在庫ロスとは？計算方法から3つの削減方法を徹底解説
利益を向上するためには、過剰在庫などにより発生する在庫ロスを削減していくことが重要です。しかし、数万SKUを取り扱っていたり人の手による管理を行っている場合は、対策が万全ではない企業も多いのではないでしょうか？
本記事では、在庫ロスの基礎から計算方法、削減していくための3つの方法を解説します。
在庫ロスとは
在庫ロスとは、過剰在庫や欠品により発生する損失を指します。
例えばお客様が欲しかった商品の在庫が店舗になかった場合、本来得られたはずの利益を失ってしまうことになります。また、賞味期限のある商品は値引きや廃棄が多くなりやすいため、在庫が過剰にならないように注意する必要があります。
在庫ロスが多くなることで最終利益の毀損に繋がるため、在庫管理の改善など対策が必要です。
在庫ロスの種類
機会ロス
機会ロスとは、販売機会を失ってしまい利益を得られないことです。
一般的には店舗での欠品を想起することが多いですが、下記6種類の機会ロスが存在します。
- 値引き
- 客単価ロス
- 売れ残り
- 店舗在庫の欠品
- 倉庫在庫の欠品
- 旬の見逃し
機会ロスが頻繁に発生してしまうと、利益毀損だけではなくお客様からの信頼も失ってしまうことになります。そのため、在庫管理の徹底や在庫状況に応じた値引率の変更、効果的な販売施策などの対策が必要になります。
棚卸ロス
棚卸ロスとは、帳簿上の在庫数と実際の在庫数が合わないことで発生する損失のことです。入出荷時の検品や返品対応での数量把握ミスやデータ入力時のミスなど、人的要因で発生することが多いです。
そのため、業務フローの整備や担当者への教育を徹底することが重要になります。
廃棄ロス
廃棄ロスとは、消費期限など商品の品質保持期間が超過し、値引きや廃棄となったことで発生する損失を指します。
廃棄をすることで、新たなコストが発生するだけではなく、仕入れ時や保管にかかったコストが無駄になってしまいます。そのため、在庫が適正になるよう管理をしていくことが重要です。
在庫ロスの計算方法
在庫ロスを求めるためには、売上高に対するロス金額の割合（ロス率）を計算します。計算式は以下の通りです。
ロス金額＝（ロス個数）×（販売金額）＋（値引き個数）×（値引き金額）
在庫ロス率（％）＝ロス金額÷売上高×100％
例えば、原価900円の商品100個を販売価格3,000円で60個、1,000円値引きした2,000円で30個販売し、10個ロスが発生した例で考えてみましょう。
ロス金額＝（10×3,000）＋（30×2,000）＝90,000
売上高＝（60×3,000）＋（30×2,000）＝240,000
ロス率＝90,000÷240,000×100%=37.5%
このロス率が高くなるほど、在庫数が適正ではなかったと捉えることができます。
在庫ロスを削減する3つの方法
人為的なミスを防ぐ
在庫ロスを削減するためには、人為的なミスが発生しないようにすることが第一です。入出荷時の検品や返品、データ入力時といった人の手が入る状況では、ヒューマンエラーが発生しやすい状況にあります。
このような人為的なミスが発生しないようにするためには、上述した通り、業務フローの整備や担当者への教育を徹底することが重要です。
また、商品の盗難や不正を抑制するために、店舗や倉庫内への監視カメラの設置や採用時に誓約書を作成するなどの対策をすることも必要です。
在庫をリアルタイムに見える化する
在庫ロスは過剰在庫や欠品により発生するため、常に適正在庫を維持することが非常に重要です。また在庫数は常に変動するため、リアルタイムの状況を見える化する必要があります。
これを実現するためには、在庫データや入出庫データ、返品の管理ができる在庫管理システムを導入しましょう。一言に在庫管理システムといっても、クラウド型やオンプレミス型、搭載されている機能がそれぞれ違うため、自社に合ったシステムを導入しましょう。
在庫管理システム導入時の選定ポイントを解説した記事はこちら＞
未来の在庫状況を予測し、適正在庫を維持する
リアルタイムの在庫状況を見える化できるようになった後は、過去データを基に在庫の売上動向を予測し、適正在庫を維持できるようにする必要があります。
在庫分析クラウド「FULL KAITEN」では、過去の在庫データや売上データを基に未来の在庫状況を予測します。これにより、欠品による販売機会ロスの抑制や在庫過多を抑制することが可能です。
また、在庫状況を「Best」「Better」「Good」「Bad」の4つに分類するため、在庫状況に応じた販促施策を誰でも簡単に立てることができます。
※完売予測日：在庫消化のスピードに関する予測値（各商品が何月何日に売り切れるかをAIで予測）
※売上貢献度：売上貢献の度合いに関する予測値（各商品の未来の売上への貢献度合いをAIで予測）
まとめ
- 在庫ロスとは、過剰在庫や欠品により発生する損失のこと
- 在庫ロスには、機会ロス、廃棄ロス、棚卸ロスの3種類ある
- 在庫ロスを防ぐためには、以下3点が重要
- 人為的ミスを防ぐ
- 在庫をリアルタイムに見える化する
- 未来の在庫状況を予測し、適正在庫を維持する
【お役立ち資料】在庫と利益を適正化するポイント解説
メルマガ登録受付中！
