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店舗×EC連携の秘訣は”リアルタイムな在庫データ”|アパレル支援歴20年のposcm常務取締役が語る

※最終更新日:2022年10月14日

2020年に発生した新型コロナウイルスの影響で、アパレル業界もデジタル化が加速しています。ですが、アパレルDXを推進していく上で在庫管理は非常に重要です。

アパレル業界にとって最も深刻な課題である在庫管理について、約20年に渡りファッション・アパレル業界へソリューションを提供している、株式会社ウェブベース常務取締役の野口様にお話をお伺いしました。

野口 聡之 氏 (株式会社ウェブベース 常務取締役)

1970年大阪生まれ。 大手IT企業(総合メーカー)を経て、1999年「ウェブベース」設立に参加。ファッションアパレル業界を中心にソリューションの企画〜製造販売、サポートまでを一貫して提供するとともに、業界応援プロジェクトとして様々な企画を実施中。

2020年度アパレル市場規模18.1%減
コロナで180度変わった消費者の動き

――コロナの影響でアパレル業界は大打撃を受けたと思いますが、20年以上業界に携わる中でどのような影響を肌で感じましたか?

まず2020年4月の緊急事態宣言によりお店を開けられず、在庫が動かない状態となりました。さらに第2回、第3回と何度も緊急事態宣言が発令されたため、コロナによって消費者の動きが変わってしまったと思います。

売上でいうと、2020年度は前年比で20%、30%という状況の企業が多かったのではないでしょうか。2021年10月ぐらいからコロナが落ち着きを見せ始め、今年は全体的に70%程度まで回復してきましたが、まだ影響は続くと思います。

・折れ線グラフ:国内アパレル総小売市場規模
・棒グラフ:前年比率

※フルカイテンによる引用
※出典:国内アパレル市場に関する調査(矢野経済研究所

在庫管理にはリアルタイムの在庫データが必須

――ECが台頭した影響でより在庫管理が難しくなったと思いますが、在庫管理における課題とは何があるでしょうか?

コロナがきっかけで在庫管理を見直す企業が増えてきましたが、以前からアパレル業界にとって在庫管理は深刻な課題でした。2000年代までは物は作ったら売れるという時代でしたが、今は売れる分だけを作るという時代です。

特にアパレルは多品種小ロットという属性、海外からの輸入などによりリードタイムが長い商品があるため、発注数が見込みから外れることがあります。だからといって見込みより少なく発注し店頭にスペースを作るわけにはいかないので、店舗が多い企業ほど余分に在庫する傾向があり、売れなかった場合、最悪黒字倒産になってしまう企業が出ます。

またアパレルはシーズン性があるため、売れるタイミングが4週間〜8週間程度しかなく、加えて流行もあります。できるだけ短期間でいかにプロパー消化するかを考えていかないと、在庫過多となり薄利で売るしかなくなってしまいます。

そのため適正な在庫管理は必須です。ですがある程度の在庫も確保する必要があるため、何をどれだけ発注すれば良いのかと悩む企業が多くあるのです。

――アフターコロナに対応するために在庫管理に必要なことは何でしょうか?

まず在庫の増え方として、売上を伸ばすと相対的に在庫数が増えていくという特徴があります。そのため受注生産にしない限り、消化率100%にはなりません。仕入れを感覚で行ったり、品番レベルでカラー・サイズごとに比率を変えずに仕入れをすると、在庫消化率が下がることになります。

そのためまずは在庫を可視化すること。そしてEC、店舗などあらゆる垣根を取っ払って、在庫、情報、顧客を共有することが、今後生き残っていくために必要なことだと思います。

――在庫管理を行う上でのポイントは何でしょうか?

店舗の場合は売り場の面積が限られている中で、陳列の見せ方とどの在庫をどれだけ積むかをバランスよく見る必要があります。そのため在庫に関する情報を、リアルタイムに本部と店舗が同じ目線で判断していかなければなりません。

例えば店間移動の場合、全店で消化率が悪い商品を把握しどの商品をいくつどこに移動するかを考えますが、そもそもデータがなければ集計からやらなければなりません。更に在庫状況は常に動くため、リアルタイムに情報を確認する必要があります。

以前は昨日時点での在庫を見て判断しても問題ありませんでしたが、今はリアルタイムに情報が更新される精度の高いデータを見て臨機応変に対応することが重要なのです。

店舗とECを横断し在庫データを活用することで機会損失を抑制する

――精度の高いデータを使って具体的にどのようなことができますか

昨今、OMO(※)という考え方が主流ですが、お客様の利便性や顧客満足度を高めることが重要です。そのため、例えばお客様が店舗へ来店した際に在庫がないという状態は機会損失に繋がります。

店舗起点の場合でも、EC起点の場合でも、店舗とECを連携してリアルタイムの在庫データを確認することで、提案の幅を増やし機会損失の抑制や売上向上を可能にします。具体的には以下のような事例がございます。
(※)OMO(Online Merges with Offline):顧客体験の向上を目的とするマーケティング手法

  • poscm事例
    • 店舗に在庫がない場合でもECで在庫があれば機会損失を逃さず、且つECでの売上と会員登録数が増加した
    • ECでの売上データをインポートすることでECと店舗を横断した販売分析が可能となり、平均購入数の増加などにつながった
  • 他社事例(フルカイテン調べ)
    • 店舗起点
      • お客様から商品の色違いやサイズ違いがあった場合、近くの店舗への誘導や自宅配送などの提案が可能になる
      • 3Dスキャナーでの採寸を店頭で行いアプリに保存できる仕組みを作ることで、ECのデメリットである「サイズが合うかどうか」を解消した
    • EC起点
      • ECで購入した商品の店舗受け取りを可能にすることで、クロスセルに結びつき売上向上に繋げることができる
      • Instagramで認知を獲得し、実店舗での接客や試着を通してECでの売上を増加させる

EC×店舗を成功させる3つのポイントはこちら>

細かい在庫管理で4,024着の在庫削減!poscmとは?

――poscmについて教えてください

弊社は各店舗の売上、在庫、顧客情報をリアルタイムに共有できる「poscmシリーズ」の開発、販売をしております。
poscmのポイントは大きく分けて3つございます。

  1. 在庫差異を抑制し、在庫管理の精度を向上させる
    • 在庫差異の発生しやすい倉庫からの入荷時、他システムと連携し出荷データと入庫検品を紐付けて管理することで、分納時でも在庫差異を出す心配がない
    • 棚卸時、帳簿在庫と実棚を突き合わせた差異を出すことができるため、すぐにどの商品が何個ないかを確認できる
  2. リアルタイムに在庫状況を可視化し、欠品による機会損失を抑制する
    • 在庫照会をする際に、取り置き分や移動中の在庫数、入荷時期まで確認することができるため、機会損失を抑制
    • 単品だけではなく品番単位で商品を集約して確認できるため、あらゆる視点で在庫照会や売上分析が可能
  3. EC、店舗横断して在庫状況を可視化し、売上向上に繋げる
    • CRMや顧客情報と連携することによりお客様に合わせた提案が可能になり、店舗での接客に活用できる
    • 店舗間でのメッセージ機能により、その場で来店予約が可能になるなどお客様に対するスムーズなリアクションを行うことができる

poscmの資料ダウンロードはこちらから>

poscmで作成した精度の高い在庫データを、FULL KAITENに連携をして頂くことも可能です。
FULL KAITENは精度の高い在庫データを活用して、EC・店舗・倉庫、全ての在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力をワンクリックで見える化することが可能です。商品力はあるのに眠っている在庫を明らかにすることで正しく手を打つことができ、早く在庫を利益に転換させることができます。

poscmとFULL KAITENを一緒にお使いいただくことで、より最適な在庫コントロールを実現可能になると考えております。

FULL KAITEN製品資料のダウンロードはこちらから>

――野口様が推進している「業界応援プロジェクト」について教えてください

弊社は創業以来アパレル業界のお客様に非常にお世話になったことから、「WEBROAD」という業界応援プロジェクトを行なっております。具体的には、小さい企業様やこれから立ち上げるという企業様に向けて、商品撮影やブランドのPR動画撮影、ファンミーティングを開催できるような空間及び機材を無償で提供しております。

アパレル業界はInstagramへの投稿やライブ配信が主流のため、ブランド情報発信基地としてまずは支援したいと思いプロジェクトを始動いたしました。お申込みいただければ無償で提供可能ですので、是非お問合せください。

――最後にコロナ渦で頑張るアパレル企業へメッセージをお願いします

ファッションは文化のため、どんなに消費者の買い方が変化しても絶対になくならないと思います。服というのは個性を引き出すものなのでメンタルに直接影響するものです。アパレル企業1社1社が活力を取り戻してくれることで世の中も良い方向に進んでいくと信じています。

我々は今後もこの業界に対して恩返しができるよう、ソリューションの強化や応援プロジェクトを推進していきますので、お困りの際はぜひお声がけください。

まとめ

コロナがアパレル業界へ与えた影響
・幾度となく発令された緊急事態宣言により消費者の動きが変わってしまった。

アフターコロナに対応する在庫管理とは
・アパレルはシーズン性があるため、できるだけ短期間でいかにプロパー消化するかを考えていかないと、在庫過多となり薄利で売るしかなくなる。
・EC、店舗を横断し、在庫、情報、顧客を共有することが、今後生き残っていくために必要。

売上アップに繋がる在庫データの活用法
・EC、店舗を横断してリアルタイムの在庫データを確認することで、提案の幅を増やし、機会損失を抑制することができる。

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「poscm」についてのお問合せ先
株式会社ウェブベース https://www.web-base.co.jp/
TEL:0120-977-054


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