店間移動で粗利1000万改善!レディースアパレル事例
新商品の販促に力を入れる一方で、気づけば増えている滞留在庫——。
トレンドをいち早く取り入れる業種では、新商品を次々と投入するため、短期間で販売戦略を決定しなければなりません。しかし、販売計画のスピードに在庫運用が追いつかず、期末在庫の増加や粗利率の低下といった課題を抱える企業も少なくありません。
では、どのように在庫を最適化し、利益を最大化するのか?
データに基づいた店間移動で、わずか9カ月で1,000万円の粗利を創出した成功事例をご紹介します。
新商品の販促に注力し膨らむ滞留在庫
ーーお客様が取り扱う商材の特徴を教えてください
カスタマーサクセス担当者 レディースアパレルを取り扱っており、トレンドをいち早く取り入れた新商品をシーズンごとに多数投入していらっしゃいます。
新商品が多数あるため、販売開始から約2週間ほどの実績をもとにプロパー販売継続か施策実施かの判断を実施する必要がありました。
4週目、6週目ではプロパー販売継続、マークダウン、EC集約、アウトレット集約などの意思決定をして終売を迎えるというのが一連の流れです。

そのため、FULL KAITENでの分析も販売開始から2週間ほどの実績をもとに早いタイミングで実施することになりました。
ーーお客様が抱えていた課題を教えてください
カスタマーサクセス担当者 2つあるので、順にお話しします。
1.期末在庫の抑制
既存在庫の消化施策を実施していらっしゃいますが、新商品の投入が重なると時間を捻出することが難しいケースもあり、期末在庫が増え粗利率を毀損してしまうという課題がありました。
2.粗利率の改善
商品数の多さから連続的に在庫を回転させる必要があり、最終的に深い値引きの判断をすることで粗利率に対してもマイナスインパクトが大きく働くことがありました。そのため、定価もしくは少しのオフで販売できる時期に、売れる商品を売れる店舗に移動する必要がありました。
データに基づいた店間移動で創出粗利金額は約1,000万円、販売数は約5,000点を実現
ーー課題を解決するための手段を教えてください
カスタマーサクセス担当者 店舗間の在庫のバラつきを平準化して販売の機会損失を防ぐため、まずは店間移動に取り組みました。先手の移動を実施することで、まだまだ定価で売れる商品を売れる店舗に移動することで粗利率の改善を目指しました。
ーー実際におこなった施策の詳細を教えてください
カスタマーサクセス担当者 トレンドをいち早く取り入れた新商品をシーズンごとに多数投入していらっしゃるため、スピード感のある意思決定で在庫を現金化する必要がありました。
応用的な使い方ではなく、基本的な使い方をコツコツ積み重ねて成果を創出しました。
店間移動のよくある課題として、ご担当者がエクセル及び経験と勘を駆使して実施するものの、需要が読めず、全店舗全SKUに目を通すことも困難です。その結果、倉庫フォローで生まれた在庫の偏在を可視化しないまま店間移動を実施することになり、取れたはずの粗利を取れない状態になってしまいます。
FULL KAITEN〈店間移動〉では、店舗×SKUレベルで各店の余剰・不足数量をAIが予測し、「エリア内移動」「集約移動」「最低移動数」「低月商店⇔高月商店移動」「移動店舗数」「バラ在庫残」など柔軟な移動条件を設定できます。
これにより、在庫移動しなければ生まれなかったはずの売上・粗利を創出するとともに、これまで難しかった店間移動による売上粗利の増加額の可視化も可能になります。
施策の詳細は以下の通りです。
- 前提
- 続々と新商品が発売されるため、FULL KAITENを活用し販売開始から約2週間ほどの実績をもと、値下げ、店間移動、プロパー販売継続などの判断を実施
- 実施時期
- 2024年3月~11月(9か月間)
- 対象店舗
- 全店舗
- 対象ブランド
- 全ブランド
- 店間移動する商品の選定基準
- その時販売しているオンシーズンの全商品を対象とした
- 2週目の時点で各店舗の在庫のばらつきが発生することが多いため、販売から2週間経った商品をFULL KAITEN〈店間移動〉で分析し、余剰と不足の数量を見て移動するか意思決定
- 定量成果(2024年3月~11月 9か月間の実績)
- 店間移動を実施したことによる創出粗利金額
- 約1,000万円
- 店間移動を実施したことによる創出販売数
- 約5,000点
- 店間移動を実施したことによる創出粗利金額
- 定性成果
- 一人当たり 店間移動業務の削減時間/月
- 16時間
- 一人当たり 店間移動業務の削減時間/月
斉藤(筆者) 発売から6週間で終売になるビジネスモデルとのことですが、FULL KAITENの活用もかなりスピード感をもって行わないと手遅れになりそうですね。どういうスケジュールで施策決定から実行まで進めていたのか、時系列で教えてください。
カスタマーサクセス担当者 各ブランドで販売から2週間が経過したタイミングで、値下げ、店間移動、プロパー販売継続などを意思決定します。ですので、2週間の売上でどう意思決定するかが肝になります。ここでの判断を見誤ると販売から6週目以降に滞留在庫化してしまうため「2週目で意思決定」が大方針になっています。2週目で移動の意思決定をして、その後、移動指示を出します。
斉藤 これだけスピード感を持って店間移動を実行するには、お客様の主体性が重要だと感じました。
カスタマーサクセス担当者 そうですね。FULL KAITEN〈店間移動〉を契約する前から、お客様は在庫移動をルーティン業務として実施していらっしゃいました。しかし、相当な業務負荷を感じて実施されていたようです。
導入によって、以下のような変化があったと伺っております。
- 忙しくても全品番移動できるようになり、時間効率が向上した
- 今までは一部の商品の分析に留まっていたが、今は全SKUを見られるようになった
- 実施した店間移動の善し悪しが分からなかったが、今では結果まで見られるようになり、振り返りまでできるようになった
- 新商品投入のスピード感に合わせた在庫分析ができるようになった
まとめ
- データに基づいたスピード感のある意思決定が在庫最適化の鍵
- 導入したITツールの基本操作を習得し、基本を忠実に実践し続けることが成果への最も確実な方法
在庫への課題や、FULL KAITEN〈店間移動〉にご関心がある方は、こちらよりお問い合わせをお待ちしております。
在庫を利益に変えるクラウド『FULL KAITEN』
FULL KAITENでは在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにします。商品力を可視化することにより、利益を生み出す在庫とその施策を立てることが可能になります。
