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客単価約8%アップ! ファッションEC「haco!」の合わせ買い提案を陰で支えた在庫可視化の力とは

株式会社cd.(フェリシモグループ)

レディースアパレル

小売
EC

FULL KAITEN導入後に客単価向上に成功し、在庫高も減少基調に乗せた株式会社cd.様。セールスマネージャーの道満(どうまん)様ほか計3人にお話を伺いました。

※本稿に含まれる情報は、2020年9月末時点のものです。その後、繊研新聞様の独自取材により、「客単価8%向上、売上高25%増加(いずれも昨対比)」という成果が明らかになりました。

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左上から時計回りに道満さん、赤松さん(コンテンツマネージャー)、
三森さん(プロダクトディヴィジョン総括)、弊社CS島田

1.「今ある在庫」を使って客単価約5%アップ。的確な合わせ買い提案が奏功

――haco!(ハコ)は、株式会社フェリシモの事業部から2020年3月に分社し、別会社になったのですね。

道満さん:はい、haco!事業は2015年にカタログ通販からECへ移行し、今年3月にフェリシモ本体から子会社(cd.)へ移管されました。システムを自社開発だけでなく社外にあるリソースを使って、スピード感をもってスムーズに進化させていきたいと考えていたため、フルカイテンさんと協業させてもらうことにしました。

――FULL KAITENはどういった部門でどのように使っているのですか。

道満さん:販売促進面で使っています。サイトは24時間動いていますから、在庫をより効率的に売っていくのが主目的ですね。

使い方としては、消化率向上と客単価向上の2つの目的に沿ってやっています。

当社は、商品を焼却処分しないようにしているので、その分昔の商品も在庫としてあるんです。長く不動在庫としてある商品は、より手をかけて消化していく必要がありますが、そういう手をかけるべき在庫の分類が、FULL KAITENによってひと目で分かるので、日々の販促に活用しています。

従来、過去品番のものはパッと見て全て“不良在庫”と映っていましたが、全部が“不良”なのではなく、その中でより重要な商品はどれかというのが見分けられるので、適切な手を打ちやすくなりました。

客単価向上は、FULL KAITEN導入によって強化できるようになりました。haco!は、お客さまの気持ちに寄り添った提案を強みとしています。そのお客さまおひとりおひとりが、どのような購買をされているか商品ベースで把握できるようになったので、よりお客さまの気持ちに近づけたと感じます。なので、サイトでの案内をどう改善したらいいかということにも役立ちました。

――まず単価向上について教えて下さい。今までと何がどう変わったのですか。

道満さん:当社では注文データの詳細は、工数をかけないと閲覧できませんでした。それが、FULL KAITENによって注文データの内容をダイレクトで見られるようになりました。 注文データが色々な側面で可視化できるようになったことで、お客さまの販売行動に合わせたご提案をサイト上で行えるようになりました。

――それによって平均客単価も上がりましたか。

道満さん:上がりました。haco! ではサイト内にコンテンツをたくさん揃えていますが、お客さまの限られた時間の中で何を提案するのかがとても大事なので、FULL KAITENを使って焦点を絞って提案できるようになったのが客単価向上の要因の1つですね。全体の平均では5%ほど上がったのではないでしょうか。

――具体的にはどうされたのですか。

道満さん:例えば、サイト全体の平均客単価の向上に貢献する客単価帯がマスだと捉えて、そのマス層にある注文はどのような購買をされるお客さまが多いのかを見ます。次に、なかでも、より購買につながっている品番を特定し、その品番の商品がどのような組み合わせでご注文されているかを確認するんです。

合わせ買いされているケースが多い商品をお客さまがクリックすると、「よく一緒に買われている商品はこれ」と提案します。

――客単価を上げた施策は何ですか?

道満さん:弊社の送料無料ラインは5,000円になっています。FULL KAITENにて5,000円〜7,000円でご購入されたケースを洗い出し、合わせ買いに適したアイテムのランキングリストを作成しました。

そして合わせ買いにおすすめのアイテムページを制作し、5,000円未満のお買い物で送料のかかるお客さまに「ご購入前にチェックしてみてください」と、気に入っていただける率の高いリストでご案内できるようになりました。

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2.過去品番を含め全在庫の「売れ残りリスク」を見える化

――過去品番の在庫の把握はどう変わりましたか。

道満さん:全ての在庫の状態がFULL KAITENによって自動的に表示されるので、優先的に売るべき商品を速く決められるようになりました。

このままでは不良在庫になってしまう判断もしやすく、シーズンにはまる過去品番の在庫も効率的にピックアップできるようになりました。FULL KAITENだと、値段(上代、下代)や写真付きで探し出せ、在庫数や在庫金額順にソートがしやすいです。

また、期中に動いているオンシーズンものをサイト上で並べ替える時、従来は基本的に売れ筋の商品を前面に押し出し、手をかけて見せていました。その結果、売れ行きに鈍化の兆候があったり消化が進んでいなかったりする“不良在庫化してしまいそうな商品”の優先度が下がってしまっていました。 それが、FULL KAITENで「この商品を放置すると在庫化してしまうよ(不良在庫に落ちてしまうよ)」というアラートが見えるようになったので、意識的にそういう商品は手をかけるべき対象に組み込めるようになりました。

――商品には新規投入から売れなくなるまでライフサイクルがありますからね。不良在庫化する前に売ることができれば、在庫高も減っていきますよね。

三森さん: FULL KAITENによって在庫の中身に関する情報を吸収しやすくなった分、データをチェックする機会も増えましたし、「この品番の在庫を減らそう」という意識をチーム全体で持てるようになりました。

道満さん: あと、従来は外部モールなどの他社倉庫に預けている在庫のデータは自社サイトとは別々にデータを管理していたので、品番の管理がとても大変で、でもFULL KAITENでは外部モールの販売データ、在庫データも一緒に管理できますから、この差は大きいです。

3.重たいエクセルの苦痛から解放。セール選定の作業時間が大幅に短縮

――時間の使い方も変わったのではないでしょうか。

道満さん:変わりました。エクセルと格闘していた頃と比べると、今は楽しいです。本当に(笑)。

それと比べてFULL KAITENは、なにをするのもボタン1つ。「過剰在庫」か「不良在庫」かを判定するために完売予測日(完売予測期間)を設定するんですが、日数を変える時も数字を変えてクリック1つで終わりです。セール対象の商品を選ぶとき、エクセルでは品番ごとの消化率などの計算で数式の変更が大変でしたが、今は消化日数の指定や在庫量とかのソートがクリック1つで済むのでありがたいですね。

――作業時間はどれくらい短縮されましたか。

道満さん:セールアイテム選定作業時間が格段に短縮されました。 これまでは、「データを見る日」を作り、工数をかけてデータを探し出してセール選定作業をするしかありませんでしたが、効率的になったことで新たなチャレンジに時間を使うことができるようになりました。商品選定が速くなったので、品番ごとにより細かく価格設定をし、お客さまにより楽しんでいただけるような提案コンテンツの充実にリソースを配分できています。

4.今後のフルカイテン活用方法

――逆に、FULL KAITEN導入で大変だったことは何ですか。

三森さん:(自社のデータをFULL KAITENに合うように詳細仕様をすり合わせる)データ連携のところで苦労しましたね。

道満さん:手持ちのデータを活用することで、効率的なサイト運営ができるんだなと、よく分かりました。ECで事業をしている分データはたくさん持ってはいるものの、データをどう活用するかという面では、より売れているものをもっと売っていくという手法ばかりに集中しがちでした。

それを、手持ち在庫に含まれる隠れた商品をどう活用するか、に考えを変えることができました。

――今後、FULL KAITENをどのように使っていきたいですか。

道満さん:過去品番をはじめとして「不良在庫」と判断されてしまっている商品を全て均一に扱うのではなく、より効率的に品番ごとに売れ残りリスクを見極めていきたいですね。なので、この11月からは提案内容を変えていきます。新商品ばかりを前面に出しがちでしたが、まだまだ売れる商品力がある過去商品も押し出したいと考えています。

単価向上面では、ポップアップで提案内容を変えるということをまだ試験的にしかやっていないので、もっと横に広げて、お客さまがスムーズにお買い物できるようにしていきたいですね。

編集後記

よく通る声ではきはきと受け答えをしてくれた道満さん。商品を「ウチの子」とか「あの子たち」と呼んでいるのが印象的でした。聞くと「全ての商品に愛情を持って扱っているので、子供だと思っています。この子たちをより善くしていくためにはどうすればいいかをチーム全員で考えています」とのこと。思い入れのある大切な“我が子たち”が、より良い条件で巣立っていけるよう、FULL KAITENをもっともっと活用してもらいたいですし、我々もFULL KAITENの機能をさらに磨いていこうと強く思いました。(desk)

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