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在庫配分業務で成果をあげるポイントとは|元DB部門長が極意を徹底解説!

小売企業において、在庫の平準化から部門間をつなぐ役割まで果たしているディストリビューター。本記事では、生活雑貨小売でディストリビュート部門の部門長を務めた筆者の立場から、在庫配分業務で成果を出すためのポイントを解説します。

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はじめに

在庫配分業務(※)で成果を出すポイントをお伝えする前に、筆者の経歴を簡単にご紹介させて頂きます。

※フルカイテンでは、倉庫から店舗への移動(初回、期中含む)や店間移動などの業務をまとめて「在庫配分」と称しています。

私は、全国約60店舗を運営する生活雑貨小売でディストリビュート部門の立ち上げと部門長を務め、今年からフルカイテンのカスタマーサクセスとして入社しました。

ディストリビュート部門を立ち上げたきっかけは、社長や商品部長が売上と在庫を確認しながら毎週手入力で追加発注しているのをみて、「発注を判断するポイントさえ掴めれば自動化できるかもしれない」と、半自動的に追加発注が参集される仕組みをシステム部門と一緒に考えたことです。

肩書きこそ部門長ですが、倉庫からの商品配架や店舗間移動の指示、生産地である海外から自社倉庫までの配送管理をプレイヤーとして担当していました。10,000SKU数以上の低価格帯雑貨を取り扱っていたため、倉庫からの出荷は平日毎日あり、売上分析〜追加発注指示と店間移動指示の作成にそれぞれ丸2日かけていました。

どの企業でも在庫配分業務は負荷が高く、さらに経験と勘をもとに行っている方が多いかと思います。本記事が、在庫配分業務に携わる方に何か一つでも有益な情報を届けられていたら幸いです。

倉庫からの配分指示作成時に意識していたこと

私が在籍していた頃は、以下のようなフローで倉庫から店舗へのフォロー出荷を行っていました。

  • 月曜日
    • 週末の売上推移を確認し、水〜金曜日分のフォロー出荷を指示。
  • 木曜日
    • 金〜日の売上を予測し、月〜火曜日で出荷できるように発注。

この時はまず、一番の稼ぎ時である土日祝日の大量納品を避けて、販売スタッフが接客に集中できるようにスケジュールを整えてあげることが前提です。

連休中は普段の土日よりも売上が立つため、欠品リスクと倉庫稼働日数を意識してAランク(売れ筋)商品に特化した出荷を連休前に行い、その前週にAランク以外の定番品を若干強めに補充したりという計画が必要になります。

また自社倉庫を使用していたため、祝日がある際は営業日が限られていました。1日に出荷できる数も限られているため、連休前に売れるか売れないか分からない商品(Aランク以外のアイテム)を出荷してしまうと、Aランクや週末で急に動き始めた商品を出せなくなってしまうことが起こり得ます。

そのため連休前はAランクに特化して、土日祝日の3日分+集客数を見越した数を出荷しておくことが重要です。それ以外の商品は、連休前は売れ筋を出荷するだけで手一杯になるというのを見越して、連休後まで持つだけの量を送っておきましょう。

また、考慮するべきは売上だけではありません。ディストリビュ ーターは、物流部門や倉庫で実際に作業している方達との繋がりも深い業種です。

物流の人員体制を踏まえながら日当たりの出荷量を考えて、発注指示書を分割したり、出荷効率を高めるために外箱単位で指示数を見直したりなどの、細かな調整も必要になります。

従業員の出勤体制によって出荷できる量が変わってくるため、優先度が高いが出荷量が少ない商品と優先度は低いが出荷量が多い商品のどちらを先に取り掛かってもらうか、などの詳細を物流スタッフと詰めて分割をしていました。

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ディストリビューターはコミュニケーションが重要

私が主に見ていた数値は以下の通りです。

  • 店舗別売上実績
  • 在庫金額
  • 売上予算比
  • 仕入(見込)金額
  • 在庫回転率(全体>カテゴリー第2階層くらいまで単位)
  • 在庫消化率(スポット商品)
  • 商品別売上推移(週次での推移をおおよそ1~2年分)

一通りのフォロー出荷指示を終えたら、上記の数字から販売推移に変化が見られた店舗へヒアリングを実施し、売上・在庫・出荷頻度から店舗毎の在庫基準数を更新します。

この時に重要なのが、店舗側とのコミュニケーションです。

そもそも在庫配分で実現したいことは、店舗ごとの在庫のばらつきを改善し、全体で平準化させることです。

例えばA店からB店に10個在庫を移動したと言っても、この10個を売るために店舗側では様々な工夫をしてくれています。そのためディストリビューターがやるべきことは、販売推移が良かった店舗がどのように売っていたかを知り共有してあげることです。

企業によっては販売部の仕事の場合もありますが、結果が良かった店舗の売場作りや接客方法など販売促進するためのヒントを共有し、特定の店舗だけではなく全体で売れるためにできることを考えて実行することが重要になります。

在庫移動で成果創出する3つのポイント

FULL KAITENで以前開催したウェビナーでもお伝えした通り、在庫移動で成果を出すためには以下3点が重要です。

  1. いつ商品を移動させるか
  2. 1回の移動で何点移動させるか
  3. どの店舗からどの店舗に移動させるか

ウェビナー内では、商品ライフサイクル(商品が終売するまでのプロセス)に沿って上記3つを考えることが重要だとお伝えしていましたが、実際に私が行っていた方法をご紹介します。

※ウェビナーでお伝えした内容は、以下のブログでまとめております。
事例から学ぶ!利益を最大化させる在庫配分のノウハウ|セミナーレポート

1.タイミング

店間移動のタイミングを決める際は、販売計画や過去の売上推移を事前にチェックし、店頭展開の1週間〜3日前までにメインとなるアイテムが全て揃っている状態にしていました。

この時は店舗作業量を考えて、倉庫や仕入れ先からの納品と重ならないように配慮が必要です。

例えば「ピクニック」がメインVPだった場合は、ランチボックスやレジャーシート等の中心アイテムや関連アイテムを潤沢に揃えるのは当然ですが、メインVP付近で展開できそうなアウトドア雑貨、そしてこれをフックとしてペット新作など、大きな販売計画に対して細かく売場や客導線を想像してアイテムを揃えます。

2.移動数量

倉庫出荷時は、Aランク(売れ筋)での機会ロスを起こさないように、常に販売予測数+陳列分を余分に持たせておきました。また業種が生活雑貨の上、本部での一括発注が基本だったため、商品サイズや店舗坪数、展開棚数を意識して、商品展開や発注量にメリハリを付けていました。

店間移動時は、これから売れそうなアイテムやカテゴリーに絞り込んで、出荷をしてくれる店舗の機会損失が起こらないように、売れそうな数は残し、確実に売れ残りそうな数量を移動する、といったことを心掛けていました。

3.移動先

移動先を決める上では、物流費などのコストを最小限に抑えつつ、しっかり消化をしてくれそうな店舗を選ぶようにしていました

地域や立地によって、店舗で売れるアイテムは様々です。例えば、ハロウィン関連のアイテムは毎年右肩上がりに販売数を伸ばしてきましたが、若年層が多い地域や都心部の方が明らかに好調な傾向がみられます。

そのため、在庫移動を実施する際は販売推移をみてハロウィンの実績が良い都心店に集中して移動を指示していました。

また昨今、物流2024年問題などが話題になっていますが、送料を抑えるために同じエリア内で極力移動させていました。また送料を抑えるという意味で、売上に繋がると思う在庫のみを移動できるように努力も必要です。

ただ実際、店間移動したことでどれだけの売上に繋がったかは、追いかけ切れておりませんでした。余談になりますが、移動したうちの何個が売上に繋がったかを見れるFULL KAITEN〈在庫配分〉の機能は、ディストリビューターの人たちにとって物凄く欲しい機能なのではないかと思っています。

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部門長として意識していた4つのマインド

1.「経験と勘」を継承していく

ディストリビューターはお店が繁盛するように「いま何が売れている?」「在庫は足りてる?余ってる?」と、売れ行きや在庫状況を分析し、倉庫や近くの店舗から商品を送り、ご来店されたお客様の求める商品が揃っている状態に整えることが役目です。

皆さんも実施されている通り、販売推移の実績と経験則を踏まえながら消化計画が達成できるように調整をかけていきますが、チームに新しく仲間を加えても経験則を伝えるのは容易ではありません。

そのため、私が実践していた方法としては、まずは隣に座ってもらい、実際の作業を見てもらっていました

何事もまずはやってみるという精神が大事だと思いますが、大きなセールやクリスマス等のイベントは年に1回程度しかありません。経験できる機会が少ないため、なるべく自分の経験などをまとめたり、自分が考えていることを声に出してメモをとってもらうなどの工夫も行っていました。

2.数字だけではなく実物をみてもらう

分析の方法を教えるだけではなく、指示書が出来たら実際に店舗や倉庫へ行き、物量や作業工数を体感してもらっていました。これは、数値だけ追いかけて実態を見ていないと痛い目に合うためです。

前職では大きいサイズのペット用品がすごく売れていたのですが、これをカトラリーと同じように扱ってはいけません。スプーンを30個移動する場合は一つの段ボールに収まりますが、大きいサイズのペット用品を30個移動する場合は段ボールも30箱分になってしまうためです。

データ上の数字だけを見てしまうとこの事実に気付かず、配送費もかかる上、店舗での作業量も多くなることになってしまうため、実際の商品を見て感覚を掴んでもらっていました。

3.時間軸を意識する

3点目は、2ヶ月単位で販売計画と照らし合わせて在庫計画を更新していくことです。

例えば、売場で新しく展開を始める1週間程前から対象商品が店舗に揃っている状態にする必要があるとします。

その場合、数日前から一気に商品を入荷するのか、徐々に入荷するのか。一気に入荷するなら関連商品はどのタイミングで入荷するのかを、パズルを組み替えるように在庫計画を作っていくのですが、忙しいと場当たり的になってしまいます。

そのため2ヶ月ほど前から、何曜日と何曜日に倉庫からの納品があるのでここで店間移動を実施します。その時に店間移動する商品はこの時期を見越したアイテムですと、ある程度計画を作っていました。

4.販売スタッフとのコミュニケーションを怠らない

最後は、販売スタッフとのコミュニケーションを怠らず、必ず店長や各部門のキーパーソンと直接会話する時間を作ることです。

店舗の売場やお客様の動向を見ながら話すことが一番の理想ですが、実務に追われて時間を作れないことも多かったため、電話だけでも話すようにしていました。

店長とのコミュニケーションをとる際は、必ず店舗ごとの分析結果を会話のタネとして持っていきます。さらに、他の店舗で売れているが会話する店舗では売れていない商品など、店舗の特徴部分も探して共有していました。

店舗側からすると、他店舗の情報をみることができなかったり、本部側に意見を言いづらかったりなど、店舗内だけで完結してしまうことが多くあります。ですがディストリビューターの使命は、一部の店舗だけではなく全体で在庫を平準化させていくことのため、本部と店舗の橋渡し的な役割も行う必要があると考えていました。

また、一番お客様に近い距離にいるのが店舗のため、店舗にはたくさんのヒントが落ちています。コミュニケーションを取ることで、副産物的に店舗側にも本部側にも思いがけないヒントを貰えたり、店長のモチベーションを上げることで体感10%程度は売上が変わっていたため、忙しい中でも絶対にコミュニケーションは取っていました。

店長のモチベーションを上げるうえでは、褒めるということを意識していました。もちろん指摘しなくてはいけない部分は指摘しますが、それよりも定量的にも定性的にも良い部分を見つけて褒めてあげることが重要です。

またこういう部分を見つけていくことで、会社全体のやる気や売上を向上させることもできます。

例えば、関西の店舗で売場作りに悩んでいる子がおり、その成功事例を東北地方の店舗の子が持っていたとしたら、その子たちを繋げてあげることで、店舗間のコミュニケーションの活性化にも繋がりますし、それが結果として会社全体のやる気やスキルアップにも繋がっていきます。

そして、このような役割はディストリビューターにしかできないものだと思っています。

ディストリビューターは売上分析をする上で、店舗軸や商品軸、時間軸など様々な角度から分析する必要がありますが、分析に時間をかけられる部署は他にありません。

そのためディストリビューターだからこそ気付けることがたくさんあるのですが、その情報を自分達だけで完結させずに、店舗や本部など様々な部門に質の良い情報を共有することが大切です。

在庫配分業務で役に立つFULL KAITENの機能

最後に、私から見てこれは在庫配分業務の役に立つと思ったFULL KAITENの機能をご紹介します。

現在フルカイテンでは、FULL KAITEN〈在庫配分〉という全SKU×全店舗をAIを用いて予測・分析し、売れる商品を売れる店舗に必要な量だけ移動できるよう自動計算するソリューションを提供しています。

FULL KAITEN〈在庫配分〉について詳しくはこちら>

従来の在庫配分業務は、対象とするSKUを決めて移動数を算出し、実際に移動という流れになりますが、リスト作成にかかる業務負荷が高いことがほとんどだと思います。

FULL KAITEN〈在庫配分〉では、過去の販売実績と商品マスタを使い、各店舗に必要な在庫数と移動先を計算し、目的・店舗立地・物流費などを考慮した移動指示書を自動で算出することができるため、人力と比べれば算出できる移動数とリスト作成にかかる時間を短縮することが可能です。

特に私が良いなと思った部分は、在庫移動の効果検証ができるという点です。

上述した通り、移動した結果どれだけの売上に繋がったかを可視化することは、できていない企業がほとんどではないでしょうか。

FULL KAITENを使うことで、移動による創出売上を可視化できる他、今までの経験則とAIによる需要予測を比較しながら差異やブレがないか、どのような点を見落としていたかを検証を繰り返しながらPDCAを見直すことが可能になります。

実際、在庫移動数を改善し、約500万円の売上を創出した事例もあります。

この事例では、在庫配分にかかる業務負荷が高く15品番の移動に約4時間かかっていました。また、見れるSKU/品番数に限界があり、移動した商品が売れているかも把握できていないことが課題でした。

FULL KAITEN〈在庫配分〉を活用することで、移動品番を5倍にしながら業務時間を1/4に短縮できています。さらに、効果検証ができるようになったことで、移動した結果が良かったのか悪かったのかの判断もできるようになりました。

FULL KAITEN〈在庫配分〉の製品資料ダウンロードはこちら>

まとめ

  • 倉庫から店舗への移動時は、一番の稼ぎ時である土日祝日の大量納品を避けて、販売スタッフが接客に集中できるようにスケジュールを整えてあげることが大前提。
  • 特に連休中は普段の土日よりも売上が立つため、売れ筋商品に特化した出荷を連休前に行ったり、その前週にAランク以外の定番品を若干強めに補充したりという計画が必要。
  • 店間移動で成果を出すためには、在庫移動のタイミング・何点移動させるか・どの店舗からどの店舗に移動させるかが重要
  • ディストリビューターはコミュニケーションが重要。質の良い情報を他部署や店舗に共有することが、会社を成長させる鍵となる。

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