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在庫の中から“宝探し”。コロナ禍で仕入れ中断でもヒット商品に頼らず数百万円を売り上げたバイク用品ECの手法とは

株式会社ジャペックス

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在庫が可視化されたことで、新商品や売れ筋に偏重した販促から、「今ある在庫」を活用した打ち出しへの転換に成功した株式会社ジャペックス様の事例をご紹介します。インポートマネージャーの大澤さんにお話を伺いました。

【目次】

  1. コロナ禍で主力商品が仕入れ中断で欠品。手持ち在庫から数百万円を販売
  2. 弊社代表・瀬川の倒産危機を救った開発ストーリーが導入の決め手
  3. エクセルに7時間かかっていた作業時間が3分の1に短縮
  4. 今後のFULL KAITEN活用法:多頻度少量発注を目指す

株式会社ジャペックスは1976年に設立されたオートバイ用品の卸売・小売企業だ。ヨーロッパのブランドをメインに、米国などからもバイクギアを輸入し販売している。当初は卸売業だったが、2000年からECで小売に参入。自社ECに加え、アマゾンドットコムと楽天市場、ヤフーショッピングに出店している。

輸入停止で売れ筋商品が欠品。手持ち在庫で数百万円を売り上げた

ジャペックスが扱っているブランドは単価が高い商品が多く、原則としてセールは行わない。一つひとつに作り手の思い入れがあるからだ。このため、販促はサイト上の「ニュースぺージ」内に投稿する特集を企画することで行っている。

ジャペックスのニュースページには特集が並ぶ

大澤さん達はこうした特集を組む際にFULL KAITENを活用している。
「消化率向上機能で過剰在庫、不良在庫を見ていると、本当に『宝の山』だと思います。この中からピックアップして特集を組んで露出させれば、瞬く間に『良い商品』に変わるんです」と大澤さん。
「あと、いま売れ筋ではなくても、過剰在庫や不良在庫に含まれる、10年前から売っている商品も、もう一回特集を組むと、再び在庫が回転するようになりました」と語る。滞留在庫の中身は今まで見えていなかったが、FULL KAITENによって可視化されたことで、「宝の山」に化けたということだ。

この効果が大きく表れたのが、新型コロナウイルス危機下の今年9月だ。ジャペックスの仕入先は欧州、特にイタリアが多いが、感染拡大の影響で初夏に工場が止まり、その2,3カ月後の今年9月に影響が来た。仕入れる予定の商品が期日どおりに納品されず、「半年前は在庫過剰だったのに、主力商品として当て込んでいた商品の在庫が底をついてしまいました」(大澤さん)

しかし、FULL KAITENを使うことで9月の売上は順調に推移したという。これは、主力ではない「宝の山」をうまく活用できたからだ。

いま手もとにある在庫で売上を作れたうえ、在庫を減らすことができました。なおかつ、過剰在庫だったものが『フル回転在庫』に復帰させられたし、不良在庫を過剰在庫へ持って行くことができました。何が売れているのか分からないというのが一番ダメなので、そこを可視化できたのはよかったですね」と大澤さん。複数の特集などでそれぞれ100万円単位の売上は立てられたという。

例えば、「バイク女子必見、可愛くなりすぎない おすすめレディースアイテム」のタイトルの女性向けの特集。オートバイ関連はレディースはあまり売れないもののお客は皆無ではないため、一定量を長くストックしている状態だった。そこにメスを入れるための特集だったが、大澤さんは「小さいサイズがポンポンポンと売れたうえ、旦那さんや彼氏と一緒に買うという現象がみられました。それが分かったのも成果です」と振り返る。

こうした効果は、欠品を過度に恐れるが故に在庫過多の常態化を甘受する従来の手法からの脱却として非常に興味深い。以前、ジャペックスでは、ある商品を船便ではなく航空便で緊急入荷した際、数は売れたものの収支はトントンにしかならず、利益が出なかったことがあるという。

大澤さんは「FULL KAITENがなかったら、2番手、3番手の商品を売ろうとするのではなく、何とかして入荷を早くさせようとしか考えていなかったと思います。3日かかるものを1日で納品させようとか、船便を航空便に替えるとか。すると利益率が下がりますが、利益率が下がってもいいから在庫を持て、というのが従来の考え方でした」と現在の同社の変貌ぶりに驚いた様子だ。

「瀬川さんも苦労されたんだなぁ」

ジャペックスでは目下、ECが売上増加の勢いがあり伸びしろも大きい。その半面、同時に在庫も増えてしまい、解決策を探していたところでFULL KAITENを知り、導入に向けた検討が始まったという。

「FULL KAITENはオーダー(発注)から特集(販促施策)の企画、在庫分析そして発注に至るまでの考え方が全く違っていて、初めて製品デモを受けた時は良い意味で期待を裏切られました。考え方を抜本的に変えないと在庫問題のスパイラルからは抜け出せないことがはっきり分かったので、FULL KAITENの思想に身を任せようと腹を決めました」と大澤さんは振り返る。

しかし、「売上を伸ばすには在庫を増やす必要がある」「在庫を減らすと売上も減ってしまう」という在庫ビジネスの“常識”“定説”と、「今ある在庫で売上を増やす。だから在庫が減る」というFULL KAITENの思想(IEM)は、正反対の考え方だ。ビジネスの進め方そのものが180度変わることに不安はなかったのだろうか。

「自分自身を含め、チーム全体が慣れていることから変わることができるのかという怖さはありました」と大澤さん。しかし、社長は、フルカイテン代表・瀬川の創業ストーリーを目にして「瀬川さん、苦労されたんだなぁ」と吐露したという。 子供服ECを経営していた頃、3度の倒産危機を乗り越える過程でFULL KAITENを開発した瀬川の経験が弊社事業のベースにあることが決め手となり、導入することとなった。

作業時間が3分の1に短縮→企画を考える時間に

時間の使い方や、データの正確性も大きく向上した。大澤さんは「かつてはエクセルをひたすら勉強し、あちこちのデータをつなぎ合わせて計算していました。非効率でしたし、やたらと時間を取られていました」。発注に際しても、あまりに時間を取られていたため、「ここまで時間をとられるのなら、発注頻度は2ヵ月に1回、3ヵ月に1回でいいのではないかと半ば本気で考えていました」と振り返る。データをまとめるのに半日を費やす日々だったという。

FULL KAITENの画面で販売数値をチェックする大澤さん

「一日8時間の仕事だとして、データを分析してまとめて、企画を作るのに7時間かかり、残り1時間でどういうアウトプットをするか考えていました。チームの皆がそれが仕事だと思っていました」。しかし、社長は当然ながら「アウトプットが仕事でしょ」と釘を刺してくる。

それが、FULL KAITEN導入で一変した。まず、作業に要する時間が半分から3分の1に減った。ただ、大澤さんは効能について「時間的な効率性もそうだが、正確性の向上が大きい」と強調する。「数字は嘘をつかない。エクセルなら、計算式が間違っていたら元も子もないですよね。過剰在庫になるのも、発注に間違いがあったからであって。『これは売れるだろう』と自分の感情、偏見も入ってしまうから、間違いに気付くこともできないんです」

データの正確性が担保されたため、特定の人間でなくても発注できるようになったうえ、3人、4人がかりで格闘していた発注作業が、チームの誰でも、1人でもできつつあるという。「誰でも客観的なデータを見られるからできることです。発注は属人的な作業ではなく、誰でもできるというのがあるべき姿ですよね」(大澤さん)

分析にかかる時間と負荷が軽減されたことで、企画を考える時間に余裕ができた。従来は売上が目立つもの、FULL KAITENでいうところの「フル回転在庫」だけで企画を組み立てていたという。 しかし、フル回転のいわば売れ筋商品は、売上のごく一部しか占めておらず、売上の50%を上げているのは10年間、販促をしていなかった商品だったりということが少なくなかった。

大澤さんは「FULL KAITENだと、商品ごとの在庫リスクが目に見えて分かるので、苦労して新商品ばかり取り上げる企画をやるよりは、『過剰在庫』に含まれるようなそこそこ売れている商品で企画を2つ、3つとやれば、結果は全然違います」と、効率的に売上を立てられる手ごたえを感じている。

多頻度少量発注の実現へ走り出す

最後に、FULL KAITENを使って今後さらにどうしていきたいか聞いてみた。

単価向上機能をもっと効果的に使っていきたいですね。そしてモールごとにどういう売れ方をしているかを精緻に見ていきたい」と大澤さん。

また、今後の商品開発にも活かしたいと考えている。「日本ではすごく売れているものの海外では売れていない商品がいきなり終了するケースが3~4年前にあって、その商品が別の形で去年復活したら、日本で爆発的に売れたことがありました。FULL KAITENのデータを基に分析すれば、こういうことが起きないようにメーカーに商品開発について提案できるのではないかと思うんです」

さらに、発注頻度を増やすという目標がある。「これは永遠のテーマですね。頻度を増やして1回あたりの発注数を減らす。今まではとんでもないことでしたが、FULL KAITENを使うことで現実性を帯びています」と大澤さんは期待感を抑えきれない様子だ。

これまでは、発注の業務負荷が大きいことが、頻度を上げることができない原因の1つだった。それがFULL KAITENの回転率向上機能で解消されつつあり、実現への障壁が取引先との交渉事だけになるのだ。

「メーカーとの交渉事だけになります。それは当社の腕次第ですし、FULL KAITENによって交渉に集中できるんです。『データがそう言っている』とか『あの商品(の取扱量)は多くするから、こっちは少なくしてよ」とか、正確な客観的データを基に話を薦められるでしょう」

売上の最大化と在庫リスク(売れ残りリスク)・欠品リスクの最小化。究極の小売経営への挑戦は動き出したばかりだ。

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