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アパレル店舗における在庫ディストリビューターの業務とは

皆さま、初めまして。ファッションビジネス関連企業に対する戦略コンサルタントを生業としている熊谷学と申します。今回、フルカイテン株式会社から機会を頂き、私がディストリビューター(DB)として経験したことをお伝えしたいと思います。

まずは状況をイメージして頂きたく、僭越ながら簡単に自己紹介をさせて頂きます。

1989年 大学卒業後、イトキン株式会社に入社
     百貨店内のインショップ等の店舗数約100店舗のブランドの営業を担当1997年  同社初のディストリビューターに任命され、同ブランドを担当
2002年  店舗数約30のブランドに担当変更
2005年  店舗数約15のブランドも兼任 
2006年  同社を退社し、現在の事業を設立

ディストリビューターとは

まず、ディストリビューターとは何かを確認していきましょう。国語辞典では「分配者、配給者」、「卸売業者」と記されています。国内アパレル企業で勤務しているディストリビューターは前者を意味し、簡単に表現すると“在庫を配分する人”といえます。

こう記すと簡単な業務といえそうですが、実際担当すると奥が深く(何の業務もそうでしょうが・・・)、私自身は組織の管理原則を考えながら職に当たっていました。ちなみに、海外では後者の「卸売業者」として使用されています。

ではここで、ディストリビューターとは具体的にどのような業務なのか、私が実際に取り組んだ内容をお伝えしてまいります。“在庫を配分する人”という立場は同じでも、企業やブランドの規模、社内の状況等により任せられる業務範疇が異なると思います。

私の場合は、社内初のディストリビューター職に任じられたため、業務範疇の定義やルール作りといった仕組みを0から構築する役割を担いました。あるべき姿を検討して大枠を設定し細部へ落とし込んだのですが、商品の取り扱いに関する変革期であり、相当な苦労がありました。

当然私一人で考えるわけではなく、事業部長やチーフMD、営業マネージャーなど、上司と相談しながら仕組みを構築しましたが、日本全国7支店に分散していた在庫を1か所で管理することや、展示会時の各店発注を本部一括発注に変更するなど、初となる取り組みに対し様々な意見が入り乱れる状況でした。

仕組みづくりの詳細はここでは控えさせていただきますが、また機会がありましたらお伝えしたいと思います。

試行錯誤の末仕組みを完成させ業務遂行に及んだのですが、その内容は、➀商品が出来上がるまで、②在庫の取り扱い、に分類されます。商品はシーズン前に企画検討し生産する先行企画商品と販売動向に応じ適宜生産する期中追加商品にわかれ、比率は概ね65対35という状況でした。当時実施していたディストリビューター業務を、以下、簡単にまとめてみます。

ディストリビューターの重要なポイント

そもそもディストリビューターの業務の目的は何なのでしょうか? まず、ここを共通認識として社内に浸透させておくことが肝要となりますが、私の場合は「在庫商品の消化を通じブランドの利益が向上すること」と定義し業務に取り組んでいました。

思い通りに進まないことも多々生じ、紆余曲折を経た結果、ディストリビューター業務の重要なポイントは、関係者とのコミュニケーションとの考えに至りました。

なぜならば、

  1. 最適となる判断を下す
  2. 業務連絡として伝える
  3. その連絡内容に沿って行動を起こしてもらう
  4. 気持ちよく仕事してもらう

この4つを実行してもらわなければ、ブランドの利益向上にはつながらないと思えたからです。以下、それぞれの内容について記してみます。

➀最適となる判断を下す

商品在庫に関し、最適な判断を下すためにはエビデンスが必要であり、そのためには仮説に基づいたデータ分析が重要になります。私が勤めていた企業は、POSレジと連動した社内販売管理システムを独自で開発しており、完成度が高くデータ収集や分析に役立っていました。

とはいえ、特殊な内容に関してはエクセルを活用してデータを加工・分析する必要があり、時間を要していました。商品を追加すべきか消化すべきか、消化する方法は店間移動なのかマークダウンなのか、店頭から一旦在庫を引くべきなのか、など、掘れば掘るほど時間を要す作業となります。

将来を予測することは困難であり、時間は有限であるため、業務を効率化しつつ最適な判断を下していくことは永遠の課題と考えています。

②業務連絡として伝える

判断した内容を分かりやすく伝えていく必要が生じます。私がディストリビューター就任時は全店頭にパソコンは導入されておらず、FAXを使用して連絡していました(後にパソコンが導入され、メールを活用)。

定時連絡として毎週月曜日と金曜日に情報を発信していたのですが、「フォーマットを決め、情報を極力シンプルに記載し、重要項目やイレギュラー項目は目に飛び込んでくるように際立たせる」ことを重視して取り組んでいました。

③連絡内容に沿って行動を起こしてもらう

そんなの当り前だろう、と感じられる方も多いと思いますが、これがまた大変です。凡事を徹底することの重要さを、嫌というほど味わいました。

連絡通りことが進まない原因は幾つかに集約されましたが、対策として、コミュニケーションのプロセスといえる「理解、納得、共感」のフェーズ毎に対策を講じました。その内容を以下まとめます。

④気持ちよく仕事してもらう

在庫最適化といっても、営業や店長、販売員の真摯な取り組みあってこそ実現できることであり、やはり企業は人なりといえます。

ディトリビューター業務はえてしてドライな対応になりがちです。その点に重々気を付け、データオリエンテッドでありながらも、血の通ったコミュニケーションを目指していました。失敗したことも数多くありましたが、今でも「気持ちよく仕事をしてもらう」ためのコミュニケーションは非常に大切なことだと考えています。

ディストリビューター業務のDX化

ディストリビューターとして最適な判断を下すために、データ収集や分析、将来予測等に多大な時間を費やしていると思えます。この部分に最新のテクノロジーを組み込むことで、迅速な意思決定が期待できます。

フルカイテンさんのシステム『FULL KAITEN』は、在庫最適化に正面から取り組んでおられ、機能も充実していることから、多様な小売企業で役に立つのではないでしょうか。バージョンアップによる便利な機能の追加を含め、更なる進化も期待できます。

仕事柄、理由なく特定の企業を褒めたたえることは避けていますが、「ディストリビューターとして勤務している時にフルカイテンさんのシステムを活用したかった」というのが素直な気持ちです。

企業が成長発展していくうえでDXへの取り組みは避けて通ることができません。単なる業務効率化に終わらせず、テクノロジーを活用しながらあるべき姿に社内を変革することが重要です。

最後になりますが、明るい未来を信じて変革に挑み、自らの手で道を切り開いていきましょう。ディストリビューター業務に係る皆さん、業務効率化に向けた有効なツールを活用し、人間であるからこそできる業務に邁進していきましょう。


【筆者プロフィール】
株式会社アパレル・コンサルティング
代表取締役  熊谷 学

ファッションビジネス関連企業に対する戦略面のコンサルティングを提供するとともに、業界に精通している多数のパートナーと連携しながら、ハンズオンでクライアントを支援している。また、中小企業診断士の資格を活かした補助金活用術にも精通している。現在、文化ファッション大学院大学の非常勤講師も務めている。


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