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小売業にとって残された時間はあと4年?今こそ、大量生産・大量販売からの転換を!

『誰がアパレルを殺すのか』(杉原 淳一、 染原 睦美著)は、新型コロナウィルスの流行など予想だにできなかった2017年に発売された著書です。

しかし発売当初から、アパレル業界不振の理由が一時的なものではなく、その構造によるものであると問題視されていたことが窺えます。

生産拠点を中国へ。大量生産と、増えていった不良在庫

ユニクロや欧米ファストファッションの強みは、川上から川下まで(サプライチェーン全体)を一元管理しているところにあります。

そのおかげで、トレンドの変化を素早く察知し、製造・販売戦略に反映することができます。

1990年代のバブル崩壊に苦しむ国内アパレル企業は、安易にそのビジネスモデルを真似ようとしました。

しかし、それは、製造拠点を中国に移して人件費を安価にするなど表面だけをなぞるものでした。

中国で大量に衣服を製造し、スケールメリットによって1商品あたりの原価を下げる――。

これが1990年代から続く、従来のアパレル企業の戦略でした。

もちろん「売れ残って無駄になる商品がある」ことも織り込み済みです。

売れ残った商品はセールやバッタ屋でさばき、次期の売上目標に向かってまた大量生産を繰り返す。

そして不良在庫は雪だるま式に増えていきました。

そっぽを向く消費者、中国人件費の高騰…相次ぐアパレル業界への向かい風

SNSなどが普及し、消費者はアパレルの原価構造に気づき始めます。

消費者に向き合った生産戦略でなく、「不良在庫の処分」などの企業都合のコストが商品の「定価」に含まれていることが明らかになっていきました。

「欲しいと思える服が売っていない」。そんな消費心理の煽りを受けた先には、ワールド、オンワードホールディングス、TSIホールディングス、三陽商会など大手アパレル企業も含まれました。

加えて、中国経済の成長により、人件費などが高騰。アパレル企業の利益率はどんどん悪化していきました。

それにより、数百人規模のリストラも行われました。

大量生産・大量販売のビジネスモデルは、消費者も企業も社員も、誰も幸せにしなかったと言えます。

構造的な問題に気づいている人は多い。でもなぜ変われないのか?

新型コロナ危機で個人消費が短期的に激減したことをきっかけに、大手企業でさえも経営破綻に追い込まれました。

多くの人が、大量生産・大量販売モデルの限界を感じています。

また、2024年には第1次ベビーブーム世代が全員75歳以上になります。人口が減少し、消費力が右肩下がりになることを前提にした今までのビジネスモデルを変えなければいけません。

でも、人間なかなか変われません。何故でしょうか?

一つは、何千・何万SKUという在庫をデータで管理するのには多大な工数がかかることが挙げられます。

発注する際に、いわゆる「根性エクセル」と戦いながら、数名の社員がベタづきで時間をかけて発注業務を遂行するのは珍しくないでしょう。

その中で、「本当に売れている商品だけ」に絞って発注をかけるのは至難の業のように思えます。

また、在庫責任者と販促担当者で追っている目標が違うので、全体最適の目線で業務を変えにくいという点もあります。

在庫責任者にとって「滞留在庫が増えている」という危機感がありながらも、販促担当者は新作を大量に作って売上を伸ばすのに必死という縦割りの弊害もあります。

クラウドサービス「FULL KAITEN」では膨大なSKUでも、過去の販売データを基に、在庫を売れ筋の商品・そこそこ売れる商品・値引きしないと売れにくい商品に、自動的に分類することができます。

また、発注業務においても、リードタイムや仕掛り在庫などを加味しながらSKUごとに自動計算して発注数を提案することができます。

これらの機能を使えば、膨大なSKUを管理するための社員の工数を大幅に削減でます。

浮いた時間を、本来やるべきことである「消費者ニーズ調査」「ブランディングの確立」「実力商品の販促施策考案・実行」など本質的な課題解決の時間に充てることができるのです。

実際に機能でどんなことができるのか、ぜひ体験してみてください。

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(マーケティング 江崎 百佳)

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