店間移動のポテンシャルを解放!FULL KAITEN〈店間移動〉とは|プロダクト責任者が解説
こんにちは。フルカイテン取締役CPOの田中です。
当社では、小売企業の「在庫最小化・粗利最大化」を支援するために『FULL KAITEN』シリーズを提供しております。2023年からは、より現場のオペレーションに即した「アクション(施策実行)系プロダクト」と、在庫課題を特定する「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」の提供を進めてきました。
本記事では、売れる商品を売れる店舗に適量配置するための「使える移動指示書」を作成するFULL KAITEN〈店間移動〉を使って得られる価値や特徴をプロダクト責任者である私が直接解説します。
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店間移動は「負の業務」なのか?
複数店舗を展開する小売企業にとって、店間移動は在庫を効率よく消化するための重要な施策です。
同じ商品でも、店舗の立地や天候、客層によって売れ行きは大きく異なるため、各店舗の在庫に偏りが出るのは避けられません。このような状況で、余剰在庫を抱えた店舗から不足している店舗へ商品を移動させるのが店間移動の主目的です。
しかし、多くの企業においてシーズン終盤に行う「後始末」的な業務と捉えられがちです。これには、店間移動が単なる物流費だけではなく様々なコストがかかることが要因に挙げられます。
例えば、本部ではディストリビューターが各店舗の在庫状況や売れ行きを見ながら、移動先の店舗を手作業で一つひとつ確認し、移動指示書を作成する必要があります。基幹システムではサポートされていないケースが多いため、膨大な商品点数の中から移動させるべき商品を見つけ出す作業は多くの時間を要し、実際には売上上位品しか見切れていないのが現状です。
店舗側では、接客や販売といった本来の業務に集中したいにもかかわらず、送られてきた商品の開梱や品出し、そして他店へ送る商品の梱包作業に時間を取られてしまいます。販売機会の損失につながるため、店間移動は極力避けたい業務だと感じているスタッフも少なくありません。
このように、店間移動は時間的、金銭的、そして人的なコストがかかるため、多くの企業でその重要性が見過ごされ、非効率な運用に陥っているのが実情です。
店間移動の「前始末」で大きな利益を創出できる
店間移動にかかるコストが大きいことは事実です。しかし、もっと戦略的に、効率的にこの業務を行うことができれば、大きな利益を生み出すポテンシャルを秘めています。
FULL KAITEN〈店間移動〉導入企業様の導入当初のデータを分析したところ、多くの企業で、ある店舗では商品が余っている一方で、別の店舗では不足しているという在庫の偏りが非常に大きいことがわかりました。これは、店間移動を行うことで売上・粗利につながる可能性のある在庫が、想像以上に多く存在していることを示しています。

つまり、店間移動は単なるコストセンターではなく、「売上・粗利を創出する」ポテンシャルを秘めた業務なのです。では、その可能性を最大限に引き出すにはどうすればよいのでしょうか。
鍵となるのは、店間移動を「後始末」から「前始末」へと転換することです。

前述の通り、多くの企業が、店間移動をシーズン終盤や値引き後の「後始末」的な業務として位置付けています。実際に、私たちがご支援している企業の8〜9割が、シーズンアウトのタイミングでこの業務を行っていました。
しかし、シーズン終盤では、値引き後で単品粗利も低くなっている上、売れるピークを逃しているため、たとえ移動させても売れ残ってしまうケースがほとんどです。
そこで私たちが提唱しているのが、店間移動を「最も売れるタイミング」であるピークインの時期に実施することです。
この時期に移動を行えば、移動先の店舗では商品はまだ定価で売れるため、高い単品粗利を維持できます。よって、移動コストを上回る利益を創出できるのです。
売れる商品を売れる店舗に移動させるFULL KAITEN〈店間移動〉
FULL KAITEN〈店間移動〉とは、「売れる商品を、売れる店舗に、適切な量だけ」配置するための移動指示書を作成するプロダクトです。
FULL KAITEN独自の販売予測に基づき、どの店舗にどれだけの在庫が余っており、どこで不足しているかを正確に算出します。さらに、物流コストや店舗オペレーションの負荷を考慮した移動ロジック(移動エリアや最低移動数など)を事前に設定しておくことで、わずか10分程で精度の高い移動指示書を作成することが出来ます。

独自の指標で効果的な店間移動を実現
現状では、消化率や在庫週数、販売数といった複数の指標を用いて移動する商品を選定する企業が多いかと思います。しかし、これらの指標の解釈は担当者によって異なり、業務の属人化の要因となります。
FULL KAITEN〈店間移動〉では、独自の指標である「バラつき度(※1)」や「移動可能金額(※2)」を算出することで、誰でも迷うことなく、SKU単位で移動すべき商品を簡単に見つけ出すことが可能です。これにより、勘や経験に頼る属人的な業務から脱却し、誰が担当しても同じ成果を出せる体制を構築できます。
※1 バラつき度:SKUごとに、各店舗における在庫週数のばらつき具合を示す指標。バラつき度の数値が高いほど、店舗間で在庫週数の差が大きいことを意味する。
※2 移動可能金額:移動させることで見込むことができる創出売上の最大値
在庫のプロが業務設計から効果検証まで伴走
店間移動の効果を最大化するには、PDCAサイクルを回すことが不可欠です。しかし、業務負荷の高さから、効果検証までできている企業はほとんどないのではないでしょうか(経営コンサルタントとして大手アパレルを中心に約10年間小売企業を支援してきた経験から断言できます)。
当社では、小売企業出身者を中心としたメンバーで構成されるカスタマーサクセスチームが実施時期を含めた業務設計や利用ルール、効果検証などを定例MTGを通して支援します。
効果検証を回すことにより、多くの企業様で成果を創出することが出来ています。
<導入事例の一例>
- 株式会社ドーム様:一度の店間移動で年間利用料を回収。作業時間は2日から1時間へ
- 株式会社ディティジェイ様:月1回の店間移動を継続し、年間売上の1%を創出。作業時間は2日から2時間へ
FULL KAITEN〈店間移動〉は、コストのかかる「後始末」業務を、売上・粗利を創出する「前始末」の戦略へと転換させるためのプロダクトです。
ご興味のある方は、ぜひ下記より資料をダウンロードください。
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