フルカイテンとプレイド、システム連携による小売向けソリューション正式リリース
フルカイテン株式会社は、CX(顧客体験)プラットフォーム『KARTE』を提供する株式会社プレイドと共同で小売事業者の在庫課題を解決する連携サービスを開始しました。FULL KAITEとKARTEがそれぞれ持つデータを組み合わせることで、優先的に在庫消化すべき商品を、その商品に興味がある消費者へピンポイントで提案することが可能になります。大手アパレル企業にて実証実験(PoC)を行った結果、売上や粗利益の増加と客単価の向上という具体的な成果が得られたことから、正式にサービスの提供を開始することになりました。
小売の経営改善を具体的に支援
FULL KAITENは小売企業等の在庫を効率よく利益に変えるための各種機能を提供しているクラウドシステムです。利用企業はFULL KAITENを活用することで、ECと店舗、倉庫にある全ての在庫の商品力を可視化できます。その結果、プロパー消化率の向上や客単価の向上、欠品による機会損失の抑制を通じて売上と粗利益、キャッシュフローを最大化できます。
プレイドのKARTEは、小売企業等のECサイトやアプリを利用する顧客(消費者)の行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、個々の顧客に合わせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCX(顧客体験)プラットフォームです。2015年3月にサービスを開始しました。高い拡張性を備えており、オンサイトに限らず様々なシーンでマーケティング課題やニーズに合わせた活用が可能です。
今回の連携サービスは、FULL KAITENとKARTEとの間でデータの相互連携を行い、両者の強みを組み合わせたものになります。
FULL KAITENは在庫データや売上データを集計・分析することで、販促を強化すれば値引きせずに売れる「隠れた売れ筋商品」や客単価を向上させる商品などを抽出します。一方のKARTEは、顧客行動データを人軸でリアルタイムに解析することで、ECサイトを訪問した消費者の興味関心や購入意欲を詳細かつ簡便に見える化します。
この結果、連携サービスを利用する小売事業者は、隠れた売れ筋商品や客単価向上に貢献する商品を、その商品に興味を持つ消費者に対してパーソナナイズした提案(販促)を行うことができるようになります。
※特設サイト:https://ecosystem.plaid.co.jp/solutions/zaikokaiten/
PoCで売上19%増、粗利率は15%改善
連携サービスをめぐっては、弊社とプレイドは本年2月から、株式会社アーバンリサーチ様において協同実証実験(PoC)を実施してきました。
※PoC開始のプレスリリース(https://full-kaiten.com/news/releases/4536)
■STEP1
FULL KAITENを活用してアーバンリサーチの在庫を分析し、「隠れた売れ筋商品」を可視化
■STEP2
アーバンリサーチ様のECサイトにおいてKARTEを活用し、FULL KAITENによって絞り込まれた「隠れた売れ筋商品」を最適な顧客へ提案する独自のリコメンドエンドエンジンを展開
アーバンリサーチ様がKARTEを用いて普段実施しているレコメンド施策と、今回のPoCの結果とを比較したところ、以下の効果が確認されました(調査期間:2022年6月30日〜8月10日)。
- 購入金額(売上高):119%
- 粗利率 :115%
- CVR(購入率) :131%
- 平均来訪単価 :160%
この成果をECサイト全体に適用すると、月額で5300万円の在庫削減効果があると推計できました(※1)。
※1 PoCの結果とその時点でのアーバンリサーチ様の在庫高の積
実施企業コメント:持続可能な事業展開に貢献大
アーバンリサーチ執行役員デジタル事業本部デジタル営業部長の齊藤悟様より、次のとおりコメントをいただきました。
当社にとって在庫問題は深刻な経営課題でした。値下げで在庫を解消するのではなく、プロパー価格でのご購入を促すことで粗利を改善するとともに、お客様との継続的な関係づくりによるLTV(顧客生涯価値)向上を図ることで、事業成長を推進する必要があったのです。
今回のPoCを通じて、在庫分析データで「隠れた売れ筋商品」を可視化するFULL KAITENと、リアルタイムかつ解像度高い顧客データ解析を可能にするKARTEによって、これまで光の当たりにくかった商品も、それを買いたいと思うお客様やLTVが高いお客様にお届けすることができるようになりました。
粗利率の改善だけでなく、環境負荷低減への配慮も弊社の、ひいては業界の課題といえます。KARTEとFULL KAITENの連携ソリューションは、在庫ロス削減による持続可能な事業展開にも貢献するものです。