれます。ここまでがECの売上、利益を最大化するためのアプローチのお話でした。

3. 本当に売るべき商品とは

矢田:ここからは利益を最大化させる「売るべき商品」とは何か、「ECのアクセス解析データと在庫データのクロス分析の手法」また「データのクロス分析でどのような成果が出たか」の3段構成で解説します。

まず「売るべき商品は何か」です。

一般的に、顧客の購買需要が高い商品はマーケティング施策に載せたり、さまざまな露出をします。
一方で売れない商品は基本的に積極的には露出しません。まず売れる売れないは非常に重要な要素です。

ただ、FULL KAITENとしては在庫が潤沢にあり欠品しておらず、かつ消化進捗があまり芳しくない商品を「売るべき商品」と定義しています。逆に売るべきでない商品というのは在庫の欠品が発生している、もしくは欠品懸念があるほっといても在庫がなくなる商品です。こういった商品はおそらく計画に対して消化進捗がいい商品ですので、こういう商品は露出してまで売るべき商品ではないと定義しています。

FULL KAITENの売るべき商品を4象限の図に表すと、縦軸が売上のランク横軸は在庫の消化進捗です。全ての商品をこの4象限にマッピングします。

FULL KAITENが定義する「売るべき商品」は右上の「Better在庫」になります。売るべき商品は4象限の右側の消化目標に対して消化が遅れている商品です。

消化が遅れているので、何かしらのアクションを起こさないといけないのでこれを売るべき商品としています。

左側のセグメントにある商品は消化進捗が良い商品のため、 露出したり何かのリソースを投下することに関しては優先順位が低くなります。

値引き商品は当然消化進捗が良くないもの、かつ売上貢献の見込みがないものに関しては、なるべく早く見切って値引きをするというアクションが必要です。

もう1つの変数として、商品ライフサイクルの考慮です。

商品ライフサイクルは商品がローンチしてからピークに行くまで、また商品がアップトレンドになるこの時期ピークを迎えて、終売に向かってダウントレンドになっていきます。

皆さんも経験として、ピーク時に商品の露出を増やしたら、ダウントレンドに入ってしまったことがあるかと思います。そのため、商品ライフサイクルを定義して、ピーク時に商品を打ち出すと非常に成果が出やすくなります。「ピーク」を過ぎた今後ダウントレンドになる商品の露出を増やしたらダウントレンドに入ったということがあると思います。

今後アップトレンドになっていく商品を打ち出していくのは、非常に成果にしやすいのです。

ではこの商品ライフサイクルのアップトレンドの様な話を先ほどの4象限で考慮してくとどういうことなのかお話します。

売るべき商品は売上が上位ランク、かつ在庫が潤沢にある商品だとお話しました。

しかし4象限にはさまざまな商品が含まれています。 今後打ち出しをするなら、当然アップトレンドになる商品になります。

FULL KAITENでは将来アップトレンドになるのか、ダウントレンドなのか、この指標を使いながら、売るべき商品を特定していくのが最初のステップになります。

ロジックツリー化するとこういうイメージです。

商品の「消化」を目標に据えた場合、消化進捗が良く、売上ランクが良い、在庫が潤沢にある「Better在庫」の中で商品トレンドが上向きの商品を売るべき商品になります。

在庫を効果的に回転させる、売上、利益に変えるという文脈において、頂点を「消化」としています。

では一般的な企業様はどうやってるのかというと、ほとんど上記の図のケースになります。 何かを打ち出すという時は、大きく2つの軸で選定します。

1つは、新商品であること。マーケティング施策の対象商品であるような商品というニュアンスも含まれています。
2つ目はイベント軸で商品を選ぶということです。在庫軸を考慮せず、 単純に売上がいい商品を選んでいくというケースが多いです。

一般的な選定方法で選んだ場合と、FULL KAITENの定義で選んだ場合、この検証効果についても後ほどお話いたします。

4. ECのアクセス解析データと在庫データのクロス分析の手法

矢田:今回の事例では、ECサイトのCVRやPVというデータを一緒に合わせて分析することで、解析結果により深みを持たせた事例になります。

結論としては、1番成果にコミットしやすかった商品はPV(Page View:閲覧数)の頻度が非常に少なく、 CVR(Conversion Rate:顧客転換率)が高い商品でした。露出が十分でないため売上に繋がっていないポテンシャルがある商品という解釈になります。

選び方としては、Better在庫から在庫軸もしくはアップトレンドの商品をピックアップします。CVRを横軸にPVを縦軸に置き、PVが少なくCVRが高い商品の露出をすると商品のポテンシャルを開放できるイメージです。

こちらは値引きの事例です。

4象限の右下を「Bad」と定義していましたが、消化進捗が遅れており、売上も良くない、いわゆる不活性在庫になります。
Bad商品は消化進捗が悪く売れ筋でもありませんが、実はCVRが非常に高くてチャンスがありそうな商品や、今後アップトレンドになりそうな商品が存在します。

もちろんBad在庫を放置するのは良くないため、値引きやタイムセールを実施している企業も多いかと思います。しかし、Bad在庫だからといってただ値引きをするだけではなく、アクセスデータの解釈を追加することで余計な値引きを抑えることが可能になります。

5. 〈事例〉タイムセールで190%、販促施策で240%の粗利を伸長

では、今までのお話を踏まえて、タイムセールで190%、販促施策で240%の粗利を伸長させた事例をご紹介します。
今回ご紹介する企業様では、商品を選定する基準について下記のような課題がありました。

従来の商品選定基準では、このような課題がありました。


【課題】

  • SKUが多すぎて商品を見切れない
  • ポテンシャルのある商品を発掘するのがかなり難しい

商品を露出するにあたっての選定基準を言語化してロジカルに説明できない企業が多いです。なんとなくや、テイストで選定しており、クリエイティブ視点に寄りすぎるケースが多く見られます。

1つ目の事例をご紹介します。

◼️検証方法
ECサイトの露出枠に出す30品番を、FULL KAITENで商品選定した場合と、従来のやり方で選定した場合で比較しました。露出しなかった場合の理論上の粗利額を基準に、露出施策をすることでその基準からどのくらい粗利額を増やせるのかという検証をしました。

◼️結果
従来のやり方:露出しない場合と比較して+20万円の粗利額を創出
FULL KAITEN:露出しない場合と比較して+50万円の粗利額を創出
従来のやり方に比べてFULL KAITENで選定した方が240%も粗利を伸長させることができました。

2つ目の事例はタイムセールでの検証です。

◼️検証方法
先ほどの事例と同様に、100品番くらいのボリューム感で従来の方法での商品選定をした場合と、FULL KAITENを使って商品選定し、タイムセールを実施しました。

◼️結果
従来のやり方:タイムセールを実施しなかった場合の粗利額から+80万円の粗利を創出
FULL KAITEN:タイムセールを実施しなかった場合の粗利額から+100万円の粗利を創出
従来のやり方に比べてFULL KAITENで選定した方が190%も粗利を伸長させることができました。

6. まとめ

今回のナレッジは在庫を回転させるという視点でのアプローチと成果になります。
ECの専門家としての視点ではないことを念頭に置いていただければと思います。

在庫を回転させるという視点に立ったときに、まずは「売るべき商品は何か」、 売上だけではなく、「在庫の消化状況」を考慮するのが重要です。

また、FULL KAITENはAIでの予測にも精通しているので、売上に関しても、 店舗の過去実績だけでなく、未来のアップトレンドが分かるとより「売るべき商品」を適切に選定することができます。
今回は企業様がお持ちのアクセス解析データのPV、CVRをFULL KAITENで活用しました。

「隠れた売れ筋商品」を掘り起こし、商品の「ポテンシャルを解放」させるとより大きな成果を創出することが可能です。

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