導入事例

在庫移動で売上10%増!作業時間は1/3で分析可能品番数は9倍に。成功の秘訣は、自社システム×FULL KAITENの「得意」を掛け合わせること

株式会社TSI

レディース・メンズアパレル

小売
卸売
実店舗
EC

株式会社TSIが運営する、セレクトショップ「ナノ・ユニバース(NANO universe)」。

1999年にセレクトショップとして始まったナノ・ユニバースは25周年を迎える2024年に向け、2022年3月7日(月)からリブランディングを実施しています。

今回は、ナノ・ユニバースのアウトレット事業において、レディース商品のディストリビュートや売価変更の業務に従事されているナノ・ユニバース事業部 Woman’sセクション OUTLET DB(ディストリビューター)の佐々木様に、FULL KAITENでの成果や現場での活用法も伺いました。

わずか2か月でディストリビュート業務の効率が3倍になり、直近のキャンペーンでは期間中に売上の約10%を創出するなど、キャリー在庫の圧縮など粗利改善や在庫削減の効果を感じていらっしゃいます。

※本稿に含まれる情報は、2023年6月時点のものです。

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左:株式会社TSI「ナノ・ユニバース(NANO universe)ディストリビューターの佐々木様
右:同社をご支援している弊社カスタマーサクセスの森田

導入直後から業務定着までの流れ

――FULL KAITEN導入当時、一番解決したい課題は何でしたか

佐々木 粗利の改善と在庫高の削減です。これは社内的にも課題として上がっているように思います。

――FULL KAITENを導入すると聞いて率直にどう思いましたか

佐々木 期待と不安が半分ずつありました。私は新しいものが好きなので楽しみでしたが、そこに付帯する業務は必ず増えるだろうとは思っていました。ですので、その業務があまり重くないとよいなと感じていました。

斉藤 同じチームの皆様の反応はいかがでしたか?

佐々木 新しいシステムの導入に対して「今までの業務を変えるのは大変そうだな…。」と不安に感じていたメンバーもいたと思います。 私は貴社の基本的な考え方や操作方法を教えて頂いた際に、「今の業務をまるっとFULL KAITENに移し替えるというよりも、補助的に見えてなかった部分を見るために使おう。」と割り切って考えました。

森田 佐々木様は、今も前向きな割り切り方をして活用してくださっていますね。貴社の場合は、基幹システムで見ることができる情報が沢山あると思うので、基幹システムでは追えないFULL KAITEN独自の分析データを上手に活用いただいていると感じています。

――導入当初にFULL KAITENに対してどんなことを期待しましたか

佐々木 販路ごとの適正な在庫量の算出と、FULL KAITENの未来指標(売上貢献度、完売予測日、消化予測日)を踏まえた消化の予測を期待していました。今までは、既にある結果に対して、後追いで分析をしていたという課題もありました。

そこに対して、御社のカスタマーサクセス・森田様と矢田様のサポートや、機能のアップデートによって私が当初に実施したかった分析に近づいていると思います。

直近では、商品グループを掛け合わせて分析ができる在庫配分条件の機能を活用しており、その店舗の適正在庫を算出できそうだと感じています。

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――FULL KAITENを使って佐々木様やメンバーが助かったことがあれば教えてください

佐々木 一番助かったのは、新任のディストリビューターなど在庫調整に不慣れなメンバーでも短時間で移動指示書まで作成することができている点です。 弊社はアウトレット店舗が26店舗あり、以前は月に一度10品番ほどの移動指示書を3時間ほどかけて作成していました。それが今なら、全品番を対象にした移動指示書の作成が1時間以内で完了するので以前より頻度も上がりできることが増えました。

――FULL KAITENを一週間の中でどのように使用しているか教えてください

佐々木 基本的には一週間に1時間ほど使用しています。FULL KAITENを使う業務が決まってきているので、ルーティーン化しています。

月曜日:先週の振り返りをして課題を抽出。その後、チームでミーティングをして今週実施する施策の優先順位を考える。

週の後半:月曜日に決めた施策を実行。

月曜日の振り返りはExcelの帳票を見ますが、FULL KAITENで登録したマークダウンや在庫調整の施策を振り返る際は、FULL KAITENの「施策管理機能」に登録した結果を確認しています。

――FULL KAITENを習慣化出来る人と出来ない人の差は何だと思いますか?

佐々木 個人的には、『新しいことに対して興味があるかないか』という部分が大きい気がしていますね。少し話が逸れるかもしれないのですが、ある企業の営業部が、AIが営業の電話をすべき見込みのお客様を抽出するサービスを導入したそうです。以下の3グループに分かれたと記憶しています。

A:サービスを使わずに、今まで通りの方法で電話をしたグループ
B:サービスを使いつつ、人間の強みである人間関係の構築に比重を置いて電話したグループ
C:サービスを積極的に使って電話したグループ

結果、サービスを全く使わなかったAチームの人材は退職したそうです。

斉藤 サービスを活用すると今までになかった気付きがあり、自身やチームの成長を感じて人材の定着にも繋がったかもしれませんね。森田さんは多くのお客様のご支援をしていると思いますが、FULL KAITENを習慣にできる方はどんな特徴がありますか?

森田 佐々木様が仰るように、新しいことに抵抗がない方は習得や習慣化が早いです。あとはとにかくFULL KAITENを操作する方です。操作する中で自分なりに解釈して、 「ここは実務に活用できそうだな。」という示唆も生まれると思います。

写真左奥から時計回りに、佐々木様、森田、斉藤(筆者)

――「これはイチオシ」「細かいことだけど便利」というオリジナルの使い方はありますか

佐々木 オリジナルかは分かりませんが、FULL KAITENで分析したデータをCSV形式で出力すると、一週間あたりの様々な予測数が出てきます。それを参考にして在庫を何週間分残すかと、回収するかの判断に活用しています。

「この在庫を引き下げよう。」と決めても一気に全てを戻すわけではなく、どこまで残すかは難儀な話でもあります。そこの判断をFULL KAITENはAIならではの分析で算出できるので、役立っています。

あとは、森田様からおすすめして頂いた、商品グループに販売開始週が入っていることで商品の販売開始から順を追ってモニタリングができるため、販売開始してからの商品の売れ方を把握できます。

FULL KAITENによる定性成果と定量成果

――FULL KAITENが本格稼働してからどんな成果が出ていますか

佐々木 FULL KAITENを導入してから、定性成果や定量成果も創出できています。具体的には、以下のような成果が出ております。

【定性成果】

・10品番ほどの在庫移動業務に3時間ほどかかっていたが、1時間以内に90品番ほど毎週見ることができるようになった。

・ディストリビューターの業務や効果検証がブラックボックス化しやすいが、FULL KAITENを活用すると再現性を高め誰でも使いやすく、チーム内のコミュニケーションコストも下がっている。

【定量成果】

・2023年5月に実施したキャンペーンでは、期間中に在庫移動で売上が10%UPした。

・在庫高が前年比で70%(当期品85%、キャリー品60%)で推移しており、在庫圧縮に寄与していると感じる。

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――在庫移動の効果検証はどのように行っていますか

佐々木 在庫移動の結果をどう解釈するかは、毎回難しいと感じています。在庫を移動している間は売上が立たないですし、いつから結果を集計すべきかや何を基準に評価するかも悩ましい部分です。

森田 今回実施したキャンペーンよりも少し前から集計期間を設定し、在庫移動した商品がどれだけ売上を作ったかを検証しました。

「期間の販売点数」ー「移動前在庫数」=創出販売点数として集計し、これによりどれだけ売上を生み出したか算出しました。

弊社でも在庫移動の効果検証フォーマットを用意しており、それに基づいて振り返りをすると定量成果も明確に見えると考えております。

――もし今FULL KAITENが無くなったらどうなると思いますか

佐々木 もうそれこそ、在庫調整できなくなっているかもしれないです。元の方法に戻るのは本当に厳しいと思います。余談ですが、同じチームのディストリビューターが、イレギュラーなディストリビュート業務で、手作業で移動指示書の作成をした際、「相当大変でした!」と言っていました。元の業務に戻るとなると、私も明らかに業務負荷が高まり移動の頻度も落ちると思います。

――FULL KAITENを活用して現在挑戦している事や今後挑戦したいことはありますか

佐々木 今までは店舗単位の在庫日数の設定をしていましたが、在庫配分条件によって商品グループを掛け合わせて、かなり細かく設定できるようになりました。これを活用して、より詳細な在庫調整や在庫の適正量を図る取り組みも、最近始めました。

森田 在庫配分条件の設定は大変でしたか?

佐々木 いえ、森田様が提案してくださった設定をアレンジしたので、容易にできました。

FULL KAITENへのご要望

――FULL KAITENへのご要望(機能、支援)はありますか

佐々木 2年以上キャリーしている商品は、店舗によって出荷する数量の制限などが直近1年間の消化率の推移になります。それが、今と違った見方や総消化率なども見られるようになったらよいと思います。

あとは、在庫日数などを設定すると反映は即時ではないので、それがぱっと見られたら嬉しいです。特に、実施する施策に対して試行錯誤をしている際は「この設定ならどうなるかな?」というのを見ながら決めたいです。

森田 ご要望ありがとうございます。今後の開発に向け、前向きに検討して参ります。

――サポートチームでお役に立てている点はありますか

佐々木 森田様は2023年の2月からディストリビューターチームに、FULL KAITENのレクチャーをしてくださり、2か月ほどで自走することができました。それ以前は、貴社の島田様や矢田様にも手厚く支援して頂きました。

弊社の上長とは「フルカイテンの皆さんは、いつも前向きですよね。」ということをよく話します。弊社との会議で生まれた宿題に対しても前向きです。簡単に解決できない宿題もあると思うので、そういう際に「面倒だし嫌だな。」と思う方もいると思います。ですが、そういう感じがせず、「これは課題ですね!来週までにやってきます。」と仰るのがすごいです。

こんなに我々を見て動いてくださる方々は中々いないと思います。

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取材後記

今回は久しぶりに対面での取材でした。ナノ・ユニバース様のオフィスに到着すると、佐々木様が「こんにちは!こういうインタビューは初めてなので、緊張しています。」と温かく挨拶してくださり、こちらの緊張もほぐれました。

インタビューの最後に佐々木様が、「個人的には森田さんとフィーリングが合うなって思っています!」と仰り、お話ししていると佐々木様と森田は同い年であることが判明しました!

そこからは佐々木様が森田に「なぜフルカイテンに入社したのですか?」とまさかの逆インタビューになり、笑いが絶えませんでした。

こんなに間近でお客様の笑顔を見ると、「FULL KAITENを通じて、お客様をもっと笑顔にしたい。」と強く思ったインタビューでした。

今後も弊社一丸となり、お客様の成果に最大限貢献してまいります。

左から、弊社マーケティング担当岡崎、佐々木様、森田、斉藤(筆者)。取材の最後に記念撮影。