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「haco!」様の変革に伴走した3年間。課題の変化に気づき業務フロー改善にも踏み込んだ支援の全貌とは

株式会社cd.

レディースアパレル

小売
EC

株式会社cd.が運営する、ファッション通販「haco!(ハコ)」。

LOVE,PEACE,PIECEというスローガンを掲げ、オリジナルアイテムや多数のブランドアイテムの販売やプロジェクト運営を行うECサイトです。

今回は、haco!のセールスマネージャーとして、haco!で展開する商品の販売統括に従事されているhaco!事業部 セールスマネージャーの道満(どうまん)様に、現在の課題や約3年にわたってFULL KAITENを活用頂いている理由も伺いました。

FULL KAITEN契約当時と現在ではお客様が抱える課題は変化しており、その課題に対してどのように突破してきたかのストーリーは必見です。キャリー在庫の消化や新商品の発注判断などにおいて効果を感じていらっしゃいます。

※本稿に含まれる情報は、2023年9月時点のものです。

AIによる在庫分析サービス FULL KAITEN〈在庫分析〉についてはこちら

左:株式会社cd.「haco!(ハコ)」セールスマネージャーの道満様
右:同社をご支援している弊社カスタマーサクセスの永田

斉藤(筆者) 本日はありがとうございます!道満様のお名刺には「セールスマネージャー」と記載がありますが、haco!では「店長」ですよね?

道満 そうです!普段から、どんな人にとっても理解できるかをよく考えていて、お客様にとっては「セールスマネージャー」と言われてもよく分からないと思います。なので店長としてhaco!やSNSにも登場しています。セールスマネージャーの前は、お洋服の企画を7年ほど担当していました。

FULL KAITEN導入当初から現在までの課題の変化

斉藤 貴社はFULL KAITENを約3年にわたって活用していらっしゃいます。この3年間でどのような課題に直面し、どのように乗り越えたか教えてください。

道満 FULL KAITENと契約した2020年ころの課題は、『滞留在庫の消化』でした。その頃はオリジナル商品の比率が高いという傾向がありました。取り決めとして在庫の焼却処分は行わないことを決めており、工夫して在庫消化を進める必要があります。過去の商品の在庫が多数あったのですが、FULL KAITENの活用も寄与して、滞留在庫はほとんどなくなりました。

課題が変わったのは2022年の冬頃でした。それまではオリジナル商品をメインで扱っていましたが、委託商品の取り扱いが始まり、今では数十社の取引先がいらっしゃいます。委託商品や、セレクト商品、オリジナル商品を共存させるために、セールスマネージャーとして何をすべきか考えも変わると同時に、FULL KAITENの使い方もかなり変わりました。

斉藤 なるほど。FULL KAITENの使い方も変化したという事ですが、アパレル業界の市況の変化も影響しているのでしょうか?

道満 はい。業界全体は競合が増え厳しい面はあると思います。原料や工賃も高騰しコスト自体は上がっていますが、お客様がアパレル業界に求めるイメージ単価は下がっていないと思います。ずっと同じことをするわけにはいかないですし、お客様との接点の作り方にも更なる工夫が必要です。

斉藤 お客様との接点の作り方には、どのような変化があったのですか?

道満 今までは自社メディアやSNSを通してお客様とコミュニケーションをとっていました。しかし、そのような施策を実施する競合他社が増えたことで、弊社を思い出して頂くことにさらなるパワーが必要になってきていると感じています。ですので、お客様一人一人に「自分の生活と寄り添ってくれているな」と思って頂くことが重要です。

弊社はコンテンツ力を軸にしてきましたが、更に何かもう一つ、『引っかかり』が必要です。今はこの世にない商品というのは中々存在しないと思うので、誰から買うかにも影響が出てきていると思います。最近はD2C(製造者がダイレクトに消費者と取り引きをするビジネスモデル)なども台頭していますが、コンセプトが分からないものは目にとまらなくなっているのが現実。ですので、今私たちはどういうことを思っている会社、ブランドなのかを明確化することがすごく大事だなと思っています。

斉藤 想いを言葉にして伝えるのは大切ですね。

道満 そう思います。商品を売るために様々な最新技術を活用することも大事ですが、それだけでなくコンセプトの精度をあげていくことが必要かと思っています。「haco!」サイトを見て頂ければ分かりますが、コピーや商品名も長いです。ディテールひとつとっても、何が伝えたいことなのかをハッキリさせるようにしています。現在は、自社オリジナル商品だけではなく、他社様の委託品も販売させて頂きカテゴリーが増えています。だからこそ、どのような商品があるのかきちんと伝えていくことにも集中したいです。

また、事業もブランドもさまざまな展開がある現状ですが、その中でも何に力を入れるのかを明確にしていく必要も感じています。

斉藤 具体例を教えてください。

道満 2023年8月にデビューした弊社のpipiripapiri(ピピリパピリ)というブランドがあります。これは弊社が取り組みたいことと、haco!が掲げている「LOVE PEACE PIECE」をそのままストレートに具現化したアイコニックなブランドです。

pipiripapiri(ピピリパピリ)についてはこちら

弊社は自社工場を持っていない分、商品に思いを込める部分に自信が持てないと、それこそ何を伝えたい会社なの?という風になってしまいます。

先程例に出したpipiripapiri(ピピリパピリ)は、コレクションブランドであるRBTXCO (https://www.instagram.com/rbtxco)のデザイナーであるであるヒガシテッペイさんと一緒に作りました。ヒガシさんとは弊社がカタログでお洋服を販売していた頃に初めてお会いしたのですが、実現したい世界について共鳴するものがありました。

今回は、お洋服のデザインというよりも、どういう企画、コンセプトにしていくのか、というところから協働しています。

老若男女誰でも楽しめて、あなたそのままで素晴らしい、ということを伝えるアイテムなので、デザインの部分でも弊社のお客様に喜んで頂くことができました。それぞれに最適化していくお洋服も沢山ありますが、pipiripapiri(ピピリパピリ)は、『誰でもオッケー』な企画であることをストレートに伝えています。

永田 pipiripapiri(ピピリパピリ)は付け袖や、付けポケットなどの追加できる組み合わせがワクワクしますよね!

道満 そうなんです!この取り組み自体が面白くなっていくようにしたいですし、弊社に出店してくださって、一緒に何かを実現しようとしてくださってる方々とも実現したい未来を一緒に叶えていく一つの方法でもあると思っています。pipiripapiri(ピピリパピリ)の登場で、結構方向性が変わると思います。

斉藤 なるほど。新ブランドの販売で様々な方向性が変わるとのことですが、今後はどのようなシーンでFULL KAITENを活用しますか?

道満 2023年の年初からは滞留在庫の消化を進めてきましたが、今は、上手く売れている商品をどう引き上げるかに関してFULL KAITENを使っています。永田さんが毎週注力商品のリストを出して下さったり、アラート的な情報をサポートしてくださったり、今何が起こっているかや何が危ないのかも把握したうえで、新商品の追加判断をしています。

永田 取り扱っている商品のカテゴリも増えましたよね!

道満 はい。今までは、アイテムカテゴリーとシーズンを注視していましたが、ワンピース一つとっても、どのブランドのワンピースかを見て、どんな施策をするか考えるようになりました。FULL KAITENの商品グループ比較機能がとても役立っています!

商品グループ比較のデモ画面

永田 それはよかったです。2022年末に道満さんから「FULL KAITENをさらに活用する方法が見出せていない。」と言われた際は、正直どうしようかと思いました。

年明けに、仕切り直しのミーティングをして「ぶっちゃけFULL KAITENってどうですか?もう遠慮せず何でも言ってください!」という場を設けましたよね。そこで、「キャリー品を作らないために新商品の分析をしたいです。」と仰ったので、新商品を追加するか判断するための定義を決めることになりました。

定義の例

  • 初速の良い商品は発売後4週以内と定義し、追加発注の候補に入れる
  • ピーク以降を10週以降として、10週以降は売れていない(値引き検討)と定義する

道満 そうそう!永田さんが必死に考えて下さって、今後見ていく指標を明確化してくれて凄くありがたいなと思いました。

弊社が課題と思ってるものがすり替わっているのに、今までと同じことをしていたので、FULL KAITENがはまらなくなっていたことに気が付きました。

弊社代表の葛西からは、「やめることは簡単にできるけど、FULL KAITENを作った瀬川さんが志としていることに共鳴して始まったことを、ちゃんと全て実現できたと思う?」という言葉を投げかけられてハッとしました。

現在FULL KAITENは、本当になくてはならない存在です。

斉藤 貴社の中でそのようなやりとりがあったことは初めて知りました!道満様と同じチームのメンバーの反応はいかがでしたか?

道満 弊社のディストリビューター担当も、以前はFULL KAITENを参考値として一番最後の確認で使うことが多かったのですが、現在はセールの判断でも四象限の区分けや消化予測日も重要な指標として見ています。私もセールの判断がしやすくなりました。

補足: FULL KAITENでは全ての在庫をBest、Better、Good、Badの4つに分類し、完売予測日と売上・粗利貢献度をクロス分析することで本当の在庫リスクを予見できます。完売予測日だけでは在庫の消化スピードを予測しているにすぎませんが、本当は、消化スピードが早く、値引きせずに売れる売上貢献度の高い商品こそが優秀な商品です。

  • Best_早く売り切れそうで、売上・粗利にも貢献する「売れ筋在庫」
  • Good_早く売り切れそうだが、売上・粗利には貢献しない「様子見在庫」
  • Better_売り切るのに時間はかかるが、売上・粗利に貢献する「隠れた売れ筋在庫」
  • Bad_売り切るのに時間がかかり、売上・粗利にも貢献しない「危険在庫」
Best、Better、Good、Badの四象限。FULL KAITEN〈在庫分析〉クオリティ分析のデモ画面より

永田 在庫分析の作業時間は短縮されましたか?

道満 はい。以前よりも短縮されたと思います。今は、弊社の要望に素早く対応してくださるようになって助かっています。FULL KAITEN側のシステムチームが増えたことも関係していると思いますが、以前は少数精鋭で各社リソースの取り合いで、「いつか変わるだろう…」と変わらないものとして見ていました。

現在は、永田さんが貴社の各チームとコミュニケーションを取っていただいてるので、どんどん良くなっている感じがします!

永田 ありがとうございます!

契約更新の決め手は、カスタマーサクセスの支援と機能のアップデート

斉藤 今回の契約更新の決め手を教えてください。

道満 永田さんをはじめ、貴社の皆さんが弊社の変革に一緒についてきて頂いたのがすごく大きいなと思っています。

貴社は、私たちが取り組もうとすることに対して課題は何かを一緒に話して、それに対して、何ができるかを考えて下さいました。これからも一緒にやっていけるだろうなと思い更新の判断をしました。これは、永田さんが尽力してくださった賜物だと思います。

永田 とても光栄です!今回の更新は、前回の更新と違うと分かりましたし、FULL KAITENを本気で活用したいという気持ちで更新してくださったことが伝わってきました。

斉藤 今後注力することを教えてください。

道満 ひとつは、pipiripapiri(ピピリパピリ)を成長させたいです。このブランドは『世界平和』のように誰も否定せず、皆がそのままでよい社会を実現していくことがラブとピースに繋がるベースを作っている部分があります。

そう考えたときに、「このブランドの撮影は、お客様に協力して頂きたい!」となりました。モデルとして出ているのは50人のお客様です。全員の個性や経験を商品一つ一つにのせて、同一化されていない世界を作りたいと思いました。そして全体としては、LOVE PEACE PIECEというコンセプトに共鳴してくださるブランドさんや事業とどんどんつながっていきたいです。そして、パッションあふれる人やものがあふれる状態を目指していきたいです。

永田 貴社のサイトを拝見すると、いつもコピーから想いの強さを感じます。

道満 言葉に対してのこだわりは強いです。それこそ、代表の葛西がスーパーソウルフルな人なので、言葉にも魂を込めている部分はかなりあると思います。

ECサイトとしての効率化はある程度必要ですが、そこに集中しすぎてはいけないと感じる部分と、決してお客様に分かりにくいサイトにしたいわけではないので、弊社らしさは共存させたいです。

皆が共通した数値を見ることで、事業を成長させたい

斉藤 今後FULL KAITENを使って挑戦したいことや、今取り組んでいることも教えてください。

道満 今まさに、オリジナル商品以外の委託商品を販売したり、haco!に参加して頂く方を増やしていったりしているので、皆が共通で数値を見られるものは絶対に必要です。弊社での販売実績の共有はExcelデータを送ることが主なのが現状です。ただどうしても時間がかかっている。そこを進化させていけるといいなと思います。

斉藤 最後に、永田に対して普段言えない想いなどありますでしょうか。

道満 「めっちゃありがとうございます!!」と伝えたいです。永田さんは『私がコミットするぞ』という感じで、FULL KAITENを売っているというよりも、FULL KAITENを使って弊社を良くしようとしてくださいます。なので、永田さんのことを貴社の営業の人とは思わないです。

永田さんは普段から、「どう思います?」と聞いてくださるので、私達としても「こういうことできるかも!」と考えやすいです。永田さんがこういう接し方をし続けてくださったおかげで、チーム以外のメンバーも今では「これはできますか?」と言うようになったと思います。

斉藤 永田のご支援の賜物ですね!

道満 本当にそう思います。それに、FULL KAITENのシステムは、この1年でかなり進化しましたよね!

永田 はい。これは以前貴社をご支援していたプロダクトオーナーの島田の尽力もあり、実現できたことです。島田は元々私と同じカスタマーサクセスとして最前線でお客様の支援をしていたこともあり、お客様の課題を踏まえて、なぜその開発が必要なのかを開発チームに伝えることができるため、ここまで早く進化できたと思います。

道満 そうだったのですね!島田さんや貴社の皆さんのおかげで、随分使いやすくなっています。ありがとうございます。

取材後記

今回は対面での取材でした。haco!様のオフィスに到着すると、道満様が「初対面~!!」と無邪気に挨拶してくださり、こちらの緊張もほぐれました。

2022年の年末には、お客様が課題と思ってるものがすり替わっているのに、今までと同じ施策をしていたことで、FULL KAITENがフィットしなくなっていたことに気が付きました。

この変化に気が付く前は、「今後のFULL KAITENの活用法が思いつかないです。」と道満様から率直なご意見を頂きましたが、永田のご支援によりお客様の課題を解決する方法を見出しました。

このような紆余曲折を知っているからこそ、今回の取材でお客様と永田が弾ける笑顔で話していたのが、スローモーションのように見えて、こみあげるものがありました。

こんなに間近でお客様の笑顔を見ると、「FULL KAITENを通じて、お客様をもっと笑顔にしたい。」と強く思ったインタビューでした。

今後も弊社一丸となり、お客様の成果に最大限貢献してまいります。

左から、斉藤(筆者)、道満様、永田(弊社カスタマーサクセス)。取材の最後に記念撮影

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