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繊研新聞Fashion DX DAYs 2021で弊社代表・瀬川が講演しました

フルカイテン株式会社代表の瀬川直寛は2021年3月17日(水)、繊研新聞社が主催するファッション産業のデジタルトランスフォーメーションに関するオンラインイベント「Fashion DX Days 2021」で講師として登壇し、「在庫を制する者は粗利を制す~売上第一から粗利第一へ!在庫DX成功の秘訣~」と題して講演しました。

瀬川の講演の要約を以下にご紹介します。

「需要消失時代」は売上規模ではなく粗利を追え

売上第一から粗利第一への変革を、「在庫DX」という考え方でどのように実現していくかについてお話ししたいと思います。

まずは新型コロナウイルス感染拡大について触れます。2020年は4月から緊急事態宣言が発出され、3ヵ月くらいはお店に全くお客さんが来なくなるという大変なことが起きた1年でした。店舗売上が落ちたことで、相対的にEC化率が上がっていきましたが、ECによる売上で店舗の固定費まで賄うということは大変難しかったと思います。

コロナの影響はまだ続いていますが、人口動態からして日本市場は需要の消失が明らかです。2019年一年間で50万人の人口が減りました。2025年からは約50年にわたって毎年100万人前後の人口が減っていくことが明らかになっています。なお、人口動態は合計特殊出生率のような大きく変動しにくい数値で長期の変化を予測するので、様々な統計の中で最も信頼できるものの1つなんです。

つまり、コロナ禍で起きたことは、2025年を転機に起こる人口減少による需要消失と同じだということです。そうした縮小市場で起こるのが、顧客の奪い合いによる過度な価格競争です。

価格競争は既に始まっています。2020年、ギャップジャパンや良品計画が定価を下げたり、ジーユーが最大3割値下げしたりすることが明らかになりました。ここで注意していただきたいのは、彼らはコロナ禍で実店舗の客が減ったから値下げに踏み切ったのではないという点です。商品の発注からのリードタイムを考えると、コロナ禍の前から価格競争を見越して準備していたと捉えるのが妥当でしょう。

ただ、これら大企業以外の中堅・中小の会社が大資本の会社に価格競争を挑んでも勝ち目はありません。ではどうすれば良いか。ポイントとなるのが「粗利」なんです。

なぜかと言うと、いたずらに売上規模を追わなくても粗利を増やすことは可能だからです。

これから先も、従来のように売上規模を追うと価格競争に巻き込まれて利益を失い、企業体力を消耗します。そうではなく、粗利を追うと決断することが多くの企業に求められているといえるでしょう。

入荷から販売期間終了まで絶えず変動する在庫リスク

ここから本題に入ります。在庫と粗利というのは密接な関係にあります。

小売事業において、粗利を失うのは商品を売り始めてから販売期間が終わるまでの間です。入荷から時間の経過とともに在庫リスクが変化するからです(上図)。粗利は値引きによって削られます。さらに上場企業では在庫の評価減(棚卸資産評価損)によっても粗利を失います。

ということは、いかに値引きや評価減を抑えて余計な粗利の流失を防ぐかを考える必要があるということです。ところが、新商品の発注段階で「抜群の予測をしよう」と考える人が非常に多いんです。在庫リスクが発生するのは発注段階ではなく売り始めてからであるにもかかわらずです。

しかも、予測というのは、事前に予測し得ない外的要因によって結果が大きく左右されますから、いくらAIを用いても予測はなかなか当たらないのです。AIの権威として知られる東京大学の松尾豊教授も「AIをビジネスインフラとして使えるようになるにはあと20年はかかる」と仰っています。

では、小売に関わる私たちが自分たちの努力でできることは何かというと、運任せの需要予測ではなく、売り始めから販売期間が終わるまでの間にいかにして在庫リスクを抑えるかということです。

在庫を可視化すれば「欠品」は怖くない

ここからは具体的にどうすれば良いかみていきましょう。

まず1つ目は「在庫の質」を可視化することです。今お持ちの全ての在庫をフル回転、過剰在庫、不良在庫の3つに分類します。

フル回転は、今よく売れていて恐らく売り切れると予測できるもの。過剰は売れてはいるが今のままでは売れ残るもの。最後に不良はあまり売れていなくて、この先もほとんど売れないだろうという在庫です。この分類をSKU単位で行います。

ここで重要なのは過剰在庫です。弊社では過剰在庫を「隠れた売れ筋商品」と呼んでいます。もし新商品が入荷すると、販売担当の方は新商品を一生懸命売ろうとしますよね。すると、それまではよく売れていたフル回転な商品の販促が手薄になるんですね。こういうところで在庫リスクが発生するんです。

在庫リスクが生じた商品は、3分類でいうとフル回転から過剰在庫へ転落します。同様に過剰在庫だった商品も放置すると不良在庫になってしまいます。日々データを観察していると、このような在庫リスクの“玉突き事故”が起きていることが分かります。

ここで重要なのは、過剰在庫は決して商品力が落ちたのではなく、販促が手薄になったことで在庫リスクが生まれたということです。商品によってはまだまだプロパーで売れますし、値下げするにしても薄い値下げでの販売が可能です。

具体的には、弊社が開発する在庫DXクラウドシステム『FULL KAITEN』の画面では、下図のように過剰在庫の一覧を見ることができます。

例えば店頭で再打ち出しする商品や販売スタッフに着用させる商品を決める時、あるいはメルマガやSNSで推す商品を選定する際に、過剰在庫という隠れた売れ筋商品の中からピックアップするということです。

すると手持ち在庫を使ってまだまだ売上・粗利を伸ばすことができるうえ、在庫が減っていきます。

もう1つは客単価に着目したやり方です。下図の棒グラフをみると、客単価7000円台がボリュームゾーンであることが分かります。ということは、7000円より上の客単価の買い物(注文)が増えれば全体の客単価は向上しますよね。

逆に言うと、6000円台以下の客単価の買い物(注文)は減ってくれた方が平均客単価は上昇します。FULL KAITENでは、7000円超の客単価の買い物(注文)を増やすのに貢献する商品を一覧表示します。それらの販促に注力すれば、狙っている7000円台の以上の客単価の買い物(注文)が増えることになります。

欠品を気にし過ぎると在庫は増える一方です。そうではなく、狙いたい客単価の買い物を増やすのに貢献する商品の中で在庫がある商品をしっかり打ち出していくことが重要になります。こういう考え方をしてもらうと、客単価は狙いどおりに上がります。その結果、既にお持ちの在庫からもっともっと売上と粗利を増やすことができるようになります。

まとめ:データ集計・計算を自動化

弊社は在庫に関する悩みであれば、大抵のことは解決に向けてお役に立つことができます。

FULL KAITENの提供価値は、皆さんが今お持ちの在庫で売上と粗利を最大化させることです。だから結果としはて在庫が減っていくのです。

同じ事を自力で実行するには、各社でお持ちのデータを利用してかなり複雑な計算をする必要があります。これに対し、FULL KAITENは必要なデータの集計・計算をほぼ自動化します。

データの集計や計算という業務は、それ自体は付加価値を生みません。そうした作業は自動化し、付加価値を生む作業にリソースを振り分けましょう。

FULL KAITENの活用事例はいくつかあります。詳細は弊社ウェブサイトの「導入事例」ページをご覧ください。

また、「システム面で不安がある」「ITに疎い」という声も少なくありません。ただ、弊社にはFULL KAITEN導入前のデータ連携支援と、導入後のシステム活用支援を行う専任チームがありますので、まずはご相談いただければと思います。

フルカイテン株式会社は本講演の内容をより分かりやすく、より詳細に説明する無料オンラインセミナーを2021年3月25日午前11時から開催します。

テーマは「在庫DXでEC売上は上がる!~2ヶ月で昨対比25%売上増の裏側を公開~」です。お申し込みはこちらから。

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