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店舗スタッフが売り場陳列を改善し、創出粗利額1.4倍、客単価 伸長率20%を実現した方法とは?|成果に導いた本人が徹底解説

弊社は小売業向けに、客単価向上に寄与する売れる組み合わせが分かるサービス・FULL KAITEN〈セット提案〉を提供しています。

本製品を導入した株式会社ムラサキスポーツ様では、店舗のスタッフが客単価を上げる商品を分析し、実際に売り場の陳列を改善したところ施策を実施した期間中に創出粗利額1.4倍、客単価 伸長率は20%伸長という成果を創出しました。

本記事では、この成果を生み出すために伴走したプロダクトマーケティンググループ・永田が、粗利額と客単価伸長の秘訣を解説します。

FULL KAITEN〈セット提案〉の詳細はこちら>

店舗がデータを活用して売上、粗利を向上させたい

ーお客様が抱えていた課題を教えてください

斉藤(筆者) 以下はプレスリリースに掲載した株式会社ムラサキスポーツ様より伺った課題です。

・本部が店舗に新商品やプロモーションを中心とした販売強化の指示を行っており、既存商品を活用した施策の頻度が高くない
・売上上位品を中心に接客しているため売れ筋は在庫がなくなり、非稼働在庫が増えている
・客単価を上げたいが、自店だけではナレッジが少ない
・店舗は接客がメインであり、バックヤードで分析する時間がない

まずは何を目的に施策を実施したのかと、永田さんが実際にご支援する中でお客様から伺った課題を教えてください。

永田(弊社プロダクトマーケティンググループ) 施策の目的は、売上・粗利向上です。売上・粗利向上を上げるために手を打たなければいけませんが、昨今の市況を考えても客数を増やすのは難しいので、客単価アップを目指しました。

そのため、お客様の最前線にいる店舗の皆様がデータに基づいて行動し客単価を上げる取り組みを実施しました。プロパー施策を対象にしているので、最終的に在庫を残さず粗利を向上させることも目指しています。

店舗で実施する施策は、実施する人によって成果に波があったり、同じ施策をしても結果が違ったりすることがあるという課題を伺いました。本部から店舗に施策を落とし込みつつも、店舗で行う施策の成果を平準化することを求めていらっしゃいました。

以前から客単価を上げる併売データ自体に大きな価値を感じてくださっており、自店と客層が近い他店ではどのような併売の特徴があるのかや、自分たちが考えもしなかった併売の組み合わせも分かる点も期待してくださっていました。

店舗では接客がメインのため在庫データの分析をしている時間を捻出するのが難しいと伺っており、詳細な分析ができても活用が定着しづらいと感じました。そこで客単価を向上させる商品一覧を分かりやすい手順で出力することにこだわって、表示される画面や操作手順を軌道修正しました。FULL KAITEN〈セット提案〉はFULL KAITENの予測値に加え「実際に他店で〇回同じ組み合わせで売れた」という実績値を用いているため、店舗の皆様の納得感もあり定着が進みました。

斉藤 他店で何回も併売されている実績があるなら、自店でも試してみたいと思います。

永田 そうですよね。定量成果を創出した四條畷店 店長・芝嗣様からは「FULL KAITENのデータを元に、異なるブランド且つ商品のテイストが全く違うトップスを近くに置いたら売れました!」というお声をいただくことができました。

データに基づいたVMD変更で創出粗利額1.4倍、客単価は20%伸長

実際におこなった施策の詳細を教えてください

永田 2024年9~11月に、ムラサキスポーツ イオンモール四條畷店で売り場の陳列変更を実施しました。FULL KAITENのBetter在庫(売り切るのに時間を要するが未来の売上には貢献する商品群)を使って売れる組み合わせを平台展開、マネキン着用、接客強化に活用し定量成果に繋がりました。

施策の実施頻度は週1回で、対象商品は店長が選定し、店舗スタッフへ対象品番を共有してくださいました。店舗で対象品番などが載ったリストを印刷し、それを元に売り場で作業や接客を実施しました。対象商品を手に取りやすい距離に置くことで、接客がしやすくなる利点もあります。

下図の左が基軸となる商品で、右がセット提案すべき商品です。この一覧をCSV形式等でダウンロードし、印刷したものを売り場に持っていき作業しました。

FULL KAITEN〈セット提案〉デモ画面

ー定量成果について教えてください

永田 2024年9月から11月にムラサキスポーツ イオンモール四條畷店で実施した施策成果は以下の通りです。

  • 対象10品番
    • 創出粗利額  :1.4倍
    • 客単価 伸長率:20%伸長
  • 効果検証方法
    • ABテスト方式
      • A:対象店舗(四條畷店)
      • B:直営店
      • 評価指標:創出粗利、客単価
      • 対象品番:四條畷店の施策実施品番
      • 実施期間:前期間を比較

斉藤 成果を創出した要因はなんだと思いますか?

永田 様々な要因がありますが、ムラサキスポーツ イオンモール四條畷店 店長・芝嗣様のお力が大きいと思います。芝嗣様がきちんと店舗の皆様に施策の目的や実施した施策の結果を落とし込んでくださったことが結果に繋がったと感じています。

弊社が施策を実施した成果をご報告した際は、「今までこういった見方をしてなかったです!」や「この商品はなぜ客単価が上がっているのですか?」という話から、「次はこう改善してみます」や機能の改善要望もくださり、いつも前向きに取り組んでいらっしゃいました。

実施した施策の結果が悪かったとしても、要因を解釈して改善できる点もモチベーションに繋がると仰っていました。

成果に繋がった4つの要因

ー四條畷店で定量成果を創出できた要因を教えてください。

永田 4つの要因があるので、順にお話しします。

1.売上のピークイン〜ピークのタイミングで店頭施策を実施できている
施策は「いつ」実施するかのタイミングが極めて重要です。
ここで参考になるのが、新商品を売り始めてから売り切るまでの売上の波を5段階で定義する「商品ライフサイクル」という考え方です。

▼商品ライフサイクルの考え方

  • シーズンイン :商品立ち上げ期間。売上は低い
  • ピークイン  :売上が大きく伸長し、売場拡大期間
  • ピーク    :もっとも売上に貢献する期間
  • ピークアウト :売上が大きく下降し、売場縮小期間
  • シーズンアウト:商品売り切り期間。売上は低い

今回はプロパーで一番商品が売れるタイミングでもあるピークインからピークのタイミングで店頭施策を実施できたので成果に繋がりました。

2.店舗スタッフへ施策の意図と対象品番の落とし込みがしっかりできていた
ムラサキスポーツ イオンモール四條畷店 店長・芝嗣様が、店舗の皆様に施策の目的や実施した施策の結果を落とし込んでくださいました。

施策の目的(再掲)
・昨今の市況からも客数を増やすことが難しくなっており、店舗がデータに基づいて行動し客単価を上げること
・プロパー施策を対象にしているので、最終的に在庫を残さず粗利を向上させることも目指す

なぜ実施するのか伝えることで、スタッフの皆様の当事者意識にも繋がると考えています。

3.施策結果を店舗スタッフへ共有している
2の内容と重なりますが、実施した施策の結果を共有してくださったことで、達成感や現場の一体感にも繋がりました。実際にお客様から以下の声をいただきました。

同社サポートサービス部 高木様:自分たちで分析して作った売場(商品陳列)が結果に繋がったことが大きな成果だと思います。

店長 芝嗣様:結果が出れば担当者のモチベーションUPにも繋がると思いました。

4.施策に対するモチベーションが高い
店長・芝嗣様はモチベーション高く弊社と向き合ってくださいました。
施策の成果を積み重ねる過程で「もっと改善できる!」と前向きに取り組んでくださったことが成果に繋がりました。

私がご支援する他のお客様でも、モチベーションが成果に直結した事例がありました。
FULL KAITENのBetter在庫(売り切るのに時間を要するが未来の売上には貢献する商品群)を活用したプロパー施策を店舗で実施したのですが、同じ施策をしているにもかかわらず、差が生まれました。もちろん天候や立地など外的な要因はありますが、お客様に「なぜこんなに差が生まれるのですかね?」と聞くと、以下のことが分かりました。

成果を出した店舗:Better在庫に興味を持って、前向きに施策を実施
そうではない店舗:否定的な意見が多く挙がった

FULL KAITENによる在庫分析の結果は全社、全店で同じデータを見られますが、データからの示唆をどう生かすかはモチベーションによって変化することが分かりました。

斉藤 今までの方法を変えたくないという思いや、強い固定概念によって否定的になったマインドでは成果が小さくなってしまうこともあるのですね。永田さんがお客様のモチベーションを上げるために意識して取り組んでいたことがあれば教えてください。

永田 店舗でのお仕事は本当に忙しく時間もないので、お客様が短時間で店頭施策で打ち出す商品を分析できるように機能の改善などを進めました。実施した施策の振り返りでは、「とてもよい実績でしたよ!」と大げさなくらい褒めて「上手くいったんだ!次も頑張ってみよう。」と思っていただけるような接し方を意識していました。結果が芳しくなかったときはデータを踏まえた仮説もお伝えし、一緒に改善してきました。

あとは、なぜ数ある店舗の中でこの店舗で取り組みをさせていただいているのかもストレートにお伝えしました。

斉藤 自分や自店が『選ばれしもの』なのだと分かればやる気がアップしますよね!

まとめ

  • 客数を増やすのは難しい環境下では、顧客の最前線である店舗での客単価向上施策が有効
  • 施策は「いつ」実施するかのタイミングが極めて重要。ピークイン〜ピークの実施が肝
  • 成功のポイントは現場スタッフの主体性

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FULL KAITENでは在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにします。商品力を可視化することにより、利益を生み出す在庫とその施策を立てることが可能になります。


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