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ゲオクリアDBの武藤様に聞いた!FULL KAITENって正直どうですか?在庫回転率が1.7倍に伸長した理由とは

株式会社ゲオクリア

レディスアパレル/メンズアパレル

小売
実店舗

FULL KAITENを導入するお客様の実利用者に焦点を当てた連載「お客様に聞いた!」を始動します。

今回は、メーカーや小売店などから販売時期を逃した商品や余剰品を仕入れ、低価格で販売するオフプライスストア「Luck Rack(ラックラック)」を運営する株式会社ゲオクリアの武藤様を取材しました。

武藤様は株式会社ゲオが運営するセカンドストリートなど子会社も含め、15年間勤務されています。現在は、OPS商品課のディストリビューターとして、FULL KAITENのクオリティ分析を用いて売価変更や在庫運用の計画を策定する業務を担当していらっしゃいます。

2022年9月にFULL KAITENの導入事例として公開したLuck Rackの取材では、以下の成果をご紹介しました。

FULL KAITENの活用により、大きな負荷(人的コスト)がかかっていた「在庫分析」を自動化した結果、きちんと粗利益を取りつつ在庫の消化スピードを上げる仕組みが定着してきました。在庫回転率はFULL KAITEN導入から半年で1.3倍に上がり、通年では1.5倍超になる見込みです。

株式会社ゲオホールディングスIT企画部の李基丞様のインタビューより引用

このインタビューでは、FULL KAITENを日々操作している武藤様に、以下を中心に伺いました。

・FULL KAITEN導入時の心境や社内の反応
・どのように業務定着させたか
・FULL KAITENを用いたルーティン業務
・直近の定性成果と定量成果
・弊社カスタマーサクセスの支援

「FULL KAITENって実際どうなの?」という疑問を少しでも解消できれば幸いです。

写真中央:武藤様 右:藤本(弊社カスタマーサクセス) 左:斉藤(筆者・広報)

※本稿に含まれる情報は2023年3月時点のものです。

【斉藤】本日はよろしくお願いいたします。取材を快諾いただき、ありがとうございます。
【武藤様】こちらこそよろしくお願いいたします!いえいえ、弊社がお役に立てることがあれば何でも仰ってください。
【斉藤、藤本】ありがとうございます!今日はFULL KAITENに関する率直なお話を沢山伺えればと思います。

1.導入直後から業務定着までの流れ

――FULL KAITEN導入に至った背景は社内でどのように共有がありましたか

武藤 私やチームのメンバーは、FULL KAITENを導入することが決まった段階で株式会社ゲオ IT企画部の李や社長の川辺から話を聞きました。導入することは決まっておりましたので、弊社内で企画したFULL KAITENの説明会に参加しました。説明会の中で、弊社にとって必要なシステムだと感じたので、李や社長の川辺も同様の判断をしたのだと想像しています。

――当時、Luck Rackが一番解決したい課題は何でしたか

武藤 まず、販売力の強化です。Luck Rackの認知度はまだまだ伸びしろがありますが、店舗で販売力をつけるならどのようにすべきか考えた際に、プロパー販売やセール商品の販売を強化するなど様々な方法に枝分かれしました。最終的には、セール商品も効率よく販売したいという課題も挙がりました。

しかし、FULL KAITEN導入以前は、在庫に関するデータを一元化したり業務を定型化したりすることがあまり出来ておらず、販売在庫と元データがそれぞれ別で管理がされていたため、それを一元化するために実務者が結合する作業に時間を要していました。加えて、Excelデータは容量も重たくスピードが上がらない部分もありましたので、導入に至った部分はあると思います。

――FULL KAITENを導入すると聞いて率直にどう思いましたか

武藤 今でこそFULL KAITENが業務に定着していますが、定着する前は、全てが真新しい情報でした。まず販売在庫データを一元化できて、四象限のマトリクスで表現されており、すぐ販売状況が分かるのは、とても助かるなと思いました。
パッと見て在庫状況が分かるシステムなので、私はものすごくポジティブな感覚でした。

FULL KAITENは全ての在庫の商品力を4つに分類する

――「仕事が増えるな…」とは思わなかったですか

武藤 抵抗は本当に無かったですし、商品分析に至るまでの操作方法や流れも簡潔です。習慣付けするには、すごく使いやすいシステムだと思います。

――チームの皆様の反応はいかがでしたか

武藤 大きな実務時間の削減が見込まれましたし、ポジティブな反応でした。中には「FULL KAITENで分析ができることは分かったが、これを実務にどう生かすのか?」という声はありましたが、結果としてこの点は貴社(フルカイテン)とのミーティングで順次決めることになりました。

――導入当初にFULL KAITENに対してどんなことを期待しましたか

武藤 第一に販売力の強化という課題を解決したいと思いました。特にセール商品の定期的な価格の見直しによる売上への貢献と在庫回転率の改善ができるだろうと大きな期待を寄せていました。

――現段階でFULL KAITENは期待に応えられていると感じますか

武藤 期待通りの効果が出ていると思います。まず大きく実務時間が削減できています。 例えば、売価変更という作業をする際は、商品リストを作りそのリストに変更価格を載せて店舗に指示を出すという業務があります。FULL KAITEN導入前はここに至るまでの下準備にものすごく時間を要していました。

それが、FULL KAITEN導入後は、クオリティ分析の四象限(Best、Better、Good、Bad)に該当するものをピックアップするだけでリストがほぼ完成します。これは圧倒的な違いですね。

販売力を高める期待もありましたが、同時に人的コストをどれだけ抑えることができるかも課題に上げていました。現在は特にディストリビューターの実務が効率化されており、数値で表すと、作業時間はFULL KAITEN導入前と比較して50%減です。

―― 具体的に作業時間はどれくらい削減したのですか

武藤 以前は私一人で 週次の売価変更の業務を週に20時間ほどかけて行っていました。現在は、私が行っていた業務の型をFULL KAITEN上で作り、メンバー各人がそれぞれ分担した作業を合算して週に10時間まで削減できました。ですので、1人あたり3~4時間で完結しています。

SKUごとに、適切なオフ率で、早めに売価変更し、速くお金に変えていくというマインドが根付く要因になったと思います。これは劇的な変化で「FULL KAITEN、本当にありがとうございます!」と思っています。

FULL KAITENの導入で変化したことを話す武藤様

――FULL KAITENを使って武藤様やメンバーが助かったことがあれば教えてください

武藤 今まで私一人で取り組んでいた売価変更の業務は、同じチームの3人がしっかり分担できています。FULL KAITENは皆が理解しやすく水平展開できるシステムなので助かっています。

ちなみに、仲間の一人は新卒入社で2年目なのですが、FULL KAITENを使えばキャリア15年の私とほぼ同じ作業ができており、これが証拠だと思います。

もちろん事前にルール設定やスケジュールなどを決めた上での売価変更ですが、実務という部分ではしっかり機能しているので、皆が助かっています。

――励みになります。FULL KAITENを使って創出できた時間はどのように活用していますか

武藤 私はディストリビューターとしてレディースを担当しているのですが、全社の在庫運用の計画業務も担っています。なので実務をする時間より、計画に充てる時間が増えたのは、何より大きいです。これにより事前にスケジュールを組めるようになりましたし、先回りして、「こういうことが予想されるから、こうしていきましょう!」という提案もできるようになりましたので、自分の働き方も大きく変わったかなと思います。

――分析業務に追われると余裕がなくなって、短期的な目線になりがちですよね

武藤 そうですね。今は業務設計を考えられるようになったので、頭で描いてるものを資料に落とし込む時間ができたのは、すごく大きいことだと思います。

――以前のように週に20時間も売価変更について考えると、頭が疲れますよね

武藤 はい。当時は目の前の作業を優先しなければならないので、良い案を思いついても数日経つと忘れてしまったり、精度が上がっていかなかったりということが起きていました。今はまとまった時間を使って、計画を立てることができるのはすごくポジティブだと思います。

――FULL KAITENを一週間の中でどのように使用しているか教えてください

武藤 ルーティーン化しているので、それに沿ってFULL KAITENを操作しています。

月曜日:全週まで実績を含んだ直近30日の全社実績を分析。その結果を基に、事前に取り決めた価格変更をするためのルールとスケジュールに沿って、リストを作成。

火曜日:月曜日に作ったリストを基に、MDやディストリビューターがリストを精査。

水曜日、木曜日:火曜日に確定したリストをFULL KAITENに登録。

金曜日:FULL KAITENを使って創出した時間で、在庫運用の計画などを策定

週明けは、水曜日と木曜日にFULL KAITENに登録したリストの分析をして、どれくらい販売実績が上がっているか週次で確認するというルーティンです。

――ここまで型が決まっているのは素晴らしいですね

武藤 これは貴社カスタマーサクセスの藤本様のサポートのおかげです!

【藤本】ありがとうございます!皆さんがどんどん話を進めてくださるので、本当に助かっております。私は主に売価変更のルール決めを、皆様と一緒に考えさせていただきました。曜日ごとに実施する業務をルーティン化していらっしゃるのは、本当に素晴らしいです。

――FULL KAITENを使う時間は週にどれくらいとっていますか

武藤 月曜日に分析結果を抽出する作業は、保存してある条件を指定して分析結果をCSVに落とすだけなので15分程度で済みます。

水曜日と木曜日にそのCSVのファイルを元にExcelデータ化したリストをFULL KAITENに再登録するのですが、そのシステムに登録をするという作業はボリュームによって、1~2時間ほどかかります。これは、私たちが細かくリストを登録している影響もあると思います。

月曜日の実績分析も、基本的には分析結果をCSVで落として内容を見ているので15分ほどで完了します。長時間パソコンとにらめっこしながら使っている感じではないですね。

その分、登録したリストを社内や店舗に共有して施策を進めることに注力しています。

――FULL KAITENを習慣化出来る人と出来ない人の差は何だと思いますか

武藤 習慣化できる人は、システムに効果を求めるのではなく、システムからどう効果を引き出すかを考えているように思います。ですので、このシステムをどう捉えて実務に応用するのかを考えています。前提としてポジティブに捉えるということが大事です。私のような実利用者は、与えられたシステムと機能を理解して、それをどのようなスケジュールでどう使っていけば、目標を達成できるのかと言う視点が必要です。何事も目標を設定して実施しないと習慣にするのは難しいと思います。

システムの導入でありがちなのが、目的やスケジュールが決まっていないのに、一旦そのシステムに慣れるために操作しておくように言われる場合です。そういった入り方は、恐らく習慣化できないだろうなと思います。

とはいえ、そもそもシステムを導入した目的があると思うので、その目的に付随したKPIやKGIにどうやってたどり着くかを考える過程で習慣化するのではないでしょうか。

――今できる最善を尽くそうとする武藤様の姿勢は素晴らしいですね

武藤 ありがとうございます。新しいことに挑戦する際は不安も沢山あると思いますが、マイナスに考えずに、良いことを積極的に考えるようにしています。

【藤本】嬉しくて泣きそうです!
【武藤様】藤本さん、それはオーバーですよ(笑)でも本当にそう思っています。

武藤様の言葉が嬉しくて感極まりそうになるカスタマーサクセスの藤本(写真右上)

――「これはイチオシ」「細かいことだけど便利」というオリジナルの使い方はありますか

武藤 FULL KAITENを導入している企業の皆様はご存じだと思いますが、完売予測日という指標をしっかり合わせていけば、そこに見合った販売予測を出すことができますよね。完売予測日を狙いたい予測日に容易に設定できるので、どれくらい在庫が残るかシミュレーションが可能です。この機能が私の中では特に役立っています。

例えば、2022年12月の時点で2023年3月末までにはこの在庫金額にしたいという目標があるならば、2022年12月から3ヶ月後の完売予測日に設定し、今の売り上げ状況ならこれぐらい残るというシミュレーションが可能です。これはすごく助かる機能の一つです。

赤枠が完売予測日を設定する際の例。※FULL KAITENのデモ画面より

完売予測日のロジックを元に、一日あたりの販売数も割り出せるのでそこから導き出される在庫予測のシミュレーションができます。私はこれを週次で作成することが多く、「このSKUだと、この在庫はこれぐらいの在庫数が残りそうだな。」というのを完売日の状況で見て取れるので、「売価変更のオフ率をもう少し深めよう。」というような判断をしています。これは新しい使い方と言えるのか分かりませんが、逆接的にFULL KAITENを使うこともあります。

――チームの皆さんが活用しているFULL KAITENの機能はありますか

武藤 分析の検索条件が保存できるのは、皆かなり感動していました。この機能があると実務が本当に楽なので助かっています。

赤枠が保存した検索条件の例。※FULL KAITENのデモ画面より

元々、弊社の商品マスタは見やすかったのですが、FULL KAITENで検索条件の保存ができるようになり、更に便利になりました。例えば、FULL KAITEN導入前の商品マスタでは、春夏、秋冬でしかデータを見ることができませんでしたが、今は、春、夏、秋、冬のそれぞれで見られるようになりました。

2.FULL KAITENによる定性成果と定量成果

――FULL KAITENが本格稼働してからどのような成果が出ていますか

武藤 FULL KAITENを導入してから、定性成果と定量成果は相当改善できていると思います。具体的には、以下のような成果が出ております。

【定性成果】

  • 在庫分析の作業時間が、20時間から10時間程に短縮された
    • 在庫運用の計画を策定する時間を確保できた

【定量成果】

  • 在庫回転率が1.3倍から1.7倍へUP
    • 2021年3月期に比べて2022年4月の段階で1.3倍、2022年1年間で1.7倍
  • 販売数も前期比約1.7倍の伸長(2021年4月~12月と2022年4月~12月を比較した数値)
    • 粗利益の部分に関しては、オフプライスストアという特性もあり、売価変更を定期的に行い最終的なオフ率を深く設定しているため、1.2倍〜1.3倍程に留まっている。一方で、販売数と消化率という観点においては、大きな成果を得ることができている

――もし今FULL KAITENが無くなったらどうなると思いますか

武藤 FULL KAITENが無くなることを考えたくないです!

個人的には、実務時間に大きなマイナス影響が出ると考えています。以前の業務に戻ってしまいますし、弊社がFULL KAITENを内製化して同じようなシステムが構築できるとも思いません。

現状、販売在庫のデータをSKU別で一元管理し、そのデータをどのように評価してビジネスに活かせば良いかまで示唆を与えるシステムは他に無いと思います。ですので、FULL KAITENは無くてはならない存在になっています。

「FULL KAITENが無くなることを考えたくない!」と話す武藤様

3.弊社カスタマーサクセスの支援

――FULL KAITENを活用して現在挑戦していることや今後挑戦したいことはありますか

武藤 現在、カスタマーサクセスの藤本様にサポート頂いている売価変更の運用ルールに関して、見直しは常に行うべきだと思っています。来期は更に大きな目標を掲げる予定なので、販売面ではそこにしっかり合わせた売価変更のルール運用をFULL KAITENを用いて構築したいです。

今後挑戦したいことは二つあります。一つ目は、以前も藤本様から提案を頂いている、VMD提案をする商品のリストアップをしたいと思っています。リストアップのハードルは幾つかありますが、仕入れの部分で補ったり、他部署とも連動しながら実現したいです。

二つ目は、施策管理機能(施策の評価および検証作業を簡単に実施することが可能)の活用です。恐らく4月からゴールデンウィークに向けたイベントを開始するため、施策管理機能を使いたいと思います。

――サポートチームでお役に立てている点はありますか

武藤 貴社のカスタマーサクセス・藤本様の支援で特に印象的だったのは、売価変更のルールを決める際、わざわざ定例ミーティングの時間とは別の機会を設けてくださり、ルールの決定に向けてしっかりと肩を寄せて頂いたことです。時間を作ってくださったのがとても印象的で、そこまで親身になって考えてくださるシステムは私の経験上ありませんでした。

藤本様はいつも話しやすい雰囲気を作ってくださり、弊社側も助かっています。

加えて、週次の定例ミーティングでご提案していただく内容が多いので、弊社が気づいていない部分で、「確かにこういう発想もあるな」「こういう見方ができるな」という数字の見方に関する気付きが多く、全力でサポートしていただいています。

藤本様はとても正直な方だと思ったので、弊社にとって良いことも悪いこともハッキリ言ってくださるのが嬉しいです。個人的には、遠慮してはぐらかされるよりは、直球の方が分かりやすく多くの気付きがあるので、ありがたいです。

取材後記

今回の取材で、武藤様の前向きな考えがLuck Rack(ラックラック)様の成果に繋がっていると感じました。会社の決定事項としてITツールを導入することは少なくないと思いますが、まずはその決定を現場の皆様がポジティブに捉えることが出来るようなご提案を弊社側も目指したいと感じました。

取材の最後に、武藤様のご趣味について伺いました。

【武藤】子供が生まれる前は、趣味の自転車でロードコースに入っていました。今は、子供との時間を過ごすことが趣味ですかね。

【筆者】なるほど。子育ては大変なことも沢山あると思うのですが、お子さんとの時間はかけがえのないものですよね。そういう意味でも、FULL KAITENを活用して頂き、在庫分析の業務時間が週当たり半分になって本当に良かったです。

【武藤】そうなんですよ!そう思いますし、すごく助かっています。

武藤様への取材で、FULL KAITENはその方の人生の時間にまで影響を与えることができるシステムなのだと発見しました。

今後も弊社一丸となり、お客様の成果に最大限貢献してまいります。


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