第2回ファッションECサミットに登壇しました
アパレル業界大手へのアンケートで選出された注目のECサイトやサポートツールの表彰式や記念講演を行うイベント「第2回ファッションECサミット2019」(繊研新聞社主催)が6月26日、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開かれ、弊社代表の瀬川直寛が『在庫適正化と経常利益増加を両立させる新技術 〜ジュン、アーバンリサーチ、UNDER ARMOURなど著名ブランドも採用したAI活用の現実解〜』と題して講演しました。
会場にはファッション業界関係者を中心に定員いっぱいの約150人が詰めかけました。瀬川は冒頭、直近20年で市場規模が3分の2に縮小する一方で商品供給量は2倍になっているアパレル業界の現状を紹介。供給過多に起因する余剰在庫→セール回数増→売価下落→大量生産・大量仕入れ――という悪循環があり、売れ残り衣料の廃棄に対する社会的批判の高まりのほか物流コストの上昇、10月からの消費税増税などの厳しい環境におかれていると指摘しました。
こうしたいくつもの減益圧力の中で経常利益を上げるため、需要予測や予測発注でのAIに対する期待が高まっていますが、瀬川はAIの限界に触れました。「AIも意外に予測を外すということが分かってきた。AIは魔法の杖ではない。懐疑的な企業が増え始めている」と説明。AIは幻滅期に入った、との米ガートナーの調査結果にも触れ、「需要はAIが予測し得ない要因によって左右される」と一刀両断しました。
そのうえで瀬川は、FULL KAITENの新技術を紹介。FULL KAITENはAIが販売予測を外すことを前提に設計してあり、予測が外れても、今ある在庫で売り上げを伸ばしたり、在庫を増やさないようにしたりということが可能だと強調しました。
具体的には、適正在庫と不良在庫との中間にある「過剰在庫」を多くの企業が見落としていると指摘。「過剰在庫の段階でメスを入れれば、利益を確保しながら在庫を売り切ることができる。キャッシュがたくさん戻ってくる。過剰在庫は宝の山だ」と説きました。
FULL KAITENはアパレル大手を中心に多くの企業で導入されており、瀬川はさらなる普及を通して「『不要なものを作る必要がない社会』の実現を目指している」と将来の目標を語りました。
続いて繊研新聞社大阪編集局の津田茂樹記者との対談が行われました。他社のサービスとの差異について、瀬川は「予測精度が出なくても在庫を削減できる。実務に役立つ設計だ」と強調。「ここ2、3年、AIは一種のバブルだった」と述べました。また、在庫管理や発注業務の属人性とFULL KAITENとの親和性に関する質問には「発注業務については、FULL KAITENのAIによる予測と人間の経験値とを対話させることができる」として、導入企業において使い方を発展させることができると語りました。さらに、新商品についても販売予測が可能になる新機能を早ければ今秋に追加する考えも明らかにしました。
また、導入企業での事例について、在庫評価のランク分けのほか、販売数量を増やす以外の売り上げ増加策の面で効果が表れていると説明しました。国連のSDGs(持続可能な開発目標)にも話題は及び、瀬川は「不要なものを作らないためにも、サプライチェーンの川上へ上るためのノウハウを蓄積したい」と語りました。
その後の表彰式で、瀬川は繊研新聞社の矢野剛取締役編集局長から第2回「ファッションECアワード」サポート賞を授与され、記念品の盾を受け取りました。
FULL KAITENはアパレル・ファッション事業者だけでなく、在庫を持って最終製品を販売するほぼ全ての業種で導入が可能です。弊社はそうした事業者の課題解決に貢献すべく、お問い合わせをお待ちしています。