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開発ストーリー

在庫問題に頭を抱える瀬川 倒産したくない!

在庫実行管理(IEM)を実践するためのツールが
FULL KAITEN というプロダクトです。
FULL KAITEN 誕生の裏には、自社の小売事業で
3度も経験した倒産危機からの復活という
ドラマがありました。

2012年5月創業
ハモンズ株式会社

BtoCのEC事業を行う会社として夫婦でスタート。事務所は自宅の2階でした。
ベビー服ECに参入
2014年2月

数カ月でFacebookのファンが5万人を突破し、広告費をほぼかけずに売上が急成長しました。
1回目の倒産危機
どの商品が不良在庫?

売上は急成長していましたが、倉庫(当時は自宅でした)に在庫は山積みで、3ヶ月後に倒産しそうな資金繰りでした。

「不良在庫を削減しなければならない。」
そう思いましたが、どの商品が不良在庫なのかが分かりませんでした。
消化率向上機能の誕生
「不良在庫とはいったいどういう定義なのか・・・」
一日も早く在庫をお金に変えなければ倒産するという状況の中、不良在庫として削減すべき商品をどう判定するかを考えました。

当時は、倉庫に1ヶ月間滞留している商品を売れ残り商品と判定していました。
しかし実際に倉庫を見ていると違和感があったのです。

在庫数が多くてもコンスタントに売れている商品は不良在庫ではないはず。
逆に在庫数が少なくても全く売れていない商品は不良在庫であるはず。

そういう観点から考えを巡らせた結果、倉庫に何日滞留しているかは在庫の良し悪しに無関係だと気付きました。

そして、分かってしまえば当たり前なのですが、在庫は「よく売れる商品」「全く売れない商品(不良在庫)」の2種類だけではなく、「そこそこ売れる商品」があることに気付いたのです。
そこそこ売れる商品は、販促が手薄なだけの隠れた人気商品です。これらの販促をすれば売上が増えて在庫が減るのです。

消化率向上機能は、この気付きがきっかけで生まれました。
消化率向上機能のおかげで、在庫が増えてもどの商品が削減すべき不良在庫なのかが分かり、なおかつ販促すべき隠れた人気商品を見つけられるようになりました。

そこで、この在庫消化力を武器に、仕入れを強化して在庫を増やし欠品を減らして売上増加を狙うことにしました。
2回目の倒産危機
固定発注点の盲点

狙い通りに売上が増え在庫削減も順調でしたが、仕入れ数量の多さが原因で支払い余力がなくなり、今度は2ヶ月後に資金がショートするという状況に陥りました。

2回目の倒産危機で社内の士気は落ち、雰囲気も悪くなり退職する人も出てきました。

まさに絶体絶命でした。

しかし諦めずに、なぜ仕入れ数量を間違えるのかを考え続けました。

ヒントは簡単に見つかりました。
回転率向上機能の誕生
取扱商品数が非常に多かったこともあり、当時は発注点を決めて仕入れをしていました。

発注点というのは、ある商品の在庫が何個になったら追加で何個仕入れるというルールを予め決めて仕入れる方法です。欠品を防ぐのが主な目的です。

当時はこのルールに仕入れ担当の経験と勘を加味し、最終的な仕入れ数量を決めていました。 これが間違いの原因だということは、倒産危機に瀕した後すぐに分かりました。

例えばある商品の発注点を5に決めて、在庫が5個になったら追加で10個仕入れることをルールにしているとします。

このルールは発注点が固定されていますので、その商品が一定のペースで売れ続けることが前提になります。

しかし実際にはどんな商品にも売れ方に波があります。その波を無視しているので仕入れ数量が結果的に間違いになるわけです。


さらに、全ての商品が等しく売上に貢献しているのではなく、貢献度が低い商品は無理に発注する必要はないことにも気付きました。

この気付きに着想を得て、追加補充すべき商品を見分けるとともに、発注点を変動させることで仕入れを最適化する方法を考えました。
仕入れ量が最適だと、必要最小限の在庫で売上を増やすことができます。
これが回転率向上機能の誕生につながりました。

在庫削減も仕入れ最適化もできるようになったので、これでもう安心して小売事業を運営できると思いました。
実際、年間の在庫回転数は17回転を超えるまでになりました。

そして次は、販売数量を増やして売上増加を狙うことにしました。
3回目の倒産危機
数が売れても現金残らず

販売数量を増やすため、サイトの導線やクリック率の改善、クーポンの配布など、販売数を増やすための施策に集中しました。
しかし思うほど販売数も売上も増えませんでした。

むしろ販売数欲しさのクーポンや送料無料施策のせいで利益は急落し、資金が5ヶ月後にショートするような状況でした。

導線やクリック率の改善は、どこかが改善しても別のどこかが悪化することが多く、トータルで見ると大きな改善効果には繋がりませんでした。

分析ツール、接客ツールなど、様々なツールも試しましたが、どこかが改善すれば別のどこかが悪化するため、部分最適な改善にしかならないのは同じでした。

このため、受注率を直接的に改善する必要に迫られ、クーポンの配布や送料無料施策が多くなったのです。

もちろんクーポンも送料無料もセグメントを絞り、やみくもに実行したわけではありません。 それでも値引きであることに変わりはなく、販売数量は1.2倍になったものの客単価が急落したため売上は増えず、利益は急落して赤字に転落してしまったのです。

そこでクーポンや送料無料施策を控えました。
ところが、客層が入れ替わってしまって安物買いのお客様ばかりになっていたため、売上も利益もなかなか回復しませんでした。
単価向上機能の誕生
そこで、思い切ってクーポンも送料無料施策も完全に止め、導線やクリック率の改善も完全に止めました。

しかし、なんと面白いことに売上も利益も下落しませんでした。

この時に売上増加の本質は他のところにあるのではないかと思い、過去の全ての販売データを様々な切り口でグラフ化しました。
そして売上増加の本質にたどり着きました。

売上増加の本質は、販売数を増やすのに大きな広告費を使ったりクーポンや値引きに販促費を使ったりすることではなく、客単価はシステマチックに上げることができるという事実にあったのです。
これに気付いたことが、単価向上機能の開発に成功した理由です。

在庫がある商品の中から、客単価の向上に貢献する商品を見つけて販促を行えば、販売数は同じでも売上と利益は増えるのです。
FULL KAITEN 販売開始
2017年11月

開発した機能はすべて自社の小売事業で試し、改善を繰り返しました。

「これなら世界中の小売企業を助けられる。」
その確信が持てたので、2017年11月にFULL KAITENの販売を開始しました。

販売開始直後は社員が3名でした。
そして1ヶ月半で7件も契約が決まりました。
人手が足りないので営業をストップしたこともあります。
フルカイテン株式会社へ
2018年9月

私たちは2018年9月、愛着ある小売事業を売却しました。
FULL KAITENへのお客様からの期待が非常に高く、片手間にできることではないと悟ったからです。

社名もフルカイテン株式会社に変更し、退路を絶ってFULL KAITEN一本で勝負することにしました。

私が3回もの倒産危機から得た知見は、
  • 「今ある在庫」の中には、隠れた人気商品がある
  • 「今ある在庫」の中には、客単価を向上させてくれる商品がある
  • 「今ある在庫」を見れば、何をどれだけ追加補充すべきかわかる
ということです。

私はこれらの知見を在庫実行管理(IEM : Inventory Execution Management)という理論体系にまとめました。
そして、IEMを実践するためのツールとして開発したものがFULL KAITENになります。

FULL KAITENの提供価値を一言で要約すると次のようになります。

「今ある在庫」を使って売上増加を実現でき、結果として在庫削減をも実現できる

在庫ビジネスの本質はどんな業種業態でも変わりません。
売上が増えても在庫がたくさん売れ残って困っているという企業の皆様、ぜひ一度ご相談下さい。

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勝ち抜く粗利経営