事例インタビュー

驚異の客単価1,900円アップ!売上前年比120%を達成した店舗データ活用の全貌

株式会社ムラサキスポーツ

スポーツ用品・カジュアルウェア・シューズ

小売
実店舗
EC

課題

  • 人手不足で限られたスタッフが接客、品出し、一般業務に追われ、データ分析まで手が回らない
  • データ分析の活用度や分析力に大きな個人差があり、成果にもバラツキがある

解決策

  • 店舗スタッフがタブレット端末でFULL KAITEN〈ストアエージェント〉を活用し、データ活用による接客と売り場改善を実施

定量成果

  • 売上前年比120%を達成。分析スピード向上、質の均一化、今週のアクションが明確になり、接客時間が増えたことで、スタッフが接客した顧客の客単価は前年比+¥1,900増。一方、接客なしの客単価増は+¥400に留まった。
  • 総労働時間が2か月で約170時間減(フルタイムのスタッフ1人分)。ストアエージェントと売場を照らし合わせながら確認し、課題抽出までのスピードが上がり効率化。店舗での振り返り業務の8割が完結。
  • 一人当たりの1時間の売上高前年比126%を達成。分析の質が均一化し、接客に充てられる時間が増加。

1973年に設立し、スケートボードやローラースケート、サーフィン、スノーボードといったアクションスポーツ用品の販売を通して、アクションスポーツの普及にも貢献している株式会社ムラサキスポーツ様。スポーツ文化の発信基地でもある実店舗は150店を展開(2025年3月時点)し、複数のECサイトも運営しています。

現在小売業界では、店舗スタッフの採用・育成が難しくなるなか、限られた人数で成果を出すことが課題となっています。

同社も店舗のデータ活用に取り組んできましたが、忙しい販売現場ではデータ分析の時間が不足しており、スキルの個人差も大きいといった課題がありました。そこで、FULL KAITEN〈ストアエージェント〉を活用し店舗スタッフがデータを基に接客・売り場改善を実行する取り組みを行い、以下のような成果を創出しました。

  • 売上前年比:120%
    • 客数・客単価がともに上昇。スタッフが接客した顧客の客単価は前年比+¥1,900と大幅増
  • 総労働時間 2カ月で170時間減※フルタイムのスタッフ1人分
    • 事務所での分析時間が大幅に減少
  • 一人当たりの1時間の売上高 前年比126%
    • 分析の質が均一化し、接客に充てられる時間が増加

今回は、同社サポートサービス部で全社課題の改善に取り組む髙木様と、実際に店舗でFULL KAITEN〈ストアエージェント〉を活用したイオンモール岡山店店長の藤本様に、抱えていた課題や、具体的な取り組み、成果に繋がったポイントも伺いました。

※本稿は2026年6月17日に開催したセミナーの内容を再構成したものです

左:株式会社ムラサキスポーツ サポートサービス部 ゼネラルマネージャー 髙木 康年氏
右:株式会社ムラサキスポーツ 営業統括本部 第1リテールサービス部 第1事業部
岡山・島根グループマネージャー 兼 イオンモール岡山店店長 藤本 啓太氏

データはあるが時間がない。少数精鋭の現場で”定着しない”を生んだ3つの壁

――どのような課題を抱えていましたか

髙木様 以前から基幹システムや本部向けのFULL KAITEN機能を使用しておりましたが、日々忙しい店舗では定着しづらいという課題がありました。

背景として、店舗はお客様の対応が優先のためデータを分析する時間が不足しており、スタッフによって分析スキルの個人差がどうしてもありました。

防犯上の観点でも、バックヤードで長時間にわたって数字の分析業務をするのは小売業としてあまり現実的ではありません。

昨今の市況から考えても、少数精鋭で店舗を回す必要があり、データ分析に手が回らず、接客や売り場づくりにも自信が持てない中で模索していましたが、手ごたえを得られなかった要因は3つありました。

1つ目は、「時間が無い」です。

少数精鋭で店舗運営をしていかなくてはいけない中で、接客、品出し、一般業務に追われ、データ分析をする時間を十分に取れなかったり、どうしても後回しになってしまったりしていました。

2つ目は「属人化」です。

データを分析するにしても、スキルは個人差が大きく、担当者の経験や勘(感覚)に依存をしていました。その結果、誰でもできる仕事になっておらず、再現性も生まれませんでした。

3つ目は「文化、組織」です。

会社の文化や組織体制の話になりますが、データを活用しようという意識は人によってさまざまです。データを見る人・見ない人で判断の質にばらつきが生じ、成果が個人の経験と勘に左右されるという課題もありました。

この3つの要因があり、店舗のデータ活用がなかなか進まない状況でした。

売上前年比120%、接客した顧客の客単価は+¥1,900。売り場に立つ時間が生んだ成果

――イオンモール岡山店での、店舗のデータ活用の取り組みについて教えてください

藤本様 岡山店では、スタッフが主体性を持ち担当セクションでPDCAを回すという目標のもと、FULL KAITEN〈ストアエージェント〉を活用し、データを元にした売場改善や接客を実行しました。

具体的には、朝礼や前週振り返りのタイミング、日々の業務中にタブレットでデータを確認して接客と売り場強化に活用しました。スタッフ全員で取り組んだ結果、以下のような成果を生み出すことができました。

  • 売上前年比 120%
    • 客数・客単価がともに上昇。客単価が同期間の前年比で約1,000円増。その中でも、スタッフが接客した顧客の客単価は前年比+¥1,900と大幅増。一方、接客なしの客単価増は+¥400に留まった。分析スピード向上、質の均一化、今週のアクションが明確になり、接客時間が増えたことが要因
  • 総労働時間 2カ月で170時間減※フルタイムのスタッフ1人分
    • 事務所での分析時間が大幅に減少。ストアエージェントと売場を照らし合わせながら確認することで、課題抽出までのスピードが上がり効率化につながった
  • 一人当たりの1時間の売上高 前年比126%
    • 分析の質が均一化し、接客に充てられる時間が増加

※数値は全て2026年4月~5月の前年比

ここ最近、ほとんどのセクションで毎週火曜日までには先週の振り返りと課題抽出が完了し、改善のアクションを素早く行えるようになりました。加えて、今週のアクションもストアエージェントを通じて明確になったので、接客する時間が増えました。

なおかつ総労働時間を170時間も減らせましたが、削減後の時間数でも店舗運営に支障は全くありませんでした。売り場の状態と実績を照らし合わせながら検証できるのがFULL KAITEN〈ストアエージェント〉のメリットだと感じています。

店舗にて、スタッフがタブレットを操作して店舗の販売状況を分析し、接客・売り場改善に活かしている様子

――店舗のデータ活用が進んだポイントは何でしたか?
藤本様 3つありますので、順にお話しします。

1つ目は、「分析不要ですぐに使える」です。
以前から使用しているデータ集計ツールは、会社全体の業績から顧客別の実績まで幅広く分析可能なのが利点です。しかしデータ項目が非常に細かく、操作も複雑なため、分析の質に大きな個人差があり、使うのを諦めるスタッフも少なくありませんでした。

FULL KAITEN〈ストアエージェント〉導入後は、現場が欲しいデータのみがタブレットで表示されるので、スタッフの反応がすごくポジティブでした。操作も直感的で分析に費やすスピードも速くなり、一日の行動が計画的になりました。

あとは、全員が同じ画面を簡単に見ることができるので、スタッフ間で大きくばらつきのあった分析の精度と頻度が均一になりました。

使用方法のレクチャーも簡単なので、浸透スピードが早かったです。

実際にどのような画面を見て分析しているのかご紹介します。
以下は、ログインすると最初に表示される画面のイメージです。

1番上の実績サマリーでは、主に前日、前週、当週の売上実績や客数もチェックし、毎朝の朝礼で共有しています。この表示の中で、各項目の伸長や減少の全体感を把握して、より具体的な改善策を抽出する作業のきっかけとしています。

真ん中の項目では、AI による前日のサマリーとして、実績サマリーの自店の数値が比較対象の他店と比べて良い点、悪い点を分かりやすく表示してくれるので、全社や比較エリアとの対比もすぐに確認できます。

AIによるサマリー

画面を見るだけでは記憶に残りにくいため、独自の「52週ファイル」を印刷して各セクションに配布しています(下画像)。FULL KAITEN〈ストアエージェント〉で表示された実績に対して、今週行う予定のアクションと実際に行ったアクションを手書きできるようにしています。数値はストアエージェントを見ればすぐに記入できるので、下半分の方針と戦略の記載に重きを置いています。

実際の52週ファイル

FULL KAITEN〈ストアエージェント〉の一番下の「今週のアクション」は、例えば「Aという商品は全社では売れていますが、あなたの店では売れていないので、露出を強化してはどうですか?」のように具体的なアクションを表示してくれます。

弊社では1店舗で3万点近い商品を扱っており、その中でも埋もれている売れ筋などの気づきを一瞬で与えてくれる画面となっています。データに基づいて表示される今日のアクションは、スタッフが迷わず、行動に移せるきっかけとなっています。

ここからは、トップ画面の下部にあるメニューバーを押すと見られる分析画面をご紹介します。

トップ画面の下部にあるメニューバー。分析、TOP50、セット、メニューを押下することで様々な情報を見られる

店舗進捗率

メニューバーの「分析」を押すと見られる画面です。今月、前月、当週、前週の店舗内の部署別の売上推移や積み上げを確認できます。

店舗進捗率の画面

この中でも進捗の悪いカテゴリーは大分類から商品まで掘り下げて、売り場と照らし合わるなどして売り場オペレーション、レイアウトのどこに問題があるのかなど改善策を抽出しています。先ほどご紹介した独自作成の 52週ファイルと併用することで、以前はスタッフ間で差のあった検証作業の頻度が全担当者で継続して行えるようになりました。

TOP50(My店舗)

メニューバーの「TOP50」を押すと見られる画面です。直近で構成比の高い品種(現在でいうと半袖のTシャツや水着)のカテゴリーを絞って表示できます。

TOP50(My店舗)の画面

上記は自店舗のメンズTシャツの売上ランキングと比較対象のランキングです。この中で自店の売れ筋で在庫が少なくなってきた商品は補充量を増加させたり、逆に全社で売れ筋でも自店でランクインしていない商品は、一等地の店舗に移動させたりするなどのアクションを取っています。

TOP50(My店舗)を活用することで、歴の浅いスタッフでも、自店の売り筋がなくなりそうなタイミングで在庫のある次の売れ筋を実質的にフェイスアウトすることができるようになります。歴の長さを問わず、どのスタッフも即効性のあるアクションを取れるのは良い点です。

加えて、TOP50(My店舗)で、自店の方が比較対象店より売行きが良い場合は強みと捉えて強化を継続し、逆に比較対象の方が自店より売れ行きが良い商品は配置を見直すことで、すぐに売上に繋げることも可能です。

TOP50(比較対象)

比較対象と自店それぞれのトップ50の順位が分かります。

TOP50(比較対象)の画面

構成比の高いカテゴリーは全社ベースで比較し、逆に水着やアウターなど地域によって販売期間の長さに差があるものは近隣エリアとも比較していきます。

自店より比較対象店の方がランキングが上位の場合は、自店での配置変更で売上につながる可能性があるため、すぐ実行に移します。

併売情報

メニューバーの「セット」を押すと見られる画面です。直近30日間の併売情報です。こちらは部署ごとの大きな括り(例:メンズ、レディース、キッズなど)で検証しています。

併売情報の画面

自店の比較対象で売れている組み合わせをもとに、マネキンのコーディネートの参考や、同じ動線への配置も行い、客単価の上昇を狙うことができます。

非稼働在庫

メニューバーの「メニュー」を押すと見られる画面です。自店で直近90日以上非稼働且つ、比較対象店舗で直近14日の売上数が高いものが表示できます。

非稼働在庫の画面

自店では全く売れてないのに、比較対象店舗では売れているので、展開場所を見直すことで売上につながる商品です。トップ 50との兼ね合いも加味して、店間移動の実施につなげています。

習慣化を生んだ店長のコミュニケーション

藤本様 店舗のデータ活用が進んだポイント2つ目は、「データ確認の習慣化」です。

既存のデータ集計ツールは使い方をスタッフにレクチャーするのが大変で、レクチャーしてもほとんどのスタッフが使用するのをやめていたというのが実情でした。しかし、前段で画面を見ていただいた通り、FULL KAITEN〈ストエージェント〉では週や月の振り返りの欠かせない具体的な情報が多数記載されてる上に、操作が非常に簡単です。そのため、週頭の検証から修正点の抽出、改善までの行動スピードが一気に上がりました。

接客の時間が増えたことで、スタッフから接客を受けて購入された方の客単価が1,900円アップという結果に繋がったと感じています。

習慣化にあたり意識したことは、「先週、うちの店でどのTシャツが一番売れたの?」といったFULL KAITEN〈ストアエージェント〉を見ればすぐに分かる質問をすることです。

もし見てなかったら「一緒に見てみよう!」と働きかけると、大体2週間ほどでスタッフが毎日ストアエージェントを確認する習慣ができました。ストアエージェントを見れば手書きで記入できる週報(前段で紹介した52週ファイル)を併用しているのも、定着に繋がった要因と考えています。

店舗のデータ活用が進んだポイント3つ目は、「店長とスタッフのコミュニケーション」です。

ポイント2つ目でもお伝えした通り、FULL KAITEN〈ストアエージェント〉を見れば分かる質問を繰り返し、実際にタブレットに触ってもらうことが大事です。結果的に、「パソコンで調べるより圧倒的に速い!」というメリットを体感してもらえたことが大きかったと思っています。

既存のデータ集計ツールと同じぐらい複雑だと絶対に浸透しなかったと思います。あとは、当たり前のことですが、店長がストアエージェントを見て全体感を把握したうえでスタッフと会話することが、コミュニケーションの上では非常に大切です。

タブレットの取り合いが起きた!スタッフが自走し始めたデータ活用の次の一手

ーーデータの活用でスタッフの皆さんができるようになったことを教えてください

藤本様 4つありますので、順にお話しします。

1つ目は、スタッフの分析スキルの標準化です。

売れたというざっくりとした感覚だけの話ではなく、Aという商品が何点売れたという数値を用いた業務上の会話が格段に増えました。

2つ目は、各部署における週のルーティンが明確になったことです。

今までは検証に時間がかかるか、最悪の場合は分析せずに担当者の経験や勘で誤った分析をしていることもありました。ですが、分析が標準化されて改善点が明確になり、月火で分析と課題の抽出を終え、火水で改善、木金で週の進捗を踏まえた最終調整というルーティンが確立されました。

3つ目は、スタッフが売場にいる時間が長くなったことです。

レジと事務所にパソコンがありますが、既存のデータ集計ツールを使っていた時と比べ、ストアエージェントは売り場で見られる上に、以前よりはるかに速いスピードで実績を確認できるので、スタッフが売り場に立つ時間が増えました。

これにより、接客機会のロス削減や、万引き防止などの防犯観点でも効果を感じています。

4つ目は、店舗全体の改善までの行動のスピードが上がったことです。

売り場で欲しい情報のほとんどがストアエージェントで表示できるので、すぐにアクションが可能になったことが要因です。

ーー店舗スタッフの皆様から寄せられた声を教えてください

藤本様 沢山の声が届いているので、紹介します。

・見やすく、行動につなげやすいデータが表示されるので、タブレットの取り合いが起きた
・店舗から「これがないと困る」という声が挙がった
・タブレットで見れるため売り場に出る時間が増えた
・PCだと死角やバックルームにある為防犯の観点などから気軽に見れないが、売り場で見られるので防犯観点でも良し
・店舗での振り返り業務の8割がこれで完結する
・これまで手書きやPCで行っていた集計作業が圧倒的に楽になった
・先週の振り返りと修正点が明確になった

ムラサキスポーツ イオンモール岡山店スタッフの皆様(左端が藤本様)

ーー今後どのようにFULL KAITEN〈ストアエージェント〉を活用していきますか

髙木様 全店舗で接客・売り場改善にしっかりと活用していきます。全店に導入し約1ヶ月が経過していますが、店舗によって活用度合いにバラツキがあります。成功事例や実績も今まで以上に社内で共有しながら、全社の活用頻度を更に上げていきたいと考えています。

あとは、FULL KAITEN〈ストアエージェント〉から得たデータを発注や仕入れ、在庫の店間移動にもつなげていきながら、接客や売り場の改善にも活用したいです。今後は在庫のリアルデータを元に、店舗間の在庫を見ながら商売に繋げていけるよう、フルカイテンさんとも相談しながら進めたいと思っています。

ーー本日はどうもありがとうございました。