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在庫配分の業務時間を7割削減した方法とは?|セミナーレポート

2023/7/11(火)に、オンラインセミナー「在庫配分の業務時間を7割削減した方法とは?」を開催いたしました。

当日ご参加いただきました皆様に、御礼申し上げます。

本記事では、お客様のDB業務を支援しているメンバーがセミナー内でお伝えした、AIの予測力と目的に応じた移動ロジックを組み合わせて、短時間で移動リストを作成する方法をご紹介します。

登壇者:矢田 陽平(フルカイテン株式会社カスタマーサクセス リーダー)

2011年に株式会社ファーストリテイリングに入社。ジーユー日本事業で店長やSVを経験した後に、海外(中国/台湾)で営業/教育責任者として、全店舗の統括、採用/育成プログラムやインシーズンの商売立案を担当。
その後、HR-Techスタートアップでカスタマーサクセスを経験しフルカイテンに入社。現在はカスタマーサクセスチームのリーダーとして多くの顧客支援に従事している。

登壇者:森田 浩介(フルカイテン株式会社カスタマーサクセス)

大手セレクトショップの店長として都心、地方と、規模の大小含め様々なマーケットの店舗運営を経験。新店舗、新ブランドの立ち上げプロジェクトにも参画。
その後スーパーバイザーも兼務し、複数店舗のマネジメントも担う。人材育成、店舗計画の立案、店舗運営と幅広く業務に携わる。
現在は、フルカイテン株式会社カスタマーサクセスチームに所属し、第一線で顧客支援を行う。

【お役立ち資料】在庫配分の精度を上げる徹底解説ガイドはこちら>

はじめに

矢田:今回開催しているウェビナーは大きく3部構成で開催しており、本日は第2部目になっております。
2週間前に開催した第1部では、在庫配分の考え方や業務全体のノウハウをお伝えしました。

第1部のセミナーでお伝えした内容はこちらの記事でまとめております>

本日は業務削減の方法から、FULL KAITENを使って実際に業務時間を削減した事例についてご紹介します。

在庫配分の理想と現実のギャップを把握する

矢田:まず、在庫配分で何を実現したいのかを理解しましょう。

在庫配分と一口に言っても在庫移動などの様々な業務がありますが、詰まる所は、在庫の平準化が目的になります。

同じ商品でも複数チャネルで販売をしていると、当然消化の進捗に違いが出てきます。

例えば上図上段では、30日後に売り切るという全社目標に対して、店舗Aは15日で売り切れるため在庫が不足していると捉えることができます。一方店舗Cでは売り切れるまでに60日かかるため、全社目標に対して30日分の在庫が余っている状態です。

そのため店舗Cで余っている在庫を店舗Aに移動させ、上図下段のように消化の足並みを綺麗に揃えることが、在庫配分で実現したいことになります。

上述の内容をもう少し言語化したものが次の図です。

在庫配分業務を通して在庫を平準化させることで、必然的にチャネルごとの機会損失や余剰在庫が抑制されるため、最終的に売上粗利の改善に繋げることができます。

そして、この売上粗利の改善を実現するにあたり、商品ライフサイクルという概念が非常に重要となります。

商品ライフサイクルとは、商品が販売開始してから終売に向かうまでのタイムラインを何段階かに分けて定義し、その最適なタイミングで最適な施策を実行するという概念です。

倉庫出荷や店舗間移動を実施する上では、商品ライフサイクルという概念に沿って最適なタイミングで実施することが、売上粗利の改善に必要になります。

在庫配分でよくある課題

矢田:では、多くの企業で在庫問題が発生するケースを確認してみましょう。

商品ライフサイクル上で機会損失が起きやすいのは、ピークインと呼ばれる商品が販売開始してからピークに向かって売上が伸びるタイミングです。

この売上の波が上がっていくタイミングを読み切れていないため、在庫が足りずに機会損失が発生しているケースが多くあります。

余剰在庫が発生しやすいのは、ピークが終わるタイミングです。上記とは反対に、売上の波が下がっていくタイミングを読み切れないため、アクションが遅れて期末まで在庫が余ってしまうケースが往々にしてあるのです。

そのため在庫配分においては、この2つのタイミングが重要になります。

【お役立ち資料】在庫配分の精度を上げる徹底解説ガイドはこちら>

弊社は多くの小売業様のご支援をさせて頂いておりますが、在庫配分においては大きく以下3点の課題を抱えられています。

  • 大量のSKU×店舗、かつ複数の配分目的を考慮した在庫配分は、人力では対応できない計算量
  • 店舗立地・月商・売場キャパシティ・配送ロットなど、考慮すべき移動ロジックが非常に多い、かつ複雑
  • 在庫移動指示に対する店舗からの質問や不満に対して、納得感のある説明ができない

本日は、上記の課題を1つずつ紐解きながら、お話しできればと思います。

また、これらの課題を解決するためのソリューションとして、FULL KAITEN〈在庫配分〉を提供しております。

FULL KAITEN〈在庫配分〉について詳しくはこちら>

上図は在庫配分における課題を細分化し、どんな要素があるかを記載したものになります。

在庫配分業務では、店舗×SKUの全てを対象に将来どれだけ売れるのかを予測し、在庫の過不足を算出しています。また移動先を考える際には、立地や店舗オペレーションといった様々な変数を考慮しなければ成果の出る移動はできません。

しかし、予測は業務負荷が高い一方で、精度高く行う必要があるため、上記のような課題が発生しているのです。

次からは、AIでどんな予測をしているのか?柔軟な移動ロジックとは何かをご紹介いたします。

AIによる販売予測

矢田:まずはAIでどんな販売予測を行っているのかをご説明します。

まず前提として、商売における全ての起点は売上計画であり、これは在庫配分業務においても同じことが言えます。そのためこの売上計画を外してしまうと、在庫を何点持つのか?その在庫を売り場に何点置くのか?の予測精度が全て悪くなってしまいます。

売上計画を精度高く作成するためには、先ほどもお話しした商品ライフサイクルのピークインとピーク後半部分の予測精度を上げることが非常に重要です。

FULL KAITEN〈在庫配分〉では、AIで全店舗×全SKUに対して販売予測のシミュレーションを実施します。これにより、今まで人力で計算していた数値を一瞬で計算することができ、精度の高い予測が可能になります。

AIで販売予測をする上では、各店舗や商品群ごとに何点在庫を持つかを予め設定いただきます。在庫を平準化させるための在庫数については、弊社のカスタマーサクセスも一緒に入らせていただきながら、定義をしております。

柔軟な移動ロジック

森田:私からは、柔軟な移動ロジックについてお話しさせて頂きます。

皆さんが移動先を選定する際は、以下のような変数を考慮されているかと思います。

  • 余剰不足在庫数
    • 店舗・SKU別でいつまでに、どれだけの在庫が必要なのかを予測し、余剰・不足在庫数を算出
  • 立地
    • 物流費を考慮し、どの範囲内で在庫移動させるのか
  • 月商売場面積
    • 売場作りや品揃えを考慮し、どの店舗から何点移動させるか
  • 作業量売場作成
    • 伝票や売場作成の作業負荷をなるべく極小化

上記のような変数を全て考慮して移動先を決めるのは非常に大変だと思いますが、FULL KAITEN〈在庫配分〉では、変数の考慮も行った上で移動指示書の作成が可能になっています。

上図はあくまでも一例ですが、立地を考慮する上では、全国レベルや関東エリア、近隣エリア内など、配送料を考慮した移動が可能になっています。

また、例えば東京店で20点在庫が不足していると予測が出た時に、月商の高さに優劣をつけて移動元と移動先を決めることも可能です。

さらに、セール終了間際に欠品している対象商品を、よく売れている店舗やECサイトに集約させたいとなった際の設定も簡単に行えます。

他にも、店舗の業務負荷を加味する上では移動先の上限を設定することもできます。例えば1つの店舗から10~15店舗に移動する場合、伝票や売場作りの業務負荷が高くなるため1店舗あたりの移動先を上限5店舗に設定しておくなども可能です。

逆に移動数の下限設定も対応可能になっています。1〜2点だけ移動してくださいと指示が出たとしてもコストが見合わない場合が多いため、少ない移動数の指示は行わないように設定することができます。

また、対象の品番全てを移動させることも可能です。例えば黒と白のTシャツがあった場合、白シャツのMサイズだけ残っていても売場展開的に困ると思います。売場作りの観点からバラ在庫がないように品番全てを送ることも可能です。

FULL KAITEN〈在庫配分〉機能概要

  • 倉庫出荷、店間移動、フォロー出荷+店間移動、移動不可の中から、どんな移動をするべきか、品番ごとに可視化
  • 品番ごとに在庫週数のばらつき具合や移動可能数、消化率などを画面に一覧表示し、今移動させた方が良い商品がすぐに分かる
  • 事前に設定した移動ロジックに合わせた移動指示書がクリックのみで作成可能

FULL KAITEN〈在庫配分〉について詳しくはこちら>

このように、AIによる販売予測と移動ロジックの設定が柔軟に行えることにより、大幅な業務時間の削減が可能になります。

実際、私が支援を担当しているお客様で、2023年3月に新しく店舗のディストリビューターに着任した方がいらっしゃいました。

その方は在庫配分業務の経験もなく、Excelもあまり触れる機会がないという状態だったのですが、FULL KAITEN〈在庫配分〉を使うことで、ベテランの方がどのように在庫配分業務を行っているかがすぐに分かるため、2ヶ月で業務定着することができたという事例もございます。

どの商品をいつ移動するかの業務設計が重要

森田:在庫配分業務を行う上では、どのように在庫配分を行うかの業務設計が重要になります。

在庫移動で売上向上や在庫消化を進めるために一番大事なことは、どの商品をどのタイミングで移動するかになります。

これは先ほど矢田からお伝えした内容と重複しますが、在庫消化を進めるためにはピークインのタイミングで在庫を投入する必要があり、ピークアウトのタイミングでは余剰在庫が発生しないように注意する必要があります。

このタイミングを把握するためには、在庫配分業務の担当者がMDカレンダーや販売計画をしっかり理解することも重要ですが、そこまで把握できている方は少ないのが現状です。

また移動をするタイミングは、商品ごとにも変わってきます。半袖Tシャツのピークとワンピースのピークは違うタイミングでやってきますので、どの商品をいつ移動するかの業務設計を予め実施することが必要です。

さらにタイミングが固まったあとは、どの商品をどのような移動ロジックで選定するかのルール化も必要になります。

そして会社として属人化を防ぐためには、新人の方でもできるようなレベルまでルールを落とし込むことが重要です。

弊社のご支援では、商品ライフサイクルを考慮した移動を誰でもできるようにするために、DBカレンダーを作成して業務定着のお手伝いもさせて頂いております。

Q&A

Q1.天候を加味した予測は可能ですか?

矢田:AIの特性上、突発的な天候やイベントは読み切れないという弱点があるため、天候を加味した予測は対応しておりません。

Q2.販売予測のロジックを教えてください。

矢田:過去数年間の実績からその商品が持つ販売トレンドの波と、直近でどのように売れたかの2つを加味して予測を行っております。

Q3.複数ある移動ロジックの中で、最も考慮するべきことは何でしょうか。

森田:これは、どの店舗に移動させるかを考慮するべきです。

在庫移動といっても、在庫のばらつきを平準化させる場合や集約する場合など、様々な目的があります。この目的によって、移動範囲や移動先が変わるため、どの店舗に移動させるかを考慮するべきだと考えております。

Q4.FULL KAITENを使った場合、新人の担当者がベテランの方と同じレベルで業務ができるようになるまでに、どれくらいの時間を要しますか?

森田:平均2〜3ヶ月程度だと考えております。FULL KAITENの操作方法を学んだあと、実際にFULL KAITENで業務を行っていただき、定着するという流れになっています。

また定着後も、実施した結果がどうだったのかの効果検証を行いブラッシュアップすることが重要になりますので、その部分も弊社ではご支援しております。

まとめ

  • 在庫配分の目的は、在庫を平準化させること
  • 在庫配分で成果をあげるためには、商品ライフサイクルのピークインとピークアウトのタイミングが重要
  • FULL KAITEN〈在庫配分〉では、AIによる販売予測と柔軟な移動ロジックの二つを掛け合わせた”使える”移動指示書の作成が可能

【お役立ち資料】在庫コントロールの精度を上げる徹底解説ガイド

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